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さらなる成長を求めて
20.強くなる為の特訓
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「命中はたった一本だけじゃの」
複数の場所に並べられた丸太に向けて、俺は渡された針を投げていた。投げの特訓、それも細長い針での特訓だ。
投げるなら、短剣とかにしてほしかったが、これも基礎からなのだろうな。
「短剣なんて期待しても、儂の家には置いてないからの」
あの家に針ぐらいが十分に収納出来る。短剣ほど多く置ける場所はないと言うことになる。
渡された本数は全部で12本、先程投げたので半分になる。
「10本の丸太があるんじゃ。もうちょい命中させてみたらどうじゃ?」
「なかなかコツ掴みにくいんだよ!」
俺は右手に持った長針を投げる。だが、それは丸太の目の前へと刺さった。腰に装着していた長針を一本取り出し、それを更に投げる。
次は真っ直ぐに丸太へと刺さった。
「その調子じゃ。投げ方さえ覚えれば、普通に命中するじゃろう」
確かにそうだが、そもそも投げ方が覚えにくい。手の甲の指の隙間に針を挟み、左から右へと右手を振って投げている。
瞬発的にスピードを出し、飛ばしているものだ。前の世界ではこんな投げ方ではあまり飛距離は飛ばないだろう。
だが、この世界だからこそ、出来る技なのかもしれない。
「うむ、次々と命中しとるようじゃの。なら、連続でその丸太に投げてみるのじゃ」
言われるように丸太へと残りの本数を投げる。4本の内、2本は当たり、残りの2本はその手前と奥へと飛んでいった。
これでもベストなはずだなんだが、今日やり始めたにしては連続で当たったのは初めてだ。
「うむ。なかなかの上達ぶりじゃの」
彼女は座りながら、針が入った布を懐から出し、それを俺に向けて放り投げた。
俺は慌てながらも、なんとかキャッチした。その中に入っている10本の内、1本の針を抜き、右手に持つ。
「その本数で最低半分は命中させて見るのじゃぞ」
無茶苦茶だ。今日やり始めてばっかなのだが、筋が良いだけで、そこまで命中は良くない。
これを最低半分、丸太に命中させる。今の俺にそれが出来るのか分からなかった。
「風の音を聞き、そして感じるのじゃ。きっと今のお主は出来るはずじゃ」
風を感じ、それに従う。
俺は目を閉じ、風の音を聞いた。森の木々の葉が揺れ、水の音が響いてくる。
そんな時、揺れる葉の音が小さくなったところを俺は素早く投げた。その針は1つの丸太へと命中した。
風を感じ、それに従うか・・・。風の影響、自然に従い投げる。今はこの感覚を覚えるしかない。
彼女のように自然を感じずに投げる事など、今の俺には不可能だ。
「そうじゃ。それを夕方まで投げ続けるのじゃぞ」
俺が手を見てる時、彼女は更に10本の針が巻かれた布を数個手に持った。
上達、或いは彼女が起きるまでこれを続ける予定だな。なら、この耐久戦、ただでは負けるわけにはいかないな。
俺は針を抜き、そして1本、丸太へと投げるのであった。
複数の場所に並べられた丸太に向けて、俺は渡された針を投げていた。投げの特訓、それも細長い針での特訓だ。
投げるなら、短剣とかにしてほしかったが、これも基礎からなのだろうな。
「短剣なんて期待しても、儂の家には置いてないからの」
あの家に針ぐらいが十分に収納出来る。短剣ほど多く置ける場所はないと言うことになる。
渡された本数は全部で12本、先程投げたので半分になる。
「10本の丸太があるんじゃ。もうちょい命中させてみたらどうじゃ?」
「なかなかコツ掴みにくいんだよ!」
俺は右手に持った長針を投げる。だが、それは丸太の目の前へと刺さった。腰に装着していた長針を一本取り出し、それを更に投げる。
次は真っ直ぐに丸太へと刺さった。
「その調子じゃ。投げ方さえ覚えれば、普通に命中するじゃろう」
確かにそうだが、そもそも投げ方が覚えにくい。手の甲の指の隙間に針を挟み、左から右へと右手を振って投げている。
瞬発的にスピードを出し、飛ばしているものだ。前の世界ではこんな投げ方ではあまり飛距離は飛ばないだろう。
だが、この世界だからこそ、出来る技なのかもしれない。
「うむ、次々と命中しとるようじゃの。なら、連続でその丸太に投げてみるのじゃ」
言われるように丸太へと残りの本数を投げる。4本の内、2本は当たり、残りの2本はその手前と奥へと飛んでいった。
これでもベストなはずだなんだが、今日やり始めたにしては連続で当たったのは初めてだ。
「うむ。なかなかの上達ぶりじゃの」
彼女は座りながら、針が入った布を懐から出し、それを俺に向けて放り投げた。
俺は慌てながらも、なんとかキャッチした。その中に入っている10本の内、1本の針を抜き、右手に持つ。
「その本数で最低半分は命中させて見るのじゃぞ」
無茶苦茶だ。今日やり始めてばっかなのだが、筋が良いだけで、そこまで命中は良くない。
これを最低半分、丸太に命中させる。今の俺にそれが出来るのか分からなかった。
「風の音を聞き、そして感じるのじゃ。きっと今のお主は出来るはずじゃ」
風を感じ、それに従う。
俺は目を閉じ、風の音を聞いた。森の木々の葉が揺れ、水の音が響いてくる。
そんな時、揺れる葉の音が小さくなったところを俺は素早く投げた。その針は1つの丸太へと命中した。
風を感じ、それに従うか・・・。風の影響、自然に従い投げる。今はこの感覚を覚えるしかない。
彼女のように自然を感じずに投げる事など、今の俺には不可能だ。
「そうじゃ。それを夕方まで投げ続けるのじゃぞ」
俺が手を見てる時、彼女は更に10本の針が巻かれた布を数個手に持った。
上達、或いは彼女が起きるまでこれを続ける予定だな。なら、この耐久戦、ただでは負けるわけにはいかないな。
俺は針を抜き、そして1本、丸太へと投げるのであった。
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