勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

戦争 終章

231.脅威

　足を破壊する為に剣を足へと刺していく。だが、数に限りがある為、あと2本の足が破壊出来ない。
　だが、8本で歩いてるゴーレムだ。2本だけじゃ動く事もままならないだろうな。
　攻撃を避けながら次々と足に剣を刺していく。
　そして最後の剣を膝へと刺した時、ゴーレムの右側の足が持たなかったのか、倒れ込んだ。

「これで動けなくなっただろうな」

　だが、予想は斜め上を行くものだ。
　突如と青色が赤色へと変化した。そして8本の足と連結していた中央部分が外れ、足のパーツはパージしていた。
　そして隠していた足部分を出した。

「まさかの第二形態か・・・」

　その姿はまさしく、人型兵器そのものだ。
　ランスはさらに形態を変え、赤いラインが走っていた。
　そして変形が終わったあと、ランスをこちらへと向ける。先が4つに分かれ、それぞれがランスの上に収納する。
　そして穴が空いたランスから、キャノンが飛んでくる。
　飛んできた瞬間に瞬時に移動するが、先ほどいたところは何もかも吹き飛ばしていた。

「まさかの隠し装備か。こっちの方がやばいかもしれないな」

　まだ他にもやってきそうだが、ひとまずダメージを与えない限りは他の攻撃はして来ないだろうな。
　それにキャノン砲だけなら、行動がしやすくなった。
　だが、キャノン砲だけと言っても範囲が広い。当たる位置にいれば体が支えられるかどうかも怪しい。

「だが、やるだけだ」

　聖剣や魔法結晶を持ち、走り出す。魔法結晶は矢などに装着して使うが、他にも使い道がある。
　魔法結晶はガラスの結晶と同じく、落とすと割れる。その後に効果が発動する。
　矢に装着されていたのは振動で割れているためでもある。
　左手に3本の魔法結晶を持ち、キャノン砲を避けつつ、進む。
　そして真正面まで来ると、外側へと装着された先が回転始めた。回転しながら電気が走っていた。

「・・・まさかな・・・」

　俺はすぐに空中へと空高く飛ぶ。そして左手に握られていた魔法水晶を投げる。
　こちらへとランスを向けると、撃つ前に魔法水晶が当たり、爆発する。
　それと同時に発射してくる。体を回転させるかのように横へとずれた時、俺の隣にレーザーが飛ぶ。

「・・・レールガンを撃ってくるとは」

　ギリギリだ。まさか、本当にレールガンを撃ってくるとは思わなかった。
　4つに分離し、それぞれが表側の先に装着されたのをもっと考えるべきだった。
　回転する部分が分離して回転しないなんて誰だって思う。
　多分チャージしない限りは撃てないはずだ。先程の1発は元からチャージされていたと見るべきだろう。
　俺は一旦地面へと降りた。まだもう片方はレールガンを撃つ準備が出来ている。

「面白い。レール対決と行こうじゃないか」

　マナポを飲み干し、左手をツインソードへと切り替えた。