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どんぐりころころ
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煌びやかなネオンが眩しい。俺は同僚達と飲み歩いていた。
「おっ君可愛いね!名前なんて言うの?」
俺が肩を叩くとやめてください、と女の子は後ずさりした。
「ちょ、お前何やってんだよ!」
「何って……ナンパ?いいじゃん、こんなミニスカート履いてるんだ。期待してたんでしょ?そういうの。」
俺がそう言うと女の子は鬼の形相になった。
「あぁ、もういい加減にしろ!健!!ごめんねこいつ酒癖悪くて。」
壮太はそう言って俺の腕を引っ張った。
「なんだよ壮太怒んなよー!」
「飲み過ぎなんだよお前は。ちょっと待ってろ。」
俺は公園の階段に座って大人しく壮太を待っていた。
「ほら、これ飲んで落ち着け。」
壮太は俺に缶コーヒーを投げた。
「サンキュー!あれ?他の皆は?」
「別れたよ!今のお前じゃ入店拒否されそうだからな。俺達は大人しく帰ろう。」
えー!まだ全然飲み足りない!俺はそう言って立ち上がろうとした。その時だった。
「おっ…おおっと。」
俺はすっ転んでいた。
「何やってんだよ…大丈夫か?」
「いや、なんかここ小さい穴があるんだよ。それに足とられた。」
「あっ?あっ本当だ。」
暗くてよく見えないが階段のすぐ下に小さい穴が掘られていた。
「誰なんだよ掘ったやつ……悪質なイタズラだな。」
「まぁまぁ、大した深さじゃないし。俺みたいなヤツじゃないと落ちないんじゃない?」俺はそう言って1人爆笑していた。
どんぐりころころ どんぶりこ
急にどこからか歌声が聞こえてきた。
「なんだ!?こんな時間に子供が遊んでいるのか!?一体どこで………。」
「どんぐりころころどんぶりこ~♪おいけにはまってさぁ大変♪ 俺は池じゃなくて穴だけどなー!」
「健………うるさい。」
「ドジョウが出てきてこんにちはー!坊ちゃん一緒に遊びましょー♪ 俺、ドジョウより女の子と遊びたーい!」
「うるさいって言ってるだろ!ほら、帰るぞ!」
壮太はそう言うと俺をずるずると引っ張って行った。
「あー頭痛い………。」
昼休み。俺は屋上で野菜ジュースを飲んでいた。
「だからお前は飲み過ぎなんだよ。」
一服をしに来た壮太が俺の隣に座った。
「ほら、鎮痛剤。お前お昼食べないのか?」
「気持ち悪くて食べられない。」
「本当にお前はしょうがないやつだなぁ。」
はいはい、分かってますよ。俺はそう言うと鎮痛剤を野菜ジュースで飲み込んだ。
「あーまだ時間あるし俺一眠りしてくるわ。」
そう言って立ち上がった瞬間だった。
「わっ!」
俺はまた小さい穴に足を取られそうになった。
「なんでこんな所に穴があるんだ?屋上、工事するとか言ってたっけ?」
「いやぁ聞いてないけどな?危ないなこれ。」
「まぁいっか。どんぐりころころよろこんで~♪しばらく一緒に遊んだが~♪やっぱりお山が恋しいと~♪泣いてはどじょうを困らせた~♪」
「ったく、本当にうるさい男だな。」
壮太はタバコを吸いながら呟いていた。
「あああー!!ふざけんな部長!!」
仕事帰り。今日もまた俺は飲みに行っていた。
「いやぁあれは話の聞かなかった健が悪いな。」
「壮太までそんなこと言うなよ!」
「はいはい悪かったよ、ほらこれやるから。」
壮太はそう言ってピザを俺の皿に乗っけた。いや、そのピザ俺のだし。
「ちょっとトイレ行ってくるわ。」
俺はフラフラと席を立った。
確かに話を聞かなかった俺も悪いが皆の前であんなに怒鳴らなくてもいいんじゃないか?お前はいつも弛んでるって……お前の腹のが弛んでるだろ。
俺はぶつくさと文句を言いながら歩いてると廊下の端っこにロープで囲まれた場所を見つけた。
「あ?なんだこれ殺人事件?」
俺が近付くと、後ろから危ないですから近付かないでください!と声がした。
「あっ店員さん。これどうしたんですか?」
「いやぁなんか穴が空いていましたね…。酔っ払ったお客様が空けたのか……。」
「でも結構大きいよね?気付かなかったの?」
「恥ずかしながら…。そうですね、お兄さんの腰ぐらいまで入ってしまいそうな穴ですし……危険ですから近付かないでくださいね。」
店員さんはそう言って俺にまた念押しすると厨房へと入って行った。……穴か………最近やたらと目につくな。それに心無しか大きくなっている…いや、気のせいか。俺は若干の恐怖を感じながらトイレへと向かった。
「あっすみませんまたやっちゃったぁ。」
女子社員の明るい声が聞こえた。うるさいな、二日酔いの頭に響くから静かにしてくれ。
「これ2回目なんだよね…穴があったら入りたいよぉ。」
ビクッ
俺は【穴】という言葉にドキッとした。
あれから俺はやたらと穴を目にする。いや、俺が気にするから視界に入るのか…しまいには言葉にまで反応するようになっていた。
「おい、鈴木!ピアスはダメだと言ってるだろう!」
「でも部長開けたばっかりだし穴塞がっちゃうんですよ。」
ガタッ
俺は勢い良く立ち上がった。
「……おい、顔色悪いが大丈夫か?」
部長が心配そうに俺の顔を見た。
「すみません部長、ちょっと体調悪いので帰ってもいいですか?」
俺は早退することにした。
何をしているんだ、俺。たかが穴じゃないか。たまたま俺が行くところに穴がある……それだけ、何も怖がることなんて……。
「こらっ!誰がこんなに大きい穴空けたの!?」
「違うよお母さん僕達じゃない!」
公園から怒鳴り声が聞こえた。
「そうよね確かにこんな深い穴、子供じゃ無理かもね…大人1人埋まりそうよ?」
俺は走り出していた。一体なんなんだ!穴がそこら辺にあるのか!?
