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果報は寝て待て
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田中好子は明日誕生日を迎えると30才である。ボーイフレンドの剛がいる。彼とは全てにおいて相性がいい。ゆくゆくは結婚できればいいと考えているが、剛の気持ちがいまいち分らない。今まで付き合ったボーイフレンドとどこか違うことは何となく分っているが、彼女にはその違いが漠然としていて分からない。しかし、好子は剛が将来最高のパートナーになり得ると直感している。しかし、自分からはプロポーズの言葉はいいにくい。
「ねえ、剛、あたし、明日で30才になるの」
「おめでとう、お祝いしようよ」
「ありがとう。でも、あたし的にはおめでたくもないのね」
「え? どうしてなの? きみのご両親もきみが無事誕生日を迎えらることをお祝いしてきたんだろ?」
「そうだけど……」
二人はいつものように会社のそばの喫茶店に寄ってお茶を飲んで将来を夢見ている。自他認める公然な関係になっていた。会社のそばだから、勤め帰りの息抜きによる同僚とも一緒になることが多い。好子は剛と交際していることが周囲に分ることに違和感があったが、剛は全く意に介さなかった。事あることに彼は言った。
「よっちゃん、僕たち、そのうち、結婚しような、絶対、僕幸せにするから」
剛は屈託なく笑いながらそう言うと、好子の左手に軽く右手を重ね、
「ここに、大きなダイヤモンドの指輪をはめるから待っていて、その時は結婚しよう」
そんなことを剛は満面の笑みを浮かべて言うものだから好子は嬉しくなって天にも上る気持ちだ。
「よっちゃん、待っててね、時が経てば大丈夫」
好子にとってちょっと気掛かりなのは、剛が直ぐに結婚しようとは決して言わないことだ。指輪を買うには指のサイズもある。百歩譲って大きめの物を買ってから調整するということもあるであろうから指輪を見せられるまで待とうかとも思うのであるが、どうにもその時期が不確かな話である。しかし、こんな会社のそばで会うくらいであるから剛も複数の女と付き合うことなどできる訳もない。健全な約束であると理解したほうが良さそうだ。
喫茶店を出ると自宅まで剛が送り別れる。そんな日課であった。
それから数日経ったある日、好子は浮かれていた。自分の趣味で書いていた小説が直樹文学賞を受賞したのである。何でも賞創設以来、初めての宇宙小説という。受賞はうれしい。その報告をしたくて剛と会うのを楽しみにしていた。いつものように喫茶店のテーブルに座って待つこと30分、眺めていた玄関から剛が現れ歩いてくる。
剛は入り口でマスターにホットコーヒーを注文して席に着いた。剛が席に腰を下ろすなり好子は口火を切った。
「剛、あたし、小説書いてるの知ってるよね」
「え? ああ? あの妄想小説ね」
「聞いて驚かないでよ?」
「何だろ? わくわくするな。僕も話したいことあるんだ」
「え? 何? 先言ってもいいよ」
「あそ? こんど母に紹介するから。ほら、結婚指輪作ったから」
剛はあっさり言うと指輪のケースをテーブルに置いた。剛がケースをそっと開くのを好子は凝視した。光った大きな石が目に入った。
「何、この大きなの」
「ダイヤさ」
「こんな大きいの初めて見た。大きすぎて指にはめられないんじゃない?」
あまりに大きいので信じられないが、そんなことより剛がやっと結婚しようと現実的な行動に出てきたことに嬉しかった。
「ええ? ダイヤって、こんな大きいの? びっくり」
好子は手にはめてダイヤを眺めてうっとりしていた。剛もうれしそうに言った。
「ところで、好子の話の続き、話したいことって何さ」
「そう。あたし、いいことがあってさ、一緒に祝って貰いたいな、って思ってるの」
