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八章
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その後、私達はエリザの家に戻った。村のことは知らない。どうにも出来ない。変に関係して、目立つ様なことをすれば私達が犯人と疑われかねないと判断した。
非常に心苦しいものはあるが、私達には何も出来ないのだ。何も出来ないのに、多大な迷惑を周りに広めてしまっているのだ。
とりあえず、クロスとの言い争いは脇に置いておくことにした。これは仕方の無いことだ、私と彼は同じ人間ではないのだから。
ただしかし、今回に関しては私の方が間違っていると思う。我々にとって危機となる存在なら、被害が及ぶ前に殺しておく方が得策だと言う私の主張は、世間一般から見たら全く以て非常識だ。
しかし、一般常識が通用しないような相手なのだから、私の主張はさほど間違っているとは思えないのだ。私がクロスに譲れないのはそこで、彼の「むやみに人を殺すのはいけない」という言葉には、なんとなく苛立ちを覚えてしまう。
私だって、世界は平和であってほしい。
玩具のように、人の、たった一つしか無い命を粗末にするのは嫌だ。村の人間を皆殺しにした、ライラやあの小さな男の子を殺した、あの女が憎たらしい。殺すなら、私だけにしてほしい。
クロスは「ちょっと考えたい事があるので、しばらく一人にしてほしい」と言った後、早々にエリザが用意した客室に引きこもってしまった。食事もトイレもしている様子がなく、風呂に入ってる様子も、言わずもがなである。お得意の魔法で何でもできるのだろうが、せめて最低限のことは自分の力で済ませてほしいものだ。人間としての、まともな生活というものくらいは。
客室を独り占めされてしまったので、私はエリザの寝室にお邪魔して、簡易ベッドで寝泊まりしている。
彼女は度々、「私も旅に連れて行って」と頼んで着たが、私はまだ決めかねていた。彼女は若くない。聞いた話では年齢は六十五歳だそうだ。旅をするには高齢である。
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