「あっお花見場所決まったよ!いい穴場見つけたの!」
「あーなんか花粉のせいか鼻の穴が詰まる……。」
「あっやばいこの袋、穴が空いてんじゃん!」
穴、穴、穴。
ダメだ色んなところから穴という言葉が聞こえる!!俺は一心不乱に走り続けた。
「えっと、あいつの家はこの道でいいのか?」
「そうです、この通りをまっすぐ行って………。」
俺は部長と健の家へと向かっていた。
「健のやつどうしたんですかね?体調不良で休むって言ってからついに音信不通になって。」
「そうだな…あいつは一人暮らしだし中で倒れてたら大変だ。」
たぶん寝てるんじゃないですかね?俺がそう言って通りに出たところだった。
「あれ?通行止め?」
俺達が立ちすくんでいると交通整理の人が走ってきた。
「あっすみませんここ今通行止めで……すみませんがあちらの道から回ってください。」
「何か工事でもやってるんですか?」
「いや、それがねぇ…とてつもなく大きい穴が空いてるんですよ。」
「穴?」
「ええ、底が見えない程深い深い穴が。人が落ちたりしたら危険って急いで埋めに来たんですよ。」
「なんでそんなデカい穴がこんな道に?」
「いやぁそれが謎でして。近所の人に聞いても大きい音なんて聞こえなかったって言うし……不思議ですよねぇ。」
交通整理の人はそう言いながら頭をかいた。
「まぁいい、迂回して行こう。」
部長はそう言って道を引き返した。
穴……穴か。そう言えば健のやつ、やたらと穴を怖がっていたな。穴を見る度にビクビクしていて……はっきり言って異常だった。
「おい、何してるんだ早く行くぞ。」
「あっはい!…………まさかな。」
俺は部長のところに走って行った。
「……おい、なんだよここ…………。暗くて何も見えねぇよ…。」
気付いたらこんな所に。ここはどこだ。
その時、上の方から一瞬小さい光が見えた。
「!? おい、誰か居るのか!?」
声を出しても返事がない。くそっ聞こえないのか!?
「おい、源さん何してるんだ。落ちたら危ないぞ。」
上から声が聞こえた。誰か居る!?
「いやぁこんな深い穴誰が何のために掘ったか気になってな…。」
穴!?これは穴か!?俺は穴の中に居るのか!?
「そうだなぁ暗くて中見えないし怖いよな…。あっ準備が出来たみたいだ、早く埋めてしまおう。」
!? 埋める!?この穴をか!?
「ふざけんな!!俺がいる!!おい、俺がいるぞ!!」
人の声の他に機械の音が聞こえてきた。これは……重機の音だ!
