勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王城 前編

322.突如と現れたオニキス

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「くそ・・・探せ!」

 廊下で兵士達が集まったり、走り回ってたりしていた。どうやら、俺の姿を見た者がいるらしく、それが一気に拡散され、情報が知れ渡っているようだった。

「我々はあちらを探す。お前らは向こうを探せ!」

 兵士達はそれに伴い、兵士達は移動を開始した。
 物陰から出た後、彼らのいたポイントへと移動する。角からひっそり見ると、そこには階段があった。

「守りは固め。そう簡単には突破は不可能か」

 遭遇せずにここまで来れたが、ここが一番の難関だろう。兵士の数も巡回してる兵士の数よりも多い。それに戦闘中に周りから集まるかもしれない。
 今は速やかに終わらすことだけ考えるか。
 俺は角から出た後、彼らへと特攻する。左手には小刀を生成していた。

「ん?なんだ貴様――」

 言葉を口にしようとした兵士の首元を小刀が走る。その後、その兵士は地面へと倒れ込んだ。他の兵士達や重装兵などは一斉に剣を持った。

「ここを通すな!我々だけで奴らを止めるんだ!」

 叫びながら、兵士達はこちらへと攻撃を仕掛けてくる。俺はそれを受け止め、それを弾いた後、後ろへと一瞬で回り込み、左手の小刀で首元を刺す。
 その後に数名の兵士が俺へと攻撃を仕掛けてくる。俺は一人一人の攻撃を受け流しながら、正確に斬っていく。

「くそ・・・、だけどこいつはどうかな」

 兵士を何人も倒していると、突如上空から巨大な牛が刀を持ちながら、地面へと落ちてくる。

「オニキス・アシュラ・・・。外を警備しているオニキスやベローグソードとは違う!」

 オニキス・アシュラと呼ばれる魔物は大きく叫ぶ。大きさ的には大体廊下半分ぐらいだ。
 その後、その巨体を動かしながら、俺の方へと刃を振り下ろす。
 間一髪の所で避けれたが、地面に当たる時の音と、それと同時に発生した煙は大きい。

「こんな魔物まで存在してるなんてな」

 煙からでも分かるが、見た目は黒い肌の牛鬼だ。
 こんな魔物まで、用意していた。それに加え、兵士と重装兵だ。
 少しばかり、こちらに不利な感じもするが、俺としては問題ない。

「行け!奴に思い知らせてやれ」
「ゴオオオ!!」

 オニキスは叫びながら、刃を振り下ろしてくる。
 俺はそれを避けて、壁の方へと飛んでいく。その後に壁を蹴り、上空へと上がる。
 さて、どうやって素早く片付けるかだな。普通に相手していては時間が掛かる。
 なら、爆撃でダメージを与えていくか。
 小刀を解除してから、左手をチェーンブレードを生成した後、刃へと分離させる。空中にいる間にオニキスへと刃を飛ばし続けた。
 爆発と魔物の叫び声、煙が魔物を覆い隠した。その後に周りながら魔物の背中部分へと落下する。
 一刀両断をしながら、地面へと着地した。それと同時に後ろの魔物は地面へと倒れ込んだ。
 さて、魔物の撃退には成功した。普通はあんな浅い斬り込みでは倒れないが、中で斬撃を貫通させれば、どんな装甲だろうと破れる。
 俺は立ち上がり、目の前にいる兵士の元へと歩き始めた。
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