勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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最後の砦攻略

251.砦へと侵入

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 戦場に密集している騎士達の乗っている魔物を土台に飛んでいく。
 後ろの方を足で転けない程度の力で移動する。流石に力を入れすぎると転かしてしまい、こちらも動きにくくなる。
 それに比べて俺の後ろを飛行している人は楽そうだな。

「そんなスピードじゃあ、時間掛かるわよ?」
「こんな状況でいつものスピードで行けないよ」

 瞬間移動しながら、次々と飛び乗り移動する。
 騎士も相当苦戦している。門を早めに破らない限りはこちらの被害は相当になるはずだ。

「先に攻略開始したらどうだ?」
「そうねえ・・・、なら、そうさせてもらおうかしら。じゃ、また後でね」

 彼女は先程よりも早く砦へと向かう。こっちとしてはあと半分ぐらいだろうか。
 もう既にリーネは砦の真下までいた。そして一気に上空へと飛んでいく。
 それを見た兵士達は皆口を揃えて言う。

「辺境の・・・大魔導士・・・」

 そう口にした兵士の辺りから、強烈な炎が出現し、通路を通過していった。
 そこにいた兵士も炎に焼かれ、そこら辺に兵士達が倒れていた。

「俺の侵入を楽にしていったなあれ」

 俺はそれを移動途中で確認した。炎は壁からはみ出るように次々と煙を上げていった。
 さて、到着した事だし、俺も行くか。

 空へと飛び、上空から中の様子を伺う。

「辺境の大魔導士だと・・・」
「そ、そんな・・・」
「面白そうな会話をしてる事」

 リーネは空からその様子を伺う。そして右腕を上空へとを上げた時、リーネの周りからつららが次々と発生する。
 そしてその腕を下へと向けると、つららが次々と地上に向けて発射される。

「に、逃げろー!」

 そんな声が飛び交った時、辺り一面につららが落ちていく。
 悲鳴と逃げ惑う声が聞こえた時、リーネは下へと降りる。

「こんなものかしらね。もう少し楽しみたいのが本音だけど」

 つららが全て落ち、そして十数秒後に全てが砕け散る。
 そして逃げ延びた彼らはリーネを取り囲みながら剣などを構え始める。

「熱い歓迎ね。もう少し遊んであげようかしら」

 彼女は笑みを浮かべながら、腰から細い剣を取り出した。

「久々ね。この武器を使わせる事、後悔させてあげるわ」

 それを天へと向けた時、兵士達は彼女の方へと一斉に走り出した。


「くそ、さっきの炎の攻撃か。急いで守れ!」

 壁の中はそんな声が聞こえてくる。真下にいる俺の方にもだ。
 槍を3本回収し終わった時に、1本の槍を壁へとめり込ませる。
 その槍へと乗り、俺は一気に上へとジャンプする。
 ジャンプなや限界を感じたら、槍を壁へと刺し、片手で掴みながら回転し、一回転が終わった時に上へと飛び、そのまま刺した槍の上へと乗り、加速するかのように上へと目指す。
 そして先程炎の壁穴までジャンプしたら、そのまま、瞬間移動で中へと侵入した。
 中にいた兵士達は驚きながらも剣を抜き、俺へと走り出した。
 左右から5人、それを確認した時、最後の槍を右の方へと投げ飛ばし、腰に装着されていた短剣を抜き、後ろから斬りに掛かってきた兵士の一撃を受け止める。
 前からもまだ2名が迫って来ている。俺は後ろの兵士の剣を弾いた後、振り向かずに体を斬りった。
 前へから来た兵士2名を更にもう一本の短剣取り出して2人一斉に相手する事なく、斬り倒した。
 後ろにいた兵士1名は後退りをしていた。
 それを見逃さずに短剣を投げた。それが頭へと当たり、その兵士はそのまま倒れた。
 まだ兵士もいるはずだろうし、さっさと離れるか。
 外ではここ以上に兵士達が騒いでいる。俺は急ぎ、レバーを探す事にした。
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