居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、勉強をする。

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「えっとここに…あった!」

私は小学生の時の教科書を引っ張り出した。

「はい!クリスこれが小学生の教科書。まずはこれを読んで勉強してね。」

土日。休みの日を使ってクリスに勉強を教え込むことにした。

「分かった。やってみる。」

「分からなかったら聞いて。私本読んでるから。」

そう言うと私は漫画を持って寝転んだ。


「…………か、……………どか。」

「んー?」

「おい、まどか。」

おでこにデコピンを喰らった。

「痛い!何するの!!」

「分からなかったら聞いてって寝てる方が悪い。」

「あっごめんどこが分からな……「終わった。」

えっ?と見てみると全教科読み終えてあり、一緒に渡したドリルも全て終わっていた。

「えええ!?嘘でしょ!?」

「何故俺が嘘をつく。算数や理科は俺の国でも似たようなことしてたからな。基礎が一緒だから楽だった。」

凄い。クリスって本当に頭がいいんだなぁ…。やっぱり国1番の魔法使いは違うな次元が。あれ?クリスって魔法使い?

「で、次は何するんだ。」

「あっえっと中学生のがあるから。それやってみて。」

私は今度は中学生用の教科書を渡した。


「すっ……凄い…………。」

クリスは少し教科書を読んだらなるほどと言ってスラスラと問題を解いていった。

凄いわこの人天才だわ。

「凄いね、クリス!教えることは無いよ。」
そう言ってクリスの方を見ると頭を抱えていた。

「あれ?クリスどうしたの。頭使いすぎて爆発しそう?」

「何故俺の頭が爆発するんだ。………俺はこの科目はダメだ。」

そう言うとクリスは英語を指さした。

「いやいやいや!!留学生設定のクリスが英語出来ないとかダメだよ!!」

「なんだその設定は。何故違う言葉を学ばなくてはいけない?スパイをした時の暗号にでも使うのか?」

「スパイなんてしません!!」

「じゃぁ何故違う言葉を習うのだ。」

「グローバル時代…………だから?」

俺はやらない、とクリスは教科書を投げた。

「ダメだってば!!留学生が英語出来ないとかダメだよ本当!!」

「必要性を感じない。」

「設定には必要なの!!いいの?変に怪しまれて学校居られなくなっても。」

「……………………。」

「お母さん可哀想だな…頑張ってクリスを入れてあげたのに。」

クリスは黙って英語の教科書を開いて勉強を始めた。
よしよし、頑張ってクリス!!



「よし、出来た。」

頭のいいクリスは土日で全教科完璧に習得した。
もう完璧過ぎて怖いんだけど。

「ふふん、俺は最年少で副団長まで登りつめたからな。こんなこと簡単すぎるわ。」

そうかクリスは副団長だったのか…。急に副団長がいなくなったなんて騎士団大変だろうな…と私は考えていた。

「お疲れ様、ねぇ今日はクリスちゃんのご褒美に外食しない?」

「外食!?飲食店にクリスを連れてくの!?」

「あら、たまにはいいじゃない。行きましょ。」

まぁお母さん達が居るからいいか。私達は外食に出掛けた。


「じゃぁ俺はこれを。」
そう言うとクリスはステーキを指さした。

飲食店ではクリスは大人しかった。自分の国の食堂とかに似てるからさほど驚くことは無いらしい。入口付近のガチャガチャには物凄く興味を示してたけど。

「私は目玉焼きハンバーグ♪飲み物は烏龍茶でいいや。」

「分かったわ。クリスちゃんは飲み物どうするの?」

「俺はウイスキーを頼む。」

いやいや、あんた未成年でしょ。それにウイスキーなんて無いし。そう告げるとクリスは目を見開いた。

「未成年!?酒飲むのに年齢なんて関係ないだろ!?」

「あります。法律で20歳以下は飲めません。」

「20歳以下!?ふざけんな、俺は子供の時から……。」

「クリスちゃん、ルール。」

クリスはしょんぼりとして「水でいい。」と言った。
その様子を最近かかりつけ医から禁酒を勧められているお父さんは涙目で見ていた。


「美味しかったー。」

「ねぇ、たまにはいいわね外食も。」

「クリスも美味しかったでしょ?」

「ああ……美味しかった。だが1つ気になることがある。」

「何が?」

「あのガチャガチャという物は何なんだ?子供達が謎の容器を出して開けていたが…あれはドラゴンか何かの卵では無いのか!?」

彼の頭はガチャガチャでいっぱいだった。


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