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第7章 008
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「な、何事だ……」
動揺する相原の声が、光を失くした室内に響く。
ただそれもほんの一瞬のことで、すぐに天井のシーリングライトを含めた全ての照明が、瞬きをする間もなく灯された。
そして再び姿を現した本木の手には、もう一枚のカードキーが握られている。元々の部屋の住人、相原が所持していた本物のカードキーだ。
本木は本物と偽物、二枚のカードキーをテーブルの上に並べ……
「この二枚のカードキーは、一見すればどちらも同じに見えますが、実は一枚は本物で、もう一枚は偽造された物です」
少々早口気味に言ってから、再び二枚を同時に手に取った。
「相原社長、この部屋のカードキーは、スペア併せて何枚ありますか?」
問われた相原は、「俺が持っていた一枚だけだと聞いている」と一瞬の迷いもなく答えた。
「そうです。仰る通り、一枚しかない筈なんです」
「だとしたら、そのもう一枚のカードは偽物ってこと……なのか? いや、で、でもちょっと待ってくれ。この部屋の照明は、そのカードキーが無ければ点かない筈だろう? なのにどうして……」
一瞬天井のシーリングライトを見上げ、首を傾げた相原に、「簡単なことです」と本木は一切表情を変えることなく、銀縁眼鏡の縁を持ち上げ答えた。
動揺する相原の声が、光を失くした室内に響く。
ただそれもほんの一瞬のことで、すぐに天井のシーリングライトを含めた全ての照明が、瞬きをする間もなく灯された。
そして再び姿を現した本木の手には、もう一枚のカードキーが握られている。元々の部屋の住人、相原が所持していた本物のカードキーだ。
本木は本物と偽物、二枚のカードキーをテーブルの上に並べ……
「この二枚のカードキーは、一見すればどちらも同じに見えますが、実は一枚は本物で、もう一枚は偽造された物です」
少々早口気味に言ってから、再び二枚を同時に手に取った。
「相原社長、この部屋のカードキーは、スペア併せて何枚ありますか?」
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「そうです。仰る通り、一枚しかない筈なんです」
「だとしたら、そのもう一枚のカードは偽物ってこと……なのか? いや、で、でもちょっと待ってくれ。この部屋の照明は、そのカードキーが無ければ点かない筈だろう? なのにどうして……」
一瞬天井のシーリングライトを見上げ、首を傾げた相原に、「簡単なことです」と本木は一切表情を変えることなく、銀縁眼鏡の縁を持ち上げ答えた。
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