勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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龍の里

80.夜の料理

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  森を抜けた時、空は暗く満月の月が出ていた。広い草原は満月の月で光り輝いている。
 微かな風が吹いており、夜にしては気持ちいい。

「今日はここで野宿?」
「もう少し進んだ先だな。森近くだと何かと危ない」

 まあ、野宿する時点で危険なのには変わりない。少しでも危険が減る事を考えている。
 出来れば川付近にしたいが、やっぱ川は見当たらない。 

「仕方ない。今日はここで野宿だな」

 森からは多少距離を取れた。この辺りで野宿しても大丈夫だろう。それにこの辺りは魔物の気配さえない。
 とりあえず荷物と焚き火の準備をしないと。

「トルゥ、食材の調理準備お願い。ベラニアは焚き火を」

 指示を出した後、2人はすぐに準備を始める。今日の夜に食べようと行く時に買った肉がある。あとはサンドイッチなどにして食べる。うん、想像しただけでも美味そうに思えてくる。

「ーファイア」

 ベラニアは焚き火をする為に魔法で火をつけた後、四箇所に石を重ねていく。トルゥも袋に入った肉を取り出し、切り出す。
 俺も飲み物やパンを取り出す。あとは野菜などをちぎる。あとは鉄板を組み立てられた石の上に乗せる。火が通れば焼けるであろう。油は肉についてるのでいけるとは思うが、油も少々買っとくべきだったかな。

「では焼いていきますね」

 熱くなった鉄板の上に肉をどんどん焼いていく。あとはタレだがこれはすでに出る時に調合してある。
 これを焼いている肉にかけていく。香りで魔物が寄ってこなければいいのだが。

「いい香り。どこでこんなタレを見つけたの?」
「これはリーネが事前に準備してたみたいなのよ」
「そうなの。これはサンドイッチに合いそう」

 美味しそうに見てもらえて嬉しいが、そろそろ焼けてきただろうから、それをパンの上に乗せた野菜の上に、それを乗せる。最後にパンを乗せてそれを斜め半分へと切る。
 それを三つ作り2人に渡す。受け取ったサンドイッチを2人は黙々と食べていく。

「普通に美味しい」
「こんな料理作れるなんて、誰がパンとよく合うのも最高」

 タレは焼肉タレに近い感じだ。リーネよくこんなの思いついたな。

 食べ終わった頃、もう一度近くに川ないか散策する。光として魔法『ライト』で辺りを見渡していく。その時川の流れる音が聞こえてくる。

「以外と近くにあったな」

 一旦戻り、熱々の鉄板を持ってくる。そこに手で水をかけて行く。
 無論水が蒸発する。それを何回も繰り返し、温度を下げていく。音もなくなったのを見てからそれを洗い出す。匂いは消しておかないと臭いが移るし、それに魔物も呼び寄せかねない。
 洗い終わり、焚き火をそのままにしながら、荷物を枕にしながら横になる。

「贅沢出来るのは今日までか……」」
「いいじゃないですか。また贅沢するような事出来ますって」
「だな……」

 ベラニアはすでに寝ている。トルゥが眠たそうに俺に喋っていた。
 天の星空は綺麗に見える。いつもの景色だが、時間とともに少しずつ変化しているのがよく分かる。
 俺は静かに目を閉じ、眠りについていった。
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