勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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戦争 序章

179.彼女の正体

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 彼女が持つ剣が一気に襲い掛かってくる。聖剣で攻撃を防ぎつつ、左手に剣を作る。
 それでもう片方の方をガードする。

「苦戦強いられるか」

 両手の剣を弾き、互いに剣を振り回す。後ろへと下ったのを見た後に聖剣を降り、衝撃波を作る。
 それを察知したのか、両手の剣を盾にし、衝撃波を受け止められる。
 俺は走り出し、彼女へと攻撃をするが、受け止められたり、更には攻撃を仕掛ける。

「ここで負けていてはいけませんね」

 彼女は剣で弾き飛ばした後に後ろへと下がる。そして一旦そこで動きを止めた。
 懐からある物を取り出し、それを俺に向けて投げる。それを俺は受け取り、中身を確認する。

「それを一応渡しておきます」

 それは何かの四角いキューブだった。ただ、この世界の物ではないように見える。
 なぜ、こんな物が彼女が持っているんだ。

「その剣・・・、いえコード・・・に選ばれる程の実力はあるみたいですね」
「!!なぜ、その言葉を・・・」

 その言葉を口にした時、彼女の周りに兵士が集まる。

「ガードナ様!一旦お下りください。ここは私達で・・・」

 すると、兵士達を全員真っ二つにした。まだ残っていた兵士が呆然と立ち尽くしながら、後退りし始める。

「な、ガードナ様・・・、何を」
「あなた達に関わりない事です」
「う、うわああ」

 残っていた兵士達も一瞬で片付けた。顔の頬には血が付着していた。
 そして彼女はこちらへと振り向き、語り始める。

「私はレガ。レガ・ミューゼフと言います。勿論この世界の住人じゃありません」
「あの傘少女と一緒って事か」
「傘・・・、あぁ、リゼッテですか」

 剣を構えながら話を聞いていく。あの闇使い、観測者の名はリゼッテか。
 何かを使って行き来していたみたいだが、彼女もそうなのだろう。

「リゼッテは私達の世界の観測者、倒さないといけない存在です。無論この世界の観測者は魔王もそうですが」
「お前は一体・・・」

 話を聞いているが、なかなかついてこれない。逆に話が分からなくなってくる。
 今なぜ彼女はこの世界にいるのか、観測者とは何なのか。この2つは分からなかった。
 リゼッテという観測者の少女は時空を移動していたように感じる。彼女の場合、どうやってこの世界に入って来たんだ。

「私の目的、この世界の仕組みの解明」
「か、解明だと」

 確かにこの世界は謎だ。彼女が何者か知る前にこの世界は何なのか。
 なぜ、4つに分ける必要性があったのかなど、謎が多い。彼女の目的はその謎の解明。
 他の惑星にあるであろうコンピューターで情報を集める。それが目的なのだろうか。

「その目、いいだろう。この世界で知った情報を話そう」

 彼女は戦場の真ん中でもかかわらず、語り始めた。
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