“頑張れば何とかなる”って、誰が言い出したの?

けんぽう。

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“頑張れば何とかなる”って、誰が言い出したの?ヴェルシュトラ・序章

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妹は、歩けなかった。

子どもの頃の病気が原因で、彼女の足は動かない。
それでも、あの子は笑っていた。
机に向かって、一生懸命に勉強していた。
努力すれば、学べば、変われるって。
この社会は、そういうふうにできているって

私も、そう信じていた。
少なくとも――信じようとしていた。


妹の学費が、足りなかった。
コツコツ貯めたお金では、アカデミアには届かなかった。
——あの子は、努力していたのに。
だからこそ、私はあの子にチャンスを渡したかった。


条件は……良すぎるくらいだった。

でも、私はもう迷わなかった。
何を差し出してもいいと思った。
自分の価値なんて、とっくに使い果たしていたから。


ロフタの街で、私は契約した。
スキルも担保もなかったけれど、向こうは笑って契約を結んでくれた。

これで妹は学べる。
この世界を、信じたままで生きられる。
その未来が買えるなら、私はどうなってもよかった。

そう思った。

思い込もうとしていた。
ずっと、ずっと、ずっと。

——私の努力が、足りなかったのだろうか。  
——もっと、何かできたんじゃないか。 

「努力すれば報われる」社会の、その裏側。
この物語の続きを、本編でご覧ください。

ヴェルシュトラ ~スキル経済と魔導石の時代。努力が報われる社会で俺たちは絶望を知りそれでも、歩き出した~
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