勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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戦争 中章

199.数多い木箱

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「この基地は掌握出来たな」

 大将が倒れたことにより、相手は総崩れした。そして兵士達はその場で逃げ出した。
 最初から倒れた事を想定して、兵士達には逃亡するように言っていたようだ。

「我々がこちらへと来た瞬間、逃亡するとは・・・、我々を恐れたかハハハ」

 こいつらは気付いていない。なら、最初から足止めしていたのが説明出来ない。敵大将が倒れた事にさえ気付いてないのかもしれない。
 だが、それ気付いている者が1人だけいた。

「こいつは・・・猛将リガル。こいつが倒れたことにより、兵士達は逃げ出したのだろうな」

 トラベルだ。それとその周りにいる親衛隊だ。親衛隊の数多くは女性で構成されている。誰もが顔負けの剣術使いと聞くが、上級機死並だろう。
 周りの兵士達は基地にある物を片っ端から回収していく。

「しかし、色々と装備品があるな」

 次々に騎士達は木箱をここへと置いていく。更には俺が木箱を破壊していた物も一箇所に集めていた。
 ここまで多くの荷物を回収している。流石に見てみただけで多い。
 山のように積まれている木箱を見ていると、この基地が大きい事も分かるが、騎士達はどこからこんなに木箱を集めてくるんだか。

「木箱はこれで最後か?」
「いえ、まだあります」

 次々と木箱を集めてくる。馬車の者も全て砦に入らせた。警戒しつつ、治療と荷物の整理を砦内で行っている。
 俺も魔力の回復をするために至急されたマナポを飲みながら、辺りを見渡していた。木箱に座るのも悪く無いかもしれない。

「では荷物の確認した後に馬車に次々とつぎ込むように」

 精鋭隊の女性達が記事を用意し、次々と中を確認していく。数を多いし、それを数人だけでやれるのか。
 それとは別に聖騎士長は別の所へと向かっていた。俺もそこから立ち上がり、馬車の方へと向かう。マナポも飲み干し、殻になった瓶をそこに置いたままにした。


「一応これだけあれば足ります。ありがとね」
「いえ、これも我々の任務です。何かあればまたお呼びください。では」

 馬車の方へ行くと、女性騎士がリーネと会話していた。そして、そのまま離れていった。
 何か届けさせていたのだろうな。

「あら、戻ったのね。ちょうどポーションの材料持ってきてくれたのよ」
「だから、あの騎士がいたのか」

 馬車には小さな木箱が2つ程増えていた。多分先程の騎士が持ってきたものだろう。
 多分ここまでは序章だろうな。この後に備えてポーションの数を増やしておくんだろうなこれ。

「少し時間もあることだし、ポーション作りに入るよ。何かあれば呼んでね」
「分かったよ。てか、他のメンバーは?」
「この砦のアイテム集めに行ったのよ」

 なるほどね。前の基地よりは遥かに多い数の木箱だ。それ以外にも何かありそうだ。
 なら、俺もなにか探しに行くか。
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