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かあさんがしんだ
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しおりを挟む僕も、正直あまり良くは思えませんでした。
お父さんは、お母さんのことが嫌いになったのでしょうか?
僕たちにとってお母さんは一人だけです。他の人に代えようがありません。
お父さんにとっては幸せでも、僕たちはそうじゃありません。
僕たちにとって家族とは、お父さんとお母さん、僕とお兄ちゃんの四人だけです。
お父さんが他の人と結婚してしまったら、もう家族ではないのです。
僕たちと築いた家族とはまた違う、別の新しい家族を作るのです。
僕たちのことは、きっといらなくなってしまう。
とても怖かったです。
お兄ちゃんがおかしくなったのは、半年前にお父さんからその話を聞いたからだそうです。
お兄ちゃんも、お父さんも、泣きました。
ぐちゃぐちゃになったリビングで、お兄ちゃんは「俺たちを捨てるのか」と泣いて、お父さんは「なんで解らないんだ」と泣いてました。
僕は二人に、涙を拭くためのティッシュを差し出しました。泣きませんでした。
お父さんは僕にありがとうと言って、ティッシュを受け取ってくれました。
でも、お兄ちゃんは僕の手からティッシュの箱を叩き落として、叫びました。
「なんでいつもそうなんだよ」
びっくりして、お兄ちゃんを見詰めていると、今度は頭を叩かれました。
すぐにお父さんが僕を庇うように、背中に隠しました。
「なんでいつも平気な顔をしてるんだよ。母さんが死んだことが悲しくないのかよ。
お前のその顔を見るだけでも腹が立つよ」
お父さんが、情けない声でやめろと言いました。 頼むから、やめてくれと。
お兄ちゃんがそんなひどいことを、僕に言ってくるのは初めてでした。
「一回ぐらい泣いてみろよ。お前どんだけ冷たいんだよ。母さんが悲しむよ……」
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