対異世界防衛学園

くノ一

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メインストーリー

36.捨て猫を拾った時2

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「えーとここでいいんだよね」
「多分ここだね。一番近いのここのペットショップで間違いないよ」
 葵が電子パネルを片手にそういった。
 今俺らがいるのは一番近い第一学園ショッピングモールだ。ここのモールは円状に作られていて、かなり中は広く作られているが……、ここのペットショップは一箇所しか見当たらない。まあ、この猫の為の必要品を買いに来ただけなんだけど。
「俺は必要ないのに何故いく必要あるのだ」
「当たり前だろ。無かったら逆に不自然過ぎるからな」
 窓ガラスにはペット用の遊びアイテムや容器など、何ともペットショップらしく飾られていた。
「ここペットは売られないみたいだね。ペットの日常品しか売られてないって。て、そこそこ評価良いわね」
 葵は更に店の情報を見ていた。ペットの日常品ぐらいしか売ってなく、更には評価もそこそこ良いのか。なら安心して買い物出来そうだ。
 そして俺は扉を開けた。開けた時に鈴が鳴る仕組みになっているらしく、綺麗な音が聞こえた。それと同時に奥のカウンターに座っていた店員が見えたが少し暗く顔までは見えない。
「いらっしゃい……だ。ここはペットショップの日常品しか取り扱わない……、いわばペットアイテム店ラズベリーだ。今日のお客ー」
 俺はカウンターに座っていた男性声の人を見た瞬間に悲鳴を上げる如く、ドアを勢い良く閉めた。
「え、何々?何を見たの」
 隣では見てなかったのか葵が首をかしげていた。俺は首をゆっくりと左右へと振る。中には黒人で軍人並みに鍛えられた体に口にはタバコが加えられていた。さすがにギャップの差がおかしいだろ。
 一瞬の出来事だったが、腕に乗せていたマリーも見ていたみたいで顔が完全に固まっていた。
「こ、ここ以外ないのか?」
「え、あるわけないじゃない。あるなら第二辺り行かないと」
 近場なのに何故ここしかないの……、あの店員見ただけでここそこそこ評価が高いのは疑問に感じてしまう。
 手を掛けようにも先ほどの店員のせいで開けるのが一苦労に感じてしまう。そんな時、呆れたのか葵が、
「開けたくないなら私が開けるよ」
 そう言ってドアノブを触り、ドアを開ける。すると、
「いきなり閉めるなんてひどいんじゃないのか」
 ドアの目の前には先程の黒人の店員が立っていた。葵は固まっているが、ゆっくりと閉め始めた。あとちょっとのところで、
「おっと店に用があるのは分かってるよ。入りな」
 ドアを手で押さえて、俺と葵、そして一匹が来店した。
 中は案外広く出来ていた。てかここホールの中だから広いのは分かるが……、確かにペットの日常品が置いてある。
 必要な物は全てリストアップしてるからそれを揃えるだけかな。
「葵そっちはこれを探してくれないかな」
「分かったよ」
 書かれたメモを葵に渡したら、それを探しに奥へと消えていく。さて、残りの品は探さないと。とりあえず、目の前にあるペット用ご飯を買わないと。
「俺の食事は普通の料理でもいいんだが」
「こんなの嫌いなのか」
「そのご飯は何故普通に食べれるのかが謎だ」
  この猫は猫の缶詰を見るなり、首を左右へと降っていた。なら、ご飯以外のものを買うか。
 タバコを口に加えた黒人の店員がやって来た。
「おっと俺の名はブラウニー・ジャンと申します。ここラズベリーの店主をしております。それよりお客さん。猫の探しものですかい」
 本人はそう名乗っているが、よく見るとどこかの傭兵にしか見えない。てか、店員に見えないんだが。
「……そうですが」
 俺は息を呑みながら、返事をした。幾つのも戦場を駆け巡ったような雰囲気をただ寄せていたのだ。
「なら、これがオススメですよ」
 すると猫のぬいぐるみを取り出した。……え、何に使うのこれ。猫にぬいぐるみで遊ばせるのかな。でもこの猫は遊ばないだろう。テーブルで座っている猫は見る気もないのか、別のところを見ていた。
「それは何に使うの……?」
 恐る恐る聞いてみると、
「それは……こうするんですぜお客さん」
 するとぬいぐるみに手を突っ込み、カチっと音を立てる。すると猫の口が開き、中からハンドガンらしき物が顔を出す。……え、何物騒なの取り出してるのこの人。
「対人用銃器ですぜお客さん。もちろん魔導銃器ですからお客さんでも扱えるかと」
 元に戻してそれを俺に渡す。ここペットショップじゃないの!!
 まあ、ここはこの店員に習って、突っ込んでからハンドガンの銃口を出して、それをここへと試し射ちするっと。
「お客さんならすぐに感は掴めるかと……ん?」
 足元をちゃんと狙って……、そして引き金を引く。
 銃声が二、三発地面へと撃ち込む。無論黒人の足元にだ。素早い動きで後ろへとバックする。
「危ないですぜお客さん。そんな物騒な物を人に向けちゃいけませんぜ」
「ならこんな物品として置いとくなーー」
 流石に銃など置いてるとか、ここ一体何の店なんだよ。よくよく見ると周りに銃器が入れてそうな品が意外とあった。まあそれは置いとくとして、一応品だけ揃えて帰るか。
 「これとかいいかも」
 ペットの部屋と書かれた小さな箱が置いてあった。多分ここが猫達の寝室になるかも。
