夏の星

変態 バク

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5. AM 6:00.夏の始まりを告げる雨脚。

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久しぶりに寝坊をした。 目を覚ますと、午前11時を少し過ぎた時間。 ぼーっとした状態で伸びをした夏は、習慣的に携帯電話から取った。 目をこすりながら携帯電話をつけるやいなや見えるのは、イチーム長の訴えがいっぱいのメッセージとユ·ハンビョルの留守番電話だった。

勤勉でもある。 ユ·ハンビョルは午前7時から30分おきに夏に電話をした。 幸い無音にしておいたせいで、奴に悩まされなくてよかった。

あくびをし、ヨルムは李チーム長に返事を送った。

[明日から私がその地獄生活だから 今日一日だけ頑張ってください]

だから会社員が休みの日を指折り数えて待っているようだ。 これまで見られなかったミッドを一気に追い詰めると、いつ眠っていたのか思い出せなかった。 相変わらず広がるノートパソコンを閉めてベッドから起きた夏は肩を叩きながら窓際に近づいた。

曇った空は今にも雨が降りそうだった。 そのためか、右腕がずきずきした。 しばらく窓の外を眺めていた夏は、思わずユ·ハンビョルのことを考えると、首を横に振った。

少なくとも今日だけは考えたくなかった。 そのように誓ったが、ユ·ハンビョルの記事を見て笑いが爆発した。 捕縛されて引きずられる刹那の場面が記事として大書特筆されていた。

/うわぁ、すごい!/

/うちのお兄さんにどうしたんですか

/ 有限星 が 引っ張られる /

/所属事務所が芸能人をやたらに扱う。 ワールドスターのユ·ハンビョルをまるで荷物を扱うようにするね

/所属事務所がアンチ/

/超ウケるwww/

/ユ·ハンビョル、人間味溢れるね。 所属事務所があのように扱っても笑いながら行く。 人間性がすごい/

/犯罪者みたいユ·ハンビョル/

以前はあえてユ·ハンビョルに対するコメントまで探してみなかったが、マネージャーをしていたら気を使わないわけにはいかなかった。 大勢は所属事務所がアンチという方に追い込んでいるようだった。

「君たちが知っているそのユ·ハンビョルが自ら招いたことだ」

内幕を知らない彼らに、夏は愚痴のような独り言をつぶやいた。 そうだね。きれいに行けばいいのに、なんであんなに引きずられてこんな記事が出るようにするの。 とにかく頑として押し通す性格は相変わらずだった。

軽く笑っていた夏は、ふと昔の記憶を思い出した。

ユ·ハンビョルとヨルムが付き合って100日目になった日だった。 その日、2人で一緒にお祝いしようと約束したが、会社が突然放送を止めてしまった。 それも地方ロケという言葉に、夏はしょんぼりしていた。 結局、その日、ハンビョルは夏のために放送をパンクさせてしまった。

その当時、人気の高い旅行番組のゲストだった、新人に顔を知らせる重要な機会を吹き飛ばしたわけだった。 そんなハンビョルの行動に感動したヨルムは、あの日、あいつと初セックスをした。 今考えてみると、二人とも分別のない一時期だった。

感動なんて。 ユ·ハンビョルの無責任な行動に会社も被害を受けただろうし、苦労して仕事を得たマネージャーもどれほど喪失感が大きかっただろうか。

その時代、ユ·ハンビョルとヨルムは2人の愛だけが重要だった。

大人たちの話はみんな小言としか聞こえなかった。 ありふれた10代の反抗心が彼らにもあったのだ。 そう、そうだった。

久しぶりに昔の思いにふけった夏は口の中が苦い。 振り返った自分の10代は後悔に染まっていた。 それにしても、こうしている時間がなかった。

1分1秒が惜しい大事な休日だが、今まで忙しいという言い訳で後回しにしていた荷物の整理をまだ終えていない状態だった。 すでにため息が出るが、これ以上先送りすることはできなかった。

[何してるの?]

しばらく荷物の整理をしていて、うっかり携帯電話を確認したヨルムは、ずいぶん前にスンジェから来たメッセージを後になって見た。

[部屋の掃除です]

簡単に返事を送った後、本棚に本を入れていると、すぐに彼から電話がかかってきた。 夏はほこりのついた手をズボンにさっと拭いた後、電話に出た。

「忙しくないですか?」

-あなたは私よりもっと忙しそうだか?

