私、転生したから一大企業を作って、そのトップになるんだ。

優雅

文字の大きさ
1 / 22
第一章

プロローグ

しおりを挟む
・・・・・・・・・・チク・タク・チク・タク・・・・

 アーサーはちらりと時計を見る。時間はもう正午だ。
まだ7歳ではあるものの、由緒正しい商家の長男に生まれた身ゆえ、家業の手伝いは午前の日課となっている。

 午後からは勉強だ。彼にとって勉強というのは娯楽である。今まで知り得なかった知識を獲得し、それを翌朝活用していく。この快感が彼の脳にドーパミンを作らせる。それが遺伝によるものか、それとも彼の性格にあるのか、はたまた別の理由によるものかは誰も分からない。ただ、彼のその姿勢を両親と周りの従業員たちは好ましく思っていた。壱を教えたら拾を知る。そんな彼に知識を授けたがらない人間など、悪人でない限りいないだろう。


食事をとり、執務室へ向かう。軽くドアをノック。

「父上、失礼します。」

「うむ、入れ。」

中に入ると、彼は違和感を覚えた。そして、いつもなら机の上に置いてあるはずの教科書類がないことに気付く。

「父上、今日はご教授願えないので?」

「そのことなんだがな、最近近くに新しい店ができたらしいのだ。覚えてるか?あのルーフェス家の。」

「ああ、確か先月密輸で捕まった。」

「そうだ。あの店が接収された後、そこに新たに商人が入ったようなのだが・・・」
あまり好ましくないと、とアーサーは言葉を続ける。

「それが微妙なのだ。」

「どういうことですか。」

「普通、新しい店ができると一時的に売り上げが落ちる。お前も帳簿の整理をしたことがあるから分かるだろう。」
そうだろう、皆新しいものが好きなのだ。そしてウチのコスパの良さに気付き、こちらに戻ってくる。

「だが今回は奇妙なことに全然売り上げが下がっていない。」

「えっ!・・・・・・・・ではその店は全く売れていないということでしょうか?」

「いや、逆に行列ができてるのだ。何度かウチの者を行かせようとしたのだが、店の人手が足りず、結局並んでいる途中で戻ってきてもらうばかりだった。」

「それはまあ、なんというか・・・」

「信じられんだろう?そこで理由を突き止める為、午後仕事に従事していないお前に白羽の矢が立ったのだ。」

「ですが勉強は・・」

「社会学習と思って行ってきなさい。お金も少し多めに渡しておこう。気に入ったものがあれば買って もいい。」


「えっ、いいんですか!?
それでは父上、早速行ってきます!!」

スキップをしながら部屋を出て行くアーサーを見て、やはり子供なのだな、と実感する父・バイドなのであった。




*************************************************************************

ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

処理中です...