勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王城 前編

323.進行

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「まさか、こんなに・・・」
「周りの兵士を呼んで来い!我々では守りきれんぞ!」

 兵士を何人も倒している間、彼らは後方にいる兵士達に伝えていた。
 兵士は多いが、上級兵士程度の実力、そう簡単には多くの兵士の相手は出来ない。
 そうだとしても、俺の相手ではない。

「残り5人」

 襲い掛かってくる兵士や重装兵を倒した後、前方にいる兵士の人数を数えた。
 その後に俺は左手にナイフを4本生成した後、それを兵士の方へと投げる。
 そのナイフが次々と兵士達に命中していく中、俺は最後の1人を聖剣で斬った。

「これで制圧完了・・・先へと急ぐか」

 俺は走りながら、階段を上がっていった。


「守備の勢力も舐めたものではないな」

 トラベルはそう口にしながら、戦場を見渡す。最前線で戦っている騎士達の様子を伺いながら、適切な指示を次々と出していく。
 魔物もかなりの数が投入されている時、トラベルは目を閉じた。

「全騎士に通達!前線の城の入り口確保後!全勢力を持って突撃する!」

 トラベルは目を開け、大きく叫んだ。入り口確保まであと一歩の所まで迫っていた。
 その為、彼女は全体に叫ぶのであった。

 城内の3階、リーネは密かに歩いていた。足音が廊下を響く中、リーネの先の角に3人程の兵士が隠れていた。
 手で合図を出しながら、彼女が来るのを待っていた。
 そして、彼らは行動を起こす。だが、

「そこにいてもバレバレよ」

 リーネは氷の球体を作り上げ、それを兵士達へと飛ばす。奇襲は失敗し、その場で兵士達は氷の球体が当たり、少し後ろへと飛ばされた後、動かなくなった。
 リーネは歩きながら、先へと進んで行った。


「こっちを通ったのは間違いない!探し出せ!」

 現在4階、目の前には次の階段があった。4階に上った後、兵士達を少し相手しただけでこの有様だ。
 だが、隙を突いての突破は可能だ。

「向こうを探す。ここの階段の守りは頼んだぞ」

 会話を盗み聞きしながら、状況を見る。階段にいた兵士達のうち、数名は別の場所へと移動して行った。
 残ったのはたった5人だけだ。
 俺は聖剣を持ちながら、腰の短剣を取り出す。そして、一気に駈け出す。

「ん?なんだー」

 そう言葉を発した時、俺は彼の懐へと入っていた。そして、スピードを落とさないまま、短剣で体を斬った。
 斬撃に近い形で仕留め、そのままスピードを落とさずに残りの者を斬っていく。
 全滅した後、上の階へと目指していく。
 多分、7階には何者かが待っているかもしれない。階段が1つ、更には中央付近にあったからだ。
 今は自身を信じで突き進むしかなかった。
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