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第14章 家族
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恵美が男をホームで初めて発見したとき、心臓が速まった。意識した途端、彼が隣に並んでいた列を外れ自分の並ぶ列に移動してきたのを見たとき、自分の心臓が爆発するほど速まり体が心臓の鼓動で揺れるように感じたほどだった。「えっ? なぜ、こちらへ並び直したの?」と思いつつ恵美は自分に好意を寄せてくれたのかしらと勝手に都合良く思った。だから、それを知りたくて、電車内でその彼になるべく少しずつ近づいたが、まさか、胸を合わせるほどに近づいてしまったのは予想外だった。しかし、それが彼女には良かった。彼が自分の体に触れてきた。痴漢である。全身に電気が走ったように快感が走った。過去の時のような嫌悪なんて微塵も感じなかった。見知らぬ男に体を触れられて喜びを感じてしまうなんて、すごいエッチな体だったなんて恥ずかしかった。それを思い出すたび、恵美は両腕で体を愛おしく抱きしめた。「あんたも女だったんだね……」と思うともっと気持ちが良くなっていった。体をなでられる彼女は電車という空間で男に抱きしめられているかのような想像をした。体の芯が受け入れ体制をしているのが自分でも理解できた。いつになく下着が染みていることを感じた。
彼女は畑野家の近所のスーパーで夕飯の食材を買って、午後2時、畑野家を訪問した。日没まで浩志と二人で研究をしてからキッチンで肩を並べて夕食の支度をした。
「畑野くんのお父さん、きょうは早く帰れるといいね……」
恵美は浩志に勘太郎の帰宅時間をそれとなく確認するが、浩志には分からないようだった。今まで父を待つことなく自分でやれることをやってきたのだろう。浩志は夕食の用意を彼女より手際よく作っていく。恵美は東京で一人暮らしを始めてから自炊を始めたが、自分一人だと思うとスーパーの惣菜で済ますことが多かった。だから、料理の腕なんて上達する訳がなかった。その分、彼女は大学の勉強とダンスサークルの活動に精を出した。
浩志の母親は彼が2歳の時交通事故死して以来、父子だけで生きてきた。自分とは生き方が違っていることを改めて知った。そんな誠実な生き方をしてきた彼がなぜあたしに痴漢をしたのか、恵美は疑問だった。ホームでなぜあたしの後ろに並んで接近してきたのか、と思いながらも恵美はうれしかった。自分の体に触れてくれた。恵美は触れてもらうことがうれしいことが自分ではないように感じた。以前のあたしなら相手の手首をねじ上げていた。それをせずに身を任せていた。あたしはなんて淫らなエッチな女だったの、と最初の数分は自分に嫌悪したほどだったが、その感じ方も電車が進むうちに嫌悪を感じなくなりもっと触れてほしくなっていく。エッチな自分が信じられなかった。最後、彼に全身を預けてもいいような快感で一杯になりそうだった。あんな満員電車で失神していたら大変だった、と思った。
彼女は畑野家の近所のスーパーで夕飯の食材を買って、午後2時、畑野家を訪問した。日没まで浩志と二人で研究をしてからキッチンで肩を並べて夕食の支度をした。
「畑野くんのお父さん、きょうは早く帰れるといいね……」
恵美は浩志に勘太郎の帰宅時間をそれとなく確認するが、浩志には分からないようだった。今まで父を待つことなく自分でやれることをやってきたのだろう。浩志は夕食の用意を彼女より手際よく作っていく。恵美は東京で一人暮らしを始めてから自炊を始めたが、自分一人だと思うとスーパーの惣菜で済ますことが多かった。だから、料理の腕なんて上達する訳がなかった。その分、彼女は大学の勉強とダンスサークルの活動に精を出した。
浩志の母親は彼が2歳の時交通事故死して以来、父子だけで生きてきた。自分とは生き方が違っていることを改めて知った。そんな誠実な生き方をしてきた彼がなぜあたしに痴漢をしたのか、恵美は疑問だった。ホームでなぜあたしの後ろに並んで接近してきたのか、と思いながらも恵美はうれしかった。自分の体に触れてくれた。恵美は触れてもらうことがうれしいことが自分ではないように感じた。以前のあたしなら相手の手首をねじ上げていた。それをせずに身を任せていた。あたしはなんて淫らなエッチな女だったの、と最初の数分は自分に嫌悪したほどだったが、その感じ方も電車が進むうちに嫌悪を感じなくなりもっと触れてほしくなっていく。エッチな自分が信じられなかった。最後、彼に全身を預けてもいいような快感で一杯になりそうだった。あんな満員電車で失神していたら大変だった、と思った。
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