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第17章 双子誕生
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けだもの族は人口統制していた。オス1匹、メス5匹でグループが構成されていた。繁殖期になると、オスは外界から拉致し連れて来られた。オスがメス5匹を順番に妊娠させ5人目が生まれるとオスの役目は一旦は終了した。人口増加も減もない世界。それがけだもの族に決められていた不変の法則である掟である。
オスは5匹のメスをはらませ出産させると、それぞれのメスの性欲を満喫させるためだけに余生を送る。けだもの族は以前にも言ったようにメスだけの構成である。なぜなら、オスが生まれることはない。グループはオス1匹と仲良く性的な快楽を得ながら幸せに暮らしていく。5人のメスは一人ずつしか子どもを作らない。つまり、メス一人につき子ども一人を産むだけの人口統制が永遠に実施されていく。人口統制された増減のない世界が確立されていた。はずだった。
本来、小椋海星は沢子たちのグループに拉致され性奴隷として平穏に暮らすことで人口統制されていく。
それが、怪物的な破壊力を持つ海星によりその掟による法則性が破壊された。毎日、慰み者にされた沢子の体質が変質した。そして、双子が生まれた。一人は愛の化身、一人は憎悪の化身だ。
*
沢子は双子を出産した。仁美と義美と名付けた。仁美は海星に溺愛された。義美は仁美と同じ容姿をしていた。海星は沢子たちけだもの族という種族にとって子どもは一人しか生めない体質と聞かされていたことから二人目の義美が生まれたことに不吉な予感を抱いた。彼は思い込みの激しい性格だったので、一度思ったことは曲げたり断念したりしないから今までどんな困難も乗り越え結果を出してきた。彼には強い信念があった。その直感によりこの町のボスにのし上がった。
「不吉な義美は俺といないほうがいい。ここには置けないな……」
彼は義美を自分の腹心の部下に託すことを決めた。彼は芝居を打つことにした。沢子を慰み者として扱ってはいたが、いつしか沢子を信頼するようになっていた。彼女の考えは分かっている。沢子は義美を自分の手から放したくないはず、と確信していた。海星は沢子を呼びつけた。
「その子は不吉じゃ、この屋敷の古井戸に捨ててこい」
彼は敷地の隅にある古井戸に捨ててくるよう沢子に命令した。
「なんてこと、言うの、このけだもの、わたしを毎夜、慰み者にしてきて、まだ、わたしへの復讐をやめないの? この人でなし!」
「ふふふ、おおいに結構、俺は人でなしさ、おまえも人でなしだろ? おまえたち種族は男を監禁しているのだろ? ひどい種族だ…… そんなひどいおまえを今まで生かしてやっていたんだぞ。おまえも一緒に古井戸に捨ててもいいのだぞ」
「こ、このけだもの! おまえなど地獄に落ちるがいい」
海星はけだもの族だった人でなしの沢子を上回る人でなしだった。沢子は海星から逃れるように走り、寝室にいる義美を抱きかかえた。そばに寝ていた仁美を見つめた。
「仁美、ごめんよ…… おまえはあいつにかわいがられると思うから置いていくよ」
沢子は寝ながらケタケタ笑う仁美に別れを告げると、義美を抱いて屋敷を脱出した。
海星は沢子が屋敷の門から出ていく後ろ姿を遠くから見ていた。沢子と義美を追うことはしなかった。
「沢子よさらばだ…… 俺はこれからは仁美がいるから楽しみだ。この子は俺の継承者になるよう育て上げるから安心しろ」
海星はまだ乳飲み子の仁美を見てにんまりと微笑んだ。
オスは5匹のメスをはらませ出産させると、それぞれのメスの性欲を満喫させるためだけに余生を送る。けだもの族は以前にも言ったようにメスだけの構成である。なぜなら、オスが生まれることはない。グループはオス1匹と仲良く性的な快楽を得ながら幸せに暮らしていく。5人のメスは一人ずつしか子どもを作らない。つまり、メス一人につき子ども一人を産むだけの人口統制が永遠に実施されていく。人口統制された増減のない世界が確立されていた。はずだった。
本来、小椋海星は沢子たちのグループに拉致され性奴隷として平穏に暮らすことで人口統制されていく。
それが、怪物的な破壊力を持つ海星によりその掟による法則性が破壊された。毎日、慰み者にされた沢子の体質が変質した。そして、双子が生まれた。一人は愛の化身、一人は憎悪の化身だ。
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沢子は双子を出産した。仁美と義美と名付けた。仁美は海星に溺愛された。義美は仁美と同じ容姿をしていた。海星は沢子たちけだもの族という種族にとって子どもは一人しか生めない体質と聞かされていたことから二人目の義美が生まれたことに不吉な予感を抱いた。彼は思い込みの激しい性格だったので、一度思ったことは曲げたり断念したりしないから今までどんな困難も乗り越え結果を出してきた。彼には強い信念があった。その直感によりこの町のボスにのし上がった。
「不吉な義美は俺といないほうがいい。ここには置けないな……」
彼は義美を自分の腹心の部下に託すことを決めた。彼は芝居を打つことにした。沢子を慰み者として扱ってはいたが、いつしか沢子を信頼するようになっていた。彼女の考えは分かっている。沢子は義美を自分の手から放したくないはず、と確信していた。海星は沢子を呼びつけた。
「その子は不吉じゃ、この屋敷の古井戸に捨ててこい」
彼は敷地の隅にある古井戸に捨ててくるよう沢子に命令した。
「なんてこと、言うの、このけだもの、わたしを毎夜、慰み者にしてきて、まだ、わたしへの復讐をやめないの? この人でなし!」
「ふふふ、おおいに結構、俺は人でなしさ、おまえも人でなしだろ? おまえたち種族は男を監禁しているのだろ? ひどい種族だ…… そんなひどいおまえを今まで生かしてやっていたんだぞ。おまえも一緒に古井戸に捨ててもいいのだぞ」
「こ、このけだもの! おまえなど地獄に落ちるがいい」
海星はけだもの族だった人でなしの沢子を上回る人でなしだった。沢子は海星から逃れるように走り、寝室にいる義美を抱きかかえた。そばに寝ていた仁美を見つめた。
「仁美、ごめんよ…… おまえはあいつにかわいがられると思うから置いていくよ」
沢子は寝ながらケタケタ笑う仁美に別れを告げると、義美を抱いて屋敷を脱出した。
海星は沢子が屋敷の門から出ていく後ろ姿を遠くから見ていた。沢子と義美を追うことはしなかった。
「沢子よさらばだ…… 俺はこれからは仁美がいるから楽しみだ。この子は俺の継承者になるよう育て上げるから安心しろ」
海星はまだ乳飲み子の仁美を見てにんまりと微笑んだ。
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