勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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王都異変

66.王都へ

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「荷物は全部まとめたな」
「準備は既に終わってるよ」

 日がある程度まで登った後、昼頃には王都へ戻れるように俺らは出発しようとしていた。今日の朝は見送りさせてくれているのか、太陽が眩しいほど輝いていた。

「最後の光景になると少し寂しいですね。特に温泉は」
「温泉の気持ち良さは以外と忘れられません」

 2人はなんかがっかりしている。また来れば良いと思っているが、歩きとなると入り口までに5日以上は掛かる。

「最後ぐらいは見送りさせてくれ。それとこれリーネに渡しておいてくれ」

 七彩が何かの箱を持ちながらこちらへやって来た。そしてその箱を俺に渡す。

「お返しみたいな物だ。まあ、彼女だと目が輝きそうだが」

 そんな品があるのか。まあ、王都に着いてから渡すか。

「主ー!こっちはいつでも飛べるよ」

 スレイラが大きな鳥へと変身した。2度目だから驚かないが、変身ってホントに便利だな。

「では俺らは王都へと戻ります。お世話などしてくれてありがとうございました」
「こっちも楽しめたからいいよ。またどこかで会えるといいな」

 俺と七彩はそれぞれ言葉を交わし、握手をした。そしてスレイラの背中に乗り込む。

「それじゃあ行きます!」

 スレイラは大地を飛び立ち、王都へと向かった。

 その後ろを七彩は見守りながら、呟いた。

「……さて、こちらも準備始めますか」

 そう呟いた後、家へと戻って行った。


 太陽の光が目に入る。空を飛んでるせいでその分太陽が近くにあるようにも見える。

「このフカフカには負けます」

 なんかこのセリフ行きにも聞いたような気がする。眠たくなるのは分かるけど、景色楽しむとかしないのか。
 そういや、貰った地図をまだ見てなかった。全体図でも見て地域を覚えないと。

「おや、それ七彩がくれた地図?」
「そうだ。まだまだ地域について知らない事もあるかもしれないから」

 置物とかで地図を抑えながら広げる。広げた地図を3人で見る。

「以外と国境付近に王都があったんですね」
「東側に近いけど、その分西側は3週間は歩かないといけないかもな」

 東沿いに王都がある。王都以外にもいくつもの街や集落なども記されていた。それ以外にも土地の特徴を色別にされていたりなど細かく記されていた。

「ねえ、この色は何なの」
「紫色……魔王軍とかじゃ無いかな」

 中央の山、そこから東西南北の領土に紫色が広がっていた。南の領土しか情報が無いのか、他の所は曖昧なところで止められていた。

「それにこんなに街や村があるとは」
「でも他の土地は王都の位置ぐらいしかありませんね」
「あんまり情報が無いのだろう」

 自国ぐらいの情報しかないって事か。まあ、他国には今後行くかもしれない。
 多少は頭に地形が入ったであろうと思った時、何かの影が地図へと重なる。

「何か通りませんでした?」
「だな。嫌な予感がする」

 そう呟きながら上を見ると、

「……翼竜!」

 数匹の翼竜が上空にいた。黒く輝く装着がよく目立つ。

「魔王軍だ。スレイラ!急いで向かってくれ」
「分かった!しっかり掴まっていてね」

 先程とは風の感じ方が増した。それでも後方に翼竜が付いてきており、更には上空から数人の魔王軍が飛び降りて来る。

「やるしかないか」

 右手をチェーンへと切り替え、戦闘の構えをした。ここで死ぬのはゴメンだ。
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