勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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龍の里

88.第二ラウンドの始まり

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「本気本気本気本気本気」

 頭が壊れたののか、それともただ単に発狂しているのかは分からない。ただこのただならぬ殺意からすると先程の彼とは思わないほうがいいだろう。
 食い殺されるのがオチになる。彼の言う本気はこの発狂している時なのだろうか。空にずっと叫んでいるようにしか見えない。

「まるで壊れた動物を見ている感じだ」

 頭が壊れて、何をしているのかもわからない。彼にはそう見える。
 すると空を見上げていた目はこちらへと向き直し、そして目を大きく開けながらこちらへと向かってくる。
 その走り方はまるで獣の本能とも言える走り方に近い。両腕を肩まで上げながら、先程とは思えないスピードで接近しているのだ。
 俺の目の前まで来た後、両手を地面へと強く叩き込む。
 俺は咄嗟に後ろへとジャンプした。叩きつけたところの地面には小さなクレーターが出来ていた。小さなクレーター程の破壊力、彼は今パワーアップしているのは確実であろう。

「これは一撃一撃が痛いな」
「お前が悪いのです。私をこんな状態にしたあなたが!」

 狂ったように次々と攻撃を仕掛けてくる。俺は今避けるので必死だが、隙を見つけては攻撃を仕掛ける。だが、まるで痛みが無いかのように黙々と攻撃を仕掛ける。

「まるでゾンビに近いな。痛みなど感じもしてない」

 右手を炎に包まれながら、攻撃を避けながら腹へと右手で殴る。腹 先程から腹への攻撃を集中して行っている。それでもまだ動けている。
 普通の者が受けるとすぐに気絶するレベルだ。その攻撃を数発こいつは耐えている。
 だからこの炎のパンチで腹に火を移す。流石に反応を示す行動をするだろう。燃える右腕で左手と右手がぶつかった隙を見つけて、腹へと魔法で炎で包まれている右腕で殴る。するとその火が体へと燃え移る。
 それを見た後、後ろへとバックをする。

「私がそんな攻撃で倒れるとでも」

 燃え移った炎はただ払っただけで消される。やっぱこいつには連続攻撃を味わせ無いといけないようだ。
 俺は次の策を思いついたのち、すぐに行動へと移した。
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