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第3章 田所恵美の通学
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「ヨッしぁー きょうも元気でいくわー」
彼女は元気一発の掛け声よろしく、自らに活を入れると、メッセンジャーバッグを勢いよく肩に掛け、家を飛び出し駅に向かって走った。
駅の階段を疾風のごとく駆け上がった彼女はホームの乗車口を示す白線に並ぶ人たちの後ろに並んだ。後は乗るだけと思い、呼吸を整えた。30分の違いでこれほど混雑しているのか、と彼女は今更ながら驚いた。
入線してきた車両はどれも満員状態である。ホームに並ぶ乗客がこれほど多くて乗れるのだろうかと思うほど多くの人がいた。彼女は背後から押されながら3回目に来た車両にようやく乗れた。電車に乗車したら今度は周辺の乗客に挟まれ息ができないほど苦しい。
「こんな思いするくらいなら遅刻すれば良かったかな?」
彼女は寝坊を悔いた。
次の西葛西駅に停車する。ホームに並んでいた乗客が車両のドアが開くと同時に一斉に乗って来た。
「もー 無理ー 苦しー つぶれるー」
彼女は心の中で悲鳴を上げた。周囲の乗客も苦しそうに顔をゆがめていた。
ガタンと車両が揺れるたびに乗客全員が同じ方向に傾く。そのたび、崩れた体勢を元に戻そうと全身に力を入れる。彼女は体を真っ直ぐに正すと、中年男性と胸を合わせて向き合った。彼女は男性のあごに当たっていたおでこを男性の肩に向けた。体は右にも左にも全く動かせない。
次の瞬間、彼女の顔が曇った。
「えっ、だれ? あたしのーー 体をー 触ってるーー?」
彼女は嫌悪感を抱きながらも声を出さずにいた。腰から腹に掛けてだれかが指の先でなぞっている。
「痴漢?…… お腹を触られている……」
今度は大胆に手のひらでなでられた。
「うっ やっー」
僅かに声を漏らした彼女はどうしようと考えるが、嫌悪感を感じなかった。むしろ、うれしかったことに我ながら驚いた。すると、目の前の中年男性が声を掛けてきた。
「ごめんなさい、僕の首に掛けたネームプレートがあなたの服に引っ掛かっているみたいなんです」
彼女は元気一発の掛け声よろしく、自らに活を入れると、メッセンジャーバッグを勢いよく肩に掛け、家を飛び出し駅に向かって走った。
駅の階段を疾風のごとく駆け上がった彼女はホームの乗車口を示す白線に並ぶ人たちの後ろに並んだ。後は乗るだけと思い、呼吸を整えた。30分の違いでこれほど混雑しているのか、と彼女は今更ながら驚いた。
入線してきた車両はどれも満員状態である。ホームに並ぶ乗客がこれほど多くて乗れるのだろうかと思うほど多くの人がいた。彼女は背後から押されながら3回目に来た車両にようやく乗れた。電車に乗車したら今度は周辺の乗客に挟まれ息ができないほど苦しい。
「こんな思いするくらいなら遅刻すれば良かったかな?」
彼女は寝坊を悔いた。
次の西葛西駅に停車する。ホームに並んでいた乗客が車両のドアが開くと同時に一斉に乗って来た。
「もー 無理ー 苦しー つぶれるー」
彼女は心の中で悲鳴を上げた。周囲の乗客も苦しそうに顔をゆがめていた。
ガタンと車両が揺れるたびに乗客全員が同じ方向に傾く。そのたび、崩れた体勢を元に戻そうと全身に力を入れる。彼女は体を真っ直ぐに正すと、中年男性と胸を合わせて向き合った。彼女は男性のあごに当たっていたおでこを男性の肩に向けた。体は右にも左にも全く動かせない。
次の瞬間、彼女の顔が曇った。
「えっ、だれ? あたしのーー 体をー 触ってるーー?」
彼女は嫌悪感を抱きながらも声を出さずにいた。腰から腹に掛けてだれかが指の先でなぞっている。
「痴漢?…… お腹を触られている……」
今度は大胆に手のひらでなでられた。
「うっ やっー」
僅かに声を漏らした彼女はどうしようと考えるが、嫌悪感を感じなかった。むしろ、うれしかったことに我ながら驚いた。すると、目の前の中年男性が声を掛けてきた。
「ごめんなさい、僕の首に掛けたネームプレートがあなたの服に引っ掛かっているみたいなんです」
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