「久しぶりに休むから、やることが多いんです。 これもやるし、あれもやるので慌ただしいです」

-だよね?それが会社員たちの悲哀だよ。 どうせ一ヶ月だけやるんだって。

「もう2週間ちょっとかな? ところでどうして電話? 先生、医者がこうしてもいいんですか?」

-おい、医者は人じゃないのか? 休み時間。 あなた 連絡がなくて、もしかして私と約束したことを忘れたのかなと思って。 確認車。

水っぽく笑うスンジェの笑い声が、夏の耳をくすぐった。 しばらくしていたことをめぐって、彼との通話に集中した夏も笑いが爆発した。

「誰がバカだと思っているのか」

-7時半くらいにあなたの家の前に行くよ。

「ええ、大丈夫ですって。 タクシーに乗って行けばいいのに。 しばらく渋滞する時間に来るのは大変じゃないですか」

-私が好きで行くんだよ。 少しでも早く会いたくて。

「お、先生、これまでスキルが半端なく伸びましたね? どこでこんな言葉を習ったの? 昔だったら、そうする?と思って、きっと、人は、あの人、あの人に会ってみても、恋愛の実力も伸びるものだよ。そうでしょう?」

-そうなの?良かった?

「少し?」

-ときめいたの?

夏は口を甘やかしてすぐ閉めてしまった。 軽く答えることではなさそうだった。 言葉が詰まった夏に代わってスンジェが代わりに言葉を続けた。

-学んだのではなく、再びあなたに会ってから私なりの誓いというか。 とにかく、そういうのがあるんだよ。 小さい子。

彼はいつもこのようなやり方だった。 一歩後ろに下がって夏を待ってくれた。 これが大人の思いやりであることを知るのに長い時間がかかった。

振り返ってみると、彼は病院から夏の生活のいたるところに溶け込んでいた。

「先生、私の年がいくつもあるのに、お子さんはちょっとあれだね。 もうちょっと変えましょう。」

-そう?じゃあ、何にしようか。 特に似合うものがない。 まあ、夏って呼ぶよ。 それが君には一番よく似合うから。

しばらく悩んでいたスンジェは、低い笑みを浮かべながら淡々と話した。 静かな部屋に彼の声はあまりにもはっきりと夏の胸をたたいた。 訳もなく本棚の中にある本をいじっていた夏は唇をかんだ。

電話でよかった。 向き合っていたら、またどうやって彼を押し出せばいいのか困っただろうから。

「じゃ、またね」

-うん。着いたら電話するよ。

急いで通話を終えた後、夏は床に座り込んだ。 冷たく縁を切ってしまったが、偶然の出会いをきっかけに、彼は以前よりも積極的に近づいてきた。

頭が複雑な夏が一人だけの考えに浸っている間にメッセージがまた来た。

[本当にひどい。 どうして電話一本もないの? 少なくともすまないという話くらいはしなければならないんじゃないの?]

[ほら、今読んでるの分かってるのに 既読無視でしょ? 電話一本ないの?]

[なんで?国際電話だから?]? 私が電話しようか?]

[あなたはマネージャーというやつが ファンミーティングを上手くやったのか、 そういうことも聞かないのか?]

あきれたタイミングにハンビョルのメッセージが爆弾のようにあふれた。 ヨルムがすべての連絡を無視すると、結局ハンビョルは謝れとわがままを言い始めた。 このようなことを見ても、李スンジェとあまりにも比較された。

「あなたはいつ大人になるの?」

携帯電話がユ·ハンビョルであるかのようににらみながら、夏は叱った。

[私を騙したことを謝って! それとも僕は本当に怒るよ

しばらく静かだったが、再び送るのを見ると、ファンミーティングが終わったような気がした。

これをキャプチャーしてインターネットに載せちゃうの? ファンにあなたのお兄さんがこんな風に人をいじめると知らせたい気持ちだった。 奴のしつこい要請に夏はやむを得ず返事を送った。

[ごめん。出来た?]

[本心がこもってないじゃん!]

