勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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地下迷宮

141.祭壇

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 最下層と思われる祭壇に立った時、まだ後ろへといた魔物はその場を去っていった。
 ここに何があるっていうんだ。魔物も不用意には近付けない場所みたいだが、ここに何が置かれているのか。

「何もないように見えるここに何が」

 1番奥には文様が刻まれた柱と柱の間には壁画があった。何かのマークに見えるが、この不死鳥をイメージする壁画はなんだろうか。
 まあ、それは置いといてだ。中央に置かれたテーブルが気になる。テーブルよりも棺桶みたいな感じもするが、手ぐらいは入る隙間の中を探っていく。
 カチ、何かのスイッチを押したのか、そんな音が響く。

「なんの音?」
「多分何かのスイッチかな」
「スイッチ?」

 ガガガっと壁画だった扉は開いていく。あれは壁画ではなく、何かの扉だったのか。
 ここにはもう調べられそうな物はない……か…。奥へと行く以外なさそうだ。

「この先に何が…」
「魔物はいるかもしれないから用心しておいてくれ」

 片手にハルバードを持ちながら奥へと向かう。この先にこの武器と何か関係している事があるかもしれない。
 奥へと続く道は何かと寒い。冷気でもあるのかと思うぐらいに冷えていた。

「さ、寒い」
「温度からして大体16度でしょうか」

 先ほどの部屋が23度ぐらいなら、かなり温度は下がっている事になる。
 それに歩いているうちに石で作られた床はだんだんとコンクリート、いや鉄で作られた床へと変わっていく。まるで未来の世界でも来た感じだ。
 俺がいた頃、前世の記憶でもこんな床の廊下はあった。もしかして奥にコンピュータでもあるのか。

「この奥に何が…」

 思わず言葉を出してしまったが、大体は予測出来る。もし仮に俺の判断が正しければこの世界は何なのか分からなくなる。
 異世界とは別の何かがあるのではと思うぐらいだ。それに地図でもこの島しかないのも不自然。世界規模ならこの島の数十倍以上はないと惑星としては成り立たない。
 もしかしたらこの奥にその秘密が分かるかもしれない。

「なんか広い空間、訳も分からない物がありますけど、何ですかあれは」
「あれは大型コンピュータ。俺らの世界にもあったよ」

 ハルバードを地面へと置き、キーボードの方へと向かい、適当に押す。何ヶ月間も触ってなかったせいか、手にしっくりとした感覚が来る。
 手慣れた感じに押していき、幾つかのファイルを開いていく。この世界と関係性のあるファイルを開いていくが、ほとんどのファイルは何もなかった。
 いや、元々あったが消されたって感じか。調べていくうちに1つの記事が出てきた。

「新世界プロジェクト?何だこれは」

 題名を見たとしても分からない。文はそして次のように書かれていた。

『世界の秩序を正す為、このプロジェクトは推奨される。世界とは我々の理想であり、そして導く存在である。その為、それぞれの地域の問題を異界の者、被験体を召還させ、解決させていく。被験体として召喚された者はまず第一にP1エリアへと召還、そこの秩序が戻り次第にP2エリアへと移行する。それによりP4エリアまでが完了した時、全ての世界は元の形へと戻される。そしてーーーーーー』

「最後の文は消されているようだ。空白しかない」

 丁寧に日本語で書かれていた。多分だがここがそのP1エリアなのだろう。俺の予測通り、この世界は4つに分断されており、それぞれが持っている問題解決の為に俺ら異界の者を召還させて解決へと導く。
 この世界の仕組みはそういう事か。

「えっと、これなんて書かれているんですか?」
「よ、読めない…」

 その時、3人とも俺が開いた記事に興味津々みたいだが、この内容を教えるわけにはいかない。それにこの記事の1番下に書かれた書いた者の名、

「神様……この世界の秩序を正す為に動く存在か……」

 まだまだこの世界は謎が多い。

「とりあえず、俺らも戻るぞ」
「なんて書かれてたんですか?それだけでも」
「すまんな。これを読める者は他言無用と書かれていたから教えるわけにはいかないんだ」

 これはこの島の者に教えるわけにはいかない。昔にそんな記憶があったとしても神様によって忘れられているだろう。
 それ以外に何もないこの空間で、ハルバードだけを持ってその場を後にした。スレイラもベラニアも俺の跡を追いかけた。

「ほんとなんて書いてあったんだろう…」

 コンピュータの画面を見ていたが、諦めて跡を追いかけて行った。
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