「ふざけんな!!助けてくれ!!誰か!!」
パラパラと土が落ちてくる。
「誰か!!嫌だ死にたくない!!助けてくれ―――!!」
「あいつ居ないな…。部屋はもぬけの殻だし…どこ行ったんだ。」
「失踪した感じでもないですしね?財布あったし。」
「とりあえず御家族に連絡を入れよう。」
俺はふと気になってあの穴があった道を見た。
「どうした?ああ、穴が塞ぐ工事が始まったんだな。」
「ええ、重機まで使って……そんなに大きい穴だったんですね。」
「そうだな。よし、行くぞ。」
「健………どこ行ったんだ…。」
その時どこからかどんぐりころころが聞こえてきた……ような気がした。
「………やっぱりお山が恋しいと、泣いてはドジョウを困らせた…か…。」
「おい、早く来い!」
「あっすみません!!今行きます!!」
俺達はそう言って会社へと歩き始めたのだった。
「おっ君可愛いね!名前なんて言うの?」
俺が肩を叩くとやめてください、と女の子は後ずさりした。
「ちょ、お前何やってんだよ!」
「何って……ナンパ?いいじゃん、こんなミニスカート履いてるんだ。期待してたんでしょ?そういうの。」
俺がそう言うと女の子は鬼の形相になった。
「あぁ、もういい加減にしろ!健!!ごめんねこいつ酒癖悪くて。」
壮太はそう言って俺の腕を引っ張った。
「なんだよ壮太怒んなよー!」
「飲み過ぎなんだよお前は。ちょっと待ってろ。」
俺は公園の階段に座って大人しく壮太を待っていた。
「ほら、これ飲んで落ち着け。」
壮太は俺に缶コーヒーを投げた。
「サンキュー!あれ?他の皆は?」
「別れたよ!今のお前じゃ入店拒否されそうだからな。俺達は大人しく帰ろう。」
えー!まだ全然飲み足りない!俺はそう言って立ち上がろうとした。その時だった。
「おっ…おおっと。」
俺はすっ転んでいた。
「何やってんだよ…大丈夫か?」
「いや、なんかここ小さい穴があるんだよ。それに足とられた。」
「あっ?あっ本当だ。」
暗くてよく見えないが階段のすぐ下に小さい穴が掘られていた。
「誰なんだよ掘ったやつ……悪質なイタズラだな。」
「まぁまぁ、大した深さじゃないし。俺みたいなヤツじゃないと落ちないんじゃない?」俺はそう言って1人爆笑していた。
どんぐりころころ どんぶりこ
急にどこからか歌声が聞こえてきた。
「なんだ!?こんな時間に子供が遊んでいるのか!?一体どこで………。」
「どんぐりころころどんぶりこ~♪おいけにはまってさぁ大変♪ 俺は池じゃなくて穴だけどなー!」
「健………うるさい。」
「ドジョウが出てきてこんにちはー!坊ちゃん一緒に遊びましょー♪ 俺、ドジョウより女の子と遊びたーい!」
「うるさいって言ってるだろ!ほら、帰るぞ!」
壮太はそう言うと俺をずるずると引っ張って行った。
「あー頭痛い………。」
昼休み。俺は屋上で野菜ジュースを飲んでいた。
「だからお前は飲み過ぎなんだよ。」
一服をしに来た壮太が俺の隣に座った。
「ほら、鎮痛剤。お前お昼食べないのか?」
「気持ち悪くて食べられない。」
「本当にお前はしょうがないやつだなぁ。」
はいはい、分かってますよ。俺はそう言うと鎮痛剤を野菜ジュースで飲み込んだ。
「あーまだ時間あるし俺一眠りしてくるわ。」
そう言って立ち上がった瞬間だった。
「わっ!」
俺はまた小さい穴に足を取られそうになった。
「なんでこんな所に穴があるんだ?屋上、工事するとか言ってたっけ?」
「いやぁ聞いてないけどな?危ないなこれ。」
「まぁいっか。どんぐりころころよろこんで~♪しばらく一緒に遊んだが~♪やっぱりお山が恋しいと~♪泣いてはどじょうを困らせた~♪」
「ったく、本当にうるさい男だな。」
壮太はタバコを吸いながら呟いていた。
「あああー!!ふざけんな部長!!」
仕事帰り。今日もまた俺は飲みに行っていた。
「いやぁあれは話の聞かなかった健が悪いな。」
「壮太までそんなこと言うなよ!」
「はいはい悪かったよ、ほらこれやるから。」
壮太はそう言ってピザを俺の皿に乗っけた。いや、そのピザ俺のだし。
「ちょっとトイレ行ってくるわ。」
俺はフラフラと席を立った。
確かに話を聞かなかった俺も悪いが皆の前であんなに怒鳴らなくてもいいんじゃないか?お前はいつも弛んでるって……お前の腹のが弛んでるだろ。
俺はぶつくさと文句を言いながら歩いてると廊下の端っこにロープで囲まれた場所を見つけた。
「あ?なんだこれ殺人事件?」
俺が近付くと、後ろから危ないですから近付かないでください!と声がした。
「あっ店員さん。これどうしたんですか?」
「いやぁなんか穴が空いていましたね…。酔っ払ったお客様が空けたのか……。」
「でも結構大きいよね?気付かなかったの?」
「恥ずかしながら…。そうですね、お兄さんの腰ぐらいまで入ってしまいそうな穴ですし……危険ですから近付かないでくださいね。」
店員さんはそう言って俺にまた念押しすると厨房へと入って行った。……穴か………最近やたらと目につくな。それに心無しか大きくなっている…いや、気のせいか。俺は若干の恐怖を感じながらトイレへと向かった。
「あっすみませんまたやっちゃったぁ。」
女子社員の明るい声が聞こえた。うるさいな、二日酔いの頭に響くから静かにしてくれ。
「これ2回目なんだよね…穴があったら入りたいよぉ。」
ビクッ
俺は【穴】という言葉にドキッとした。
あれから俺はやたらと穴を目にする。いや、俺が気にするから視界に入るのか…しまいには言葉にまで反応するようになっていた。
「おい、鈴木!ピアスはダメだと言ってるだろう!」
「でも部長開けたばっかりだし穴塞がっちゃうんですよ。」