「何? いいことって?」
「剛も直樹賞って知ってるでしょ」
「ああ、もちろん」
「その大賞を頂いたのよ」
「え? すごいな」
好子が時間を惜しんで小説を書いていることは知っていた。しばらく考えて、
「ひょっとしてあの宇宙人は蛸かいな、が受賞したのかい?」
「そうよ。うれしい、タイトル覚えてくれていたんだ」
「ああ、人ごとではないからよく覚えてるよ」
剛は考えてから好子に顔を向けた。
「さっそく、僕の家でお祝いだ」
「え? あんたの家に招待してくれるの? 今までむさ苦しいうちだって言ってたけど大丈夫なの?」
「実はうちって自分で言うのもなんだけどさ、お金持ちで豪邸に住んでるんだ。まあ、ちまたで言うところの財閥のぼんぼんって奴かな」
「うっそ、今までのあんたの振る舞いから想像できないんだけど、まじ?」
「いや、僕のほうが、逆玉の輿かも。だって、きみは押しも押されぬ直樹賞作家、ミリオンセラーもありえるし」
そんな訳で剛の誘いに乗って好子は、剛の家に向かった。深川の門前仲町駅から歩くこと20分。
「ねえさ、あんたの家ってこんな遠いならタクシーにしてもよかったんじゃない?」
「きみ、毎日タクシー使ってたら、いつか破産しちゃうでしょ」
「そこがあんたのけち臭いとこよね。だって、あの山下コーポレーションの御曹司なんでしょ?」
「ま、相続したらなんだけどね。自由になるお金はありましぇん。今はしがない安月給サラリーマンであります」
「そ、お父さん、めちゃ、厳しそうね」
「ほら、着いた」
「嘘? なんで、ここ都立清澄庭園?って、看板出してる?」
「そうだよ。だって見学に来る人に分かり易いでしょ」
「ってか? ここにあんた、住んでるの?」
「まあ、そうなるかな、兎に角、入ろう」
庭園の開館時間を過ぎたと見え、正門は閉じられていた。剛はその幅5メートルはあると思われる門の脇にあるインターフォンのボタンを押した。
「僕、剛、今帰ったから」
「剛様、その方はどちら様でございますか?」
好子がきょろきょろ辺りを見てるので、剛が指で指した。指し示した先に防犯カメラらしきものが据え付けてあった。
「僕のフィアンセさ」
「あら、そんな大事な方なら事前にお知らせくださいな。段取りがございますから」
「訳は下がってからゆっくり話すよ。父上は?」
「お父上は宇宙サミットでお火星へ出張中でざます」
「何だ。いつものことか。とにかく、開けてよ」
3秒ほどして正門が左右にゆっくり開き始めた。
「さあ、どうぞ。お姫様」
好子は剛と並んで庭園の中を歩き始めた。
「ねえ、あんた、今、変なこと言ってなかった? 宇宙サミットがどうのとかって、聞こえた気がしたけど」
「うん、しょっちゅ、会議さ、まあ、トップだからね仕方ないけど」
「ふーん、お父さん、お仕事大変ね。ところで、ここってさ、大正記念館、涼亭、って建物しかなかったと思ったんだけど、あんたらここに住んでるわけ?」
「ああ、そう。正確にはその地下の権利を東京都から買ったんだ。東京都も庭園しか使い道ないからね。東京都も渡りに船って所かな。うちも地上の庭園は会社の来賓の接待に使ったりして結構喜ばれてるし。それに、借地権料を寄付がてら毎月高額なお金で払ってるからどう使ってもいいってお墨付き」
「へえ、金持ちって、やることすごいのね。地下の権利を買ったって、あんたら地下にモグラみたいに住んでるってこと?」
「あれ、モグラはひどいな。まあ、見てよ」
剛はさっさと前を歩いていく。正門からだいぶ離れたところに東屋が見えてきた。
「はい、到着。姫様、ささ、どうぞお座りください」
剛が東屋のベンチに座るように手を指し示した。好子が座ると、その直ぐ横に剛も並んで座った。
「それではこれより山下邸へようこそ」
二人が座ったベンチに天井から安全バーが降りてきた。
