勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王城 前編

330.治療をする騎士達

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「これでよし・・・、次の人の手当急いで!」

 少女が4人、傷ついた騎士の治療をしていた。リーネからの配慮もあるが、最前線に向かうと確実に死が待っていると言われたためだ。
 少し時間経ってから、中へと突撃しなさいっと言う言葉を信じ、その時まで騎士の治療に当たってた。
 彼女らは一人ずつ、的確に治療を直していった。

「こっちもお願いする・・・」

 今にも倒れそうな騎士が声を上げ、助けを呼ぶ。そこへ、他の手当をしている騎士が向かう。傷の手当を行う救護騎士は十数名が動いている。
 それでも怪我の治療は追いつけず、今現在も怪我の治療待ちは多い。

「これを飲んでください。少しは楽になります」
「クラネさん。ポーションの在庫はどこに・・・」
「そこの木箱に入ってるわ」

 看護騎士の隊長をする彼女は、コネットに木箱を指差す。そこには大量に持ってこられた木箱が置かれていた。
 コネットはその木箱の中身を開け、持てるだけのポーションを取っては怪我をした騎士の所へと向かう。そんな姿を見ながら、クラネが心配そうに声を掛ける。

「少し休んだらどう?少し動きすぎよ。若いんだし、今後の事も大切にしないと」
「そうですけど、私だけ休んでいては申し訳ないじゃないですか。なりたての私も、救護騎士の一員として来てるんです。それくらいはちゃんとします」

 ポーションを飲ませたり、怪我の治療をコネットは進めていく。それを見たクラネは溜息を付きながら、目の前の者の怪我の治療を終わらす。
 そして、立ち上がりポーションと包帯の補充をする。その時に治療を終えたコネットが立ち上がった。それを見たクラネは彼女に声を掛ける。

「ここはお姉さんに任せて、そろそろ時間だと思うわよ。数名の騎士には声を掛けているから、その者と他の3人連れて行きなさい」
「ですけど、私はまだ――」
「分かってるわ。だからこそ、ここは私達に任せなさい。あなたのやることはもう目に見えてるでしょ?」

 コネットの言葉を遮るように、クラネは話を進めていく。そんな事により、コネットは口を閉じてしまう。
 その時だった。魔王城の壁が突如と内側から爆発した。階層的には5階ぐらいの位置、そこに大きな穴が空いた。
 そこからリーネが外の景色を見ていたが、すぐに移動を開始した。

「ほらね。合図は出たようだし、行ったら?」

 クラネが後押しするための言葉を掛けている時、そこへ数名の騎士が寄ってくる。

「合図が出たので、重要人物の護送を開始したいのですが」

 そのうちの1人の騎士がクラネに声を掛ける。その言葉に彼女は頷きながら、コネットに声を掛け続ける。

「さあ、行きなさい。結末を見届けに行ってきなさい」
「・・・はい」

 コネットは小さく頷いた後、騎士達の方へと向かった。その後姿をただ彼女は見ていた。
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