勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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戦争 中章

182.1日経ったあと

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「分かったわ」

 1日は過ぎた頃の朝、リーネは鈴を渡していた勇者達に会話をしていた。
 全ての兵士を奪取した基地に収容している状況だ。まだこれ以外にも砦とかもあるとの話も聞く。
 そう考えると、まだまだやる事も多い。

「中央、並びに右側の騎士団は健全。魔王軍をしのいだみたいね」
「そうか。なら良かった」

 多分肝心の幹部達は脱出しているだろうが、まあ何とか突破出来たならいいだろう。
 それに魔王軍幹部が指揮官だとすると、あと何人ぐらいはいるんだろうか。俺が知っているのは2人だけ、まだ見ぬ魔王軍幹部がいるのだろう。

「明日にはここを出発よ。今日中には龍の里の増援も到着するだろうし」

 ここは既に魔王軍の領域だ。それでもまだ国境とは近い位置にある。龍の里は国境のすぐ隣に位置する。
 その為に増援としてこちらに加わるというのだ。あそこであった朱雀もこちらへと向かっているのだろうか。
 まあ、今はそんな事考えずに休める時には休んでおく必要もある。

「それで、今の所私達は?」
「待機だ。それにやる事は武器の手入れぐらいだろうな」

 馬車で寝転がりながら、空を見上げていたトルゥが声をかけてくる。
 一応そこには武器一式ぐらいはあるんだし、どけてからそんな事をしてほしい。

「暇なら、基地の辺りを散策してみるといいよ。今は浮かれている騎士達も多いから気をつけるんだよ」

 リーネが急にそんな事を言い始めた。確かにこの基地を探索してもいいだろうが、予め昨日探索していた。
 何かあってはこちらとして困る。地下や外からの侵入ルートがないかを見ていた。
 その時はほとんど何も落ちてなかった。

「昨日やったよそれ」
「あら、そうなの。残念」

 リーネは残念そうに呟く。それもこれも警戒の為だ。突破口がありましたってなると、こちらとして全滅もありえる。
 今出来ることは次に備えることのみ。

「それじゃ、俺は外を見てくる」

 俺はその場を立ち上がり、外の景色が見られる位置に移動を開始した。
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