「安全のためにバーにおつかまりください」
東屋の天井から女性の声が聞こえてきた。すると東屋から見える景色が上に上がりだした。いや、この東屋が下に下りているのである。振動も揺れもなく、実に静粛である。
「これより高速走行に入ります」
そう言っているがとても高速で動いているようには思えない。1分ほど経っただろうか。
「到着です。バーから手をはずしてください」
好子が手をはずすと、バーは上にするすると上がっていった。剛にエスコートされながら好子は東屋のドアに進む。目の前に立つとドアが左右に開いた。まばゆい光が溢れ出た。
「嘘、何この景色? 何で地下なんでしょ? 空に星が出ていて綺麗だわ」
「あれは地下の鉱物が光ってるのさ。まあ、おいでよ」
好子は何処までも光る星の見える大空を見上げていた。
「あの鉱物はダイヤモンドさ」
「夢見たい、ここって、何処? 」
「清澄庭園の直下6300kmってところかな」
「ということはかなり深いの?」
「ほぼ地球の中心かな」
「あんた、こんな所へあたしを連れてきて、お祝いはどうするのさ」
「ほら、お出迎えが来たよ」
「げげ、」
好子はそのまま意識を失った。何といっても見たこともないような真っ赤な体をした蛸が現れたのであるから。それも頭が直径1メートルはあるから普通驚く。
好子が目を開けると剛が覗き込んでいた。
「やはり刺激が強すぎたかな」
好子が体を起こすと蛸が側にいた。そして蛸が好子の顔に寄ってきた。
「好子さん、驚かしてすみませんねえ」
好子はそれでまた気絶した。また、好子が目を覚ますと、さすがに、蛸を見るのに免疫が出てきたと見える。
「あれって何?」
好子を抱きかかえている剛に聞いた。
「僕の母上さ。きみはラッキーな人だよ。何てったって山下コーポレーションの跡取りの姫なのだからね」
「山下コーポレーションって、自動車作ったりしている会社の山下でしょ?」
「あ、あれは地球支社、本社は火星で主に恒星間ロケットの製造さ。僕の会社って正式にはヤ・マスター・コーポレーションって言って、市場は宇宙さ。母は地球人の父と結婚し、僕を生んだんだ。父は養子って奴さ」
好子が剛を改めてみると足が8本もあった。
「3ヶ月も付き合っていてちっとも気が付かなかった。ここが他のボーイフレンドと違ってたんだ」
「ねえ、剛、あたし、明日で30才になるの」
「おめでとう、お祝いしようよ」
「ありがとう。でも、あたし的にはおめでたくもないのね」
「え? どうしてなの? きみのご両親もきみが無事誕生日を迎えらることをお祝いしてきたんだろ?」
「そうだけど……」
二人はいつものように会社のそばの喫茶店に寄ってお茶を飲んで将来を夢見ている。自他認める公然な関係になっていた。会社のそばだから、勤め帰りの息抜きによる同僚とも一緒になることが多い。好子は剛と交際していることが周囲に分ることに違和感があったが、剛は全く意に介さなかった。事あることに彼は言った。
「よっちゃん、僕たち、そのうち、結婚しような、絶対、僕幸せにするから」
剛は屈託なく笑いながらそう言うと、好子の左手に軽く右手を重ね、
「ここに、大きなダイヤモンドの指輪をはめるから待っていて、その時は結婚しよう」
そんなことを剛は満面の笑みを浮かべて言うものだから好子は嬉しくなって天にも上る気持ちだ。
「よっちゃん、待っててね、時が経てば大丈夫」
好子にとってちょっと気掛かりなのは、剛が直ぐに結婚しようとは決して言わないことだ。指輪を買うには指のサイズもある。百歩譲って大きめの物を買ってから調整するということもあるであろうから指輪を見せられるまで待とうかとも思うのであるが、どうにもその時期が不確かな話である。しかし、こんな会社のそばで会うくらいであるから剛も複数の女と付き合うことなどできる訳もない。健全な約束であると理解したほうが良さそうだ。
