勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

文字の大きさ
251 / 358
最後の砦攻略

250.攻略開始

しおりを挟む
「最後の難所だ。全騎士は全力で取り掛かれ!」
「うおおおお!!」

 次々と騎士達が魔物に乗り、走り出す。砦を離れ、最後の難所の見えるポイントまで来ていた。
 トラベルが発した言葉に騎士達は砦へと急行する。
 砦へと向かう騎士に向けて、魔法や矢などが次々と飛んで来る。

「避けつつ、進行だ!・・・うわ」

 魔法や矢などで次々と魔物から騎士達が落ちていく。それらを乗り越え、砦へと向かう。
 そんな彼らを俺は遠くから見ていた。

「これは攻防合戦だな」

 攻略には時間掛かるだろうけど、何やら嫌な気配を感じる。今までは違う感じが伝わってくる。
 何かがあの砦にいる。普通の者とは比べ物にもならない幹部クラスが複数いる・・・。
 今はやることないだろうし、行った所で騎士達の邪魔をするだけだろう。
 単体で暴れる俺では味方も被害を出すこともある。今は彼らに任すのが懸命だろうな。

「一応聞くけど、あの砦、今までよりも形状も規模も違うように見えるんだけど」
「あなたもなのね。私もよ。今までとは規模が違うわ」

 隣で座っていたリーネと話をする。千里眼でズームしながら、状況を見渡す。
 やはり、頑丈に作られる。普通では侵入出来ないな。
 騎士達も踏ん張っている事だ。侵入しようとはしごを用いるが、上にいた兵士達が妨害し、なかなか進行しない。
 倒しても倒しても、次々と湧いてるように見える。相当な人数が屋上を守っているんだろうな。

「あんなの瞬間移動出来る人じゃないと無理ね」
「騎士がギリギリ入れるレベルだが、入ったとしても中には大量の兵士が防衛しているって感じだろうしな」

 こちらから見える感じだとそうだ。中にはかなりの連中がいる。
 それもかなり広めに作られてるはずだ。外からの侵入を許さないために。
 それに隣にいるリーネは俺へと目線を向けている。
 あそこを単身で攻略してくれって感じに聞こえてくるんだが。

「あそこへ単身で攻略しろって事か?」
「あなた以外誰があそこへ乗り込めるっての?」

 確かに俺だったらあれくらいは壁を無視して進入することが出来る。物や人を瞬時に移動させるかのように俺も時空で場所を移動することが出来る。
 分厚い壁などでは移動する事は出来ない。薄い壁くらいならば貫通し、移動することも出来る。
 見た感じだと、あれくらいならば普通に侵入は出来るだろう。

「だからと言って、あの中を突っ切れと?」
「あなたなら楽勝じゃない」
「普通に重力魔法で空飛ぶあなたに言われたくないですよ」

 普通に重力魔法で空中に浮くことも出来る彼女は、あの壁を飛び越え中に侵入出来るだろう。
 瞬間移動よりもこの世界ではチートに思えてくる能力だ。

「あれ、維持しながら魔法撃つの結構骨折れるんだけどねえ・・・、まあ仕方ないか。私も空から進入するわ」

 彼女は立ち上がり、重力魔法を自身に掛け、空中へと浮く。
 俺も立ち上がり、草原へと走り出す。それに続くかのように彼女も後ろへと飛びながら付いて行く。

「最後の砦攻略だ。何がいようと暴れるだけだ」

 俺はそう口にしながら、戦い続ける騎士達の元へと向かった。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...