勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王城 後編

339.その頃

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「何なの、この振動は」

 廊下を走りながら、トルゥは叫んでいた。激しい揺れが先程から、何回も伝わってきたのだ。

「多分、この建物じゃない。別の建物からだと思う」

 それに対して、ベラニアが答える。彼女は旅の途中で、振動を特定するやり方を身につけていた。
 その為に、今の振動源を分かっていた。
 数人で走っている中、後方から叫ぶ声が聞こえてくる。

「待って下さい。少し速いです~」
「コネットちゃん、頑張って下さい。多分行けます」
「さっきから走ってばっかじゃないですか~」

 彼女の様子を見てから、トルゥ達は足を止める。騎士8名にトルゥ、ベラニア、スレイラ、コネットの12人が一緒に行動していた。
 最初はこの数倍はいたのだが、兵士の猛攻を受けて、徐々に騎士達がいなくなっていった。
 だが、その甲斐もあって、現在5階まで来ていた。

「それにしても、広いですね」
「中は非常に広いけど、兵士もなかなか強いわよここ」

 息を整えながら、トルゥとスレイラは話を進めていく。

「これじゃあ、全滅も時間の問題ね」

 スレイラがそんな事を口にした時、1人の騎士が口を開いた。

「我々のことは気にしないで下さい。これも命を受けている身。全滅したとしても、目標の場所へと守護するのが、我々の任なので」
「元から、死ぬ気で来ているわけね・・・」

 3人は互いに顔を見た。彼ら騎士は死ぬ気でここに来ている。全滅したとしても、それが彼らの命運だと信じているから。
 彼らは最後の最後まで、命を燃え続ける。何があったとしても、彼らは戦い続けるだろう。
 少しそこで辺りを警戒しながら休憩をしている時、ベラニアは突如と何かに気付く。

「何か・・・来ます」

 すると、何やら振動が徐々に大きく伝わってくる。先の曲がり角から、巨体が姿を現した。
 オニキス・アシュラだ。オニキスが彼らを見つけた時、叫びながら走り出す。

「なんか、やばいの来たんだけど」
「ここは逃げるしか無いわね。距離もあるけど、このままじゃ、追いつかれそう」

 騎士と彼女らは急いで、その場を逃げるように走り出す。だが、オニキスのスピードは彼女らよりも遥かに早かった。
 徐々に距離が縮まった時、彼女らは角を通り過ぎた。その角の奥から、1人ゆっくりと向かってきていた。
 オニキスがそこを通り過ぎようとした時、突如と球体状の物が襲い、壁へとめり込む。
 そして、ヒビが徐々に大きくなり、やがては壁を崩壊させた。壁の向こうは外となっており、オニキスはそのまま地面へと向かって落下していった。
 その光景を見た時、彼女らは足を止めた。

「油断も隙も無いわねえ。ほんとに」

 角からリーネが現れ、トルゥ達の方へと見た。
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