喫茶店を出ると自宅まで剛が送り別れる。そんな日課であった。
それから数日経ったある日、好子は浮かれていた。自分の趣味で書いていた小説が直樹文学賞を受賞したのである。何でも賞創設以来、初めての宇宙小説という。受賞はうれしい。その報告をしたくて剛と会うのを楽しみにしていた。いつものように喫茶店のテーブルに座って待つこと30分、眺めていた玄関から剛が現れ歩いてくる。
剛は入り口でマスターにホットコーヒーを注文して席に着いた。剛が席に腰を下ろすなり好子は口火を切った。
「剛、あたし、小説書いてるの知ってるよね」
「え? ああ? あの妄想小説ね」
「聞いて驚かないでよ?」
「何だろ? わくわくするな。僕も話したいことあるんだ」
「え? 何? 先言ってもいいよ」
「あそ? こんど母に紹介するから。ほら、結婚指輪作ったから」
剛はあっさり言うと指輪のケースをテーブルに置いた。剛がケースをそっと開くのを好子は凝視した。光った大きな石が目に入った。
「何、この大きなの」
「ダイヤさ」
「こんな大きいの初めて見た。大きすぎて指にはめられないんじゃない?」
あまりに大きいので信じられないが、そんなことより剛がやっと結婚しようと現実的な行動に出てきたことに嬉しかった。
「ええ? ダイヤって、こんな大きいの? びっくり」
好子は手にはめてダイヤを眺めてうっとりしていた。剛もうれしそうに言った。
「ところで、好子の話の続き、話したいことって何さ」
「そう。あたし、いいことがあってさ、一緒に祝って貰いたいな、って思ってるの」
「何? いいことって?」
「剛も直樹賞って知ってるでしょ」
「ああ、もちろん」
「その大賞を頂いたのよ」
「え? すごいな」
好子が時間を惜しんで小説を書いていることは知っていた。しばらく考えて、
「ひょっとしてあの宇宙人は蛸かいな、が受賞したのかい?」
「そうよ。うれしい、タイトル覚えてくれていたんだ」
「ああ、人ごとではないからよく覚えてるよ」
剛は考えてから好子に顔を向けた。
「さっそく、僕の家でお祝いだ」
「え? あんたの家に招待してくれるの? 今までむさ苦しいうちだって言ってたけど大丈夫なの?」
「実はうちって自分で言うのもなんだけどさ、お金持ちで豪邸に住んでるんだ。まあ、ちまたで言うところの財閥のぼんぼんって奴かな」
「うっそ、今までのあんたの振る舞いから想像できないんだけど、まじ?」
「いや、僕のほうが、逆玉の輿かも。だって、きみは押しも押されぬ直樹賞作家、ミリオンセラーもありえるし」
そんな訳で剛の誘いに乗って好子は、剛の家に向かった。深川の門前仲町駅から歩くこと20分。
「ねえさ、あんたの家ってこんな遠いならタクシーにしてもよかったんじゃない?」
「きみ、毎日タクシー使ってたら、いつか破産しちゃうでしょ」
「そこがあんたのけち臭いとこよね。だって、あの山下コーポレーションの御曹司なんでしょ?」
「ま、相続したらなんだけどね。自由になるお金はありましぇん。今はしがない安月給サラリーマンであります」
「そ、お父さん、めちゃ、厳しそうね」
「ほら、着いた」
「嘘? なんで、ここ都立清澄庭園?って、看板出してる?」
「そうだよ。だって見学に来る人に分かり易いでしょ」
「ってか? ここにあんた、住んでるの?」
「まあ、そうなるかな、兎に角、入ろう」
庭園の開館時間を過ぎたと見え、正門は閉じられていた。剛はその幅5メートルはあると思われる門の脇にあるインターフォンのボタンを押した。
「僕、剛、今帰ったから」
「剛様、その方はどちら様でございますか?」
好子がきょろきょろ辺りを見てるので、剛が指で指した。指し示した先に防犯カメラらしきものが据え付けてあった。
「僕のフィアンセさ」
「あら、そんな大事な方なら事前にお知らせくださいな。段取りがございますから」