「俺は中央が空いたドーナツ型のクッションでいいよ」
 何言いたいんだこの猫は……、まあ楽だからいいけど。
 箱から目を離し、別の物を見ようとした時、
「……ん?」
 見慣れた円状の筒で横の長さが大きい物が目に止まる。……これは……ロケットランチャー?て、何故こんな物がここに置いとるんだ。多分こういう物は『撃てないようで撃てちゃうんだぜ』的な感じのシチュエーションしか感じられないんだけど!!
「お客さん、お目が高いですな。それはうちの目玉商品ですぜ」
 いやいや、こんな物騒な物が店の目玉商品にしたらダメだろ。この店はやばい品まで置いてるのか。
「ちょっと触ってもいいでしょうか」
 もうダメ……、呆れた声しか出せないんだけど。黒人のブラウニーはふっと密かに笑いながら、語った。
「いいですぜ。だけど気をつけてくだせ。それ、一応本物なんで」
 一応本物か……ならば!
 俺は発射口を黒人へと向けてから発射する。閃光が走り爆発が起こる。
『おい、今の何だ』
『近くで爆発したけど……、てまたテロじゃないよね』
 外まで響いたのか、外から騒ぎ声が聞こえてくる。これも本物……て、流石にやり過ぎたか。黒人の男はロケランを顔面で受けて立っていたが、そのまま後ろへと姿勢を崩さず倒れた。
「ちょっとそれヤバくない!!顔から煙出ているんだけど」
「この人特殊訓練とか受けてそうだから大丈夫じゃないかな」
 流石にマリーも驚いているようだが、このロケランは威力弱めの脅しようの為だと思われる。もし威力高けりゃ、この店普通に倒壊していただろう。
「お客さん。人に向けてそんな物を撃ったら危険ですぜ」
 未だに顔が煙で見えてないブラウニーは立ち上がった。いや、顔今どうなってるの。煙のせいで全く見えないんだけど!
「そのロケランはRPG-07M。旧式の実弾式のRPGを魔導用に改良されたのがそれですぜ」
 ブラウニーは解説を始め、終わった頃に煙がだんだんと薄くなり、素顔が見えてくる。
 俺はその素顔を見た時に思った。
 ……何故顔がモザイク状になってるんだってね。
「こりゃ失敬。見せられない顔に仕上がったようで少々含んでお待ちを」
 顔はどうでもいい。テレビとか番組とかでモザイク使うのは分かるが、リアルでモザイク状態になるの初めて見た気がする。そもそもどうなったら出来るんだ!
 ブラウニーはタオルなどで顔を拭く。拭き終わった時は先程と変わらない顔になったと思ったら頭から血が流れ落ちる。
「まだ吹き忘れがありました。少々お待ちくだせえ」
 そしてもう一度吹き終わった時に、胸から箱を取り出し、その中に入っていたタバコを取り出し口へと運ぶ。その時にいい香りが漂う。
……ん?この匂いは……
「それってチョコですか……」
 微かにカカオの匂いを感じたのだ。え、この黒人タバコを吸ってるかのように見せかけて、実際はチョコを口に入れてただけなの……。
「よくお分かりで、これはブラックチョコであまり溶けないんで毎日食べる程飽きないんですぜ」
 意外とチョコ好きなんだなこの人。意外過ぎて声にも出ないよ。ただ単に雰囲気作りしてたに過ぎないって事かよ。
「零、一応頼まれた品は買ってきたよ」
 奥で別の品を揃えに行っていた葵が戻って来た。
「……って、さっきこっちで何があったの?爆発や銃声とかなってたけど」
「いや、何もないよ」
 俺は首を横に振る。隣で立っていた黒人をよく見るとまだ煙が出ていたが、まあ気にしてもしょうがないだろう。
「お客さん、色々とありましてね。顔面にRー」
「こーら、また派手に魔力弾を受け止めて」 
 ブラウニーの話している時に奥から女性の声が聞こえて来た。足音がだんだんと近づき姿を表す。この店員とは違い肌が白い人だった。
「すまないねえ。この店員はある意味頑丈だから、そんなロケランじゃ気絶すらしないよ」
 それじゃどんな事したらこの人倒れるんだ。てか、俺は何してるんだ。必要な物揃えてから早く出ないと。
「……やるならこれをかけてやりな」
 香水みたいな入れ物を俺に向けて投げた。これはなんだろうか。まだ中には液体が入っている。これは水みたいな液体だなこれ。
「あの、これなんですか」
 恐る恐る聞いてみると、
「それは睡眠スプレーさ。掛ければ一発KOさ」
「よくこんなの正々堂々と渡せますね」
 やっぱ睡眠スプレーだよなこれ。こんな頑丈になるような特殊訓練受けた店員にはこれしか効かないよな。
 これは置いといて、探し物しないと。この黒人への攻撃ばっかしてたから必要な物が揃ってない。
 えーと、一つ目はこの首輪でで二つ目はこの猫じゃらし、三つ目はこの容器っと。葵にはその他の物が書かれた品を頼んでるんで見ている限りだと既に購入したようだ。
 さっさと買ってここから出るか。そう思いながらも俺はレジへと向かい買い物を済ませた。

二人が出た後、店員の二人が密かに会話を始めてた。
「どうだったんだい。ロケランを味わった気分は」
「酷いもんだぜ。流石にケガはしなくても痛いぜあれは」
 日常的な会話を交わしていた。女性の店員は、
「なら、さっさと武器をしまいな。あの方のご要望通りにしたから満足だと思うけど」
「俺は酷い目にあったはずだが」
「知らないね。さっさと仕事に戻るよ。ブラウニー」
 彼女は奥へと戻っていった。
「分かったぜ。シャル嬢」
 ブラウニーも自分の仕事へと戻った。
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