やってくれても大騒ぎだ。 たった一日離れていただけなのに、少しも休まず連絡をしてきた。 その執拗さに夏は舌打ちをしながら携帯電話を下ろした。

それでも何時間もしがみついたら、一通り人の住む部屋のように見えた。 整理しただけなのに時間はあっという間に流れたというのが問題だったが。 約束時間があまり残っていないことを確認したヨルムは席を立って伸びをした。

「洗わないと」

夏は服を脱ぎ捨て、バスルームに向かった。

ひときわ白い肌に贅肉一つない体が鏡の中にあった。 右肩から肘まで長く続いた傷跡が今日に限ってよく見えた。 それでも傷跡除去手術を2回もしたので、この程度だった。 肌の色も両腕を置いて比較すると、右側の方が青かった。 血液循環がよくなかったからだ。

事故の跡はこのように一生夏の体に残っているだろう。 あえてそれを無視した夏は、シャワーの水を流した。 久しぶりにスンジェとの出会いに少し浮かれた夏の鼻歌が、しばらくして浴室のドアの隙間から漏れた。

スンジェは7時前に到着した。 思ったより渋滞しなかったという言い訳は通じなかった。 彼が急いできたことをよく知っているので、夏は何も聞かずに車に乗り込んだ。 それから間もなく雨が降った。

降り注ぐ雨の音を聞きながら二人は久しぶりに話に花を咲かせた。 ほとんどのテーマはお互いの仕事に関するものだったが、悪くはなかった。 スンジェは最近、働きながら経験した荒唐無稽なエピソードをテーマにし、ヨルムは昨日起きたユ·ハンビョルの捕縛事件に関連したことを取り上げた。

「うちの病院の看護師たちも見ていたよ?」

「何ですか?」

「ハンビョルさん、可愛くてたまらない」

「可愛いのは。 本当に芸能人は画面に見えるのと違うってことを知らないんだって。 あの子連れ去られながらも私に悪口を言ったのありますよね? こうやって怒りながら。 口の形で」

思ったより道路は閑散としていた。 ニヤリと笑いながら、その日ユ·ハンビョルが夏に見せた表情をそのまま真似している間に、車はマンションの地下駐車場に入った。 しばらく彼が黙っていると、ヨルムは彼を横目で見た。

「夏よ、もしかして…」 ユ·ハンビョル好き?」

静かな車の中で、彼は降りようとする夏の手を握って質問を投げかけた。 瞬間的に驚いたヨルムは答えるタイミングを逃してしまった。それがどういう意味なのか後になって把握したヨルムはぎこちなく笑ってスンジェの質問に反問した。

「先生、何を言ってるんですか?」

「あなた、最近ユ·ハンビョルの話ばかりしてるの知ってるよね?」

「彼だよ、私がマネージャーだから」

恥部をばれてしまった人のように、夏は思わずてんてこ舞いになる。 それを知らないはずがないスンジェは、そんな夏をじっと見つめながら淡々と笑った。

「泣くように見ないで。 あなた 泣かせようとしたわけではないから」

夏は私が泣くようにスンジェを眺めていることも知らなかった。 混乱した夏にスンジェがゆっくりと近づいてきた。 少しずつ彼との距離が縮まったが、夏は拒否しなかった。

彼の舌は夏の唇を巧みに切り裂いて,優しく触れることができた。 ぶるぶるとまつげをふるった夏は、彼とのキスに集中した。 慎重に口の中をかきわけておく彼のキスに息が切れた。

しばらくしてやっと離れた唇の間からスンジェの小さなささやきが聞こえた。

「大人も時には大変だよ」

目の前で向き合った彼の目は傷ついた男の目だった。 それでも彼は平気なふりをしてにっこり笑って急いで車から降りる。

つられて車から降りた夏は、湿気を含んだ空気と向き合った。 降り注ぐ雨の湿り気がここまで降りてきたのだ。 「早く上がろう」と背中を押すスンジェを見つめるヨルムは、苦笑いした。

彼と一緒に上がったエレベーターの中に気まずい空気が漂った。 思わず出くわした視線にスンジェは淡い笑みを浮かべながら夏の手を握った。 夏はどうしてもその手を振り切ることができなかった。
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