「訳は下がってからゆっくり話すよ。父上は?」
「お父上は宇宙サミットでお火星へ出張中でざます」
「何だ。いつものことか。とにかく、開けてよ」
3秒ほどして正門が左右にゆっくり開き始めた。
「さあ、どうぞ。お姫様」
好子は剛と並んで庭園の中を歩き始めた。
「ねえ、あんた、今、変なこと言ってなかった? 宇宙サミットがどうのとかって、聞こえた気がしたけど」
「うん、しょっちゅ、会議さ、まあ、トップだからね仕方ないけど」
「ふーん、お父さん、お仕事大変ね。ところで、ここってさ、大正記念館、涼亭、って建物しかなかったと思ったんだけど、あんたらここに住んでるわけ?」
「ああ、そう。正確にはその地下の権利を東京都から買ったんだ。東京都も庭園しか使い道ないからね。東京都も渡りに船って所かな。うちも地上の庭園は会社の来賓の接待に使ったりして結構喜ばれてるし。それに、借地権料を寄付がてら毎月高額なお金で払ってるからどう使ってもいいってお墨付き」
「へえ、金持ちって、やることすごいのね。地下の権利を買ったって、あんたら地下にモグラみたいに住んでるってこと?」
「あれ、モグラはひどいな。まあ、見てよ」
剛はさっさと前を歩いていく。正門からだいぶ離れたところに東屋が見えてきた。
「はい、到着。姫様、ささ、どうぞお座りください」
剛が東屋のベンチに座るように手を指し示した。好子が座ると、その直ぐ横に剛も並んで座った。
「それではこれより山下邸へようこそ」
二人が座ったベンチに天井から安全バーが降りてきた。
「安全のためにバーにおつかまりください」
東屋の天井から女性の声が聞こえてきた。すると東屋から見える景色が上に上がりだした。いや、この東屋が下に下りているのである。振動も揺れもなく、実に静粛である。
「これより高速走行に入ります」
そう言っているがとても高速で動いているようには思えない。1分ほど経っただろうか。
「到着です。バーから手をはずしてください」
好子が手をはずすと、バーは上にするすると上がっていった。剛にエスコートされながら好子は東屋のドアに進む。目の前に立つとドアが左右に開いた。まばゆい光が溢れ出た。
「嘘、何この景色? 何で地下なんでしょ? 空に星が出ていて綺麗だわ」
「あれは地下の鉱物が光ってるのさ。まあ、おいでよ」
好子は何処までも光る星の見える大空を見上げていた。
「あの鉱物はダイヤモンドさ」
「夢見たい、ここって、何処? 」
「清澄庭園の直下6300kmってところかな」
「ということはかなり深いの?」
「ほぼ地球の中心かな」
「あんた、こんな所へあたしを連れてきて、お祝いはどうするのさ」
「ほら、お出迎えが来たよ」
「げげ、」
好子はそのまま意識を失った。何といっても見たこともないような真っ赤な体をした蛸が現れたのであるから。それも頭が直径1メートルはあるから普通驚く。
好子が目を開けると剛が覗き込んでいた。
「やはり刺激が強すぎたかな」
好子が体を起こすと蛸が側にいた。そして蛸が好子の顔に寄ってきた。
「好子さん、驚かしてすみませんねえ」
好子はそれでまた気絶した。また、好子が目を覚ますと、さすがに、蛸を見るのに免疫が出てきたと見える。
「あれって何?」
好子を抱きかかえている剛に聞いた。
「僕の母上さ。きみはラッキーな人だよ。何てったって山下コーポレーションの跡取りの姫なのだからね」
「山下コーポレーションって、自動車作ったりしている会社の山下でしょ?」
「あ、あれは地球支社、本社は火星で主に恒星間ロケットの製造さ。僕の会社って正式にはヤ・マスター・コーポレーションって言って、市場は宇宙さ。母は地球人の父と結婚し、僕を生んだんだ。父は養子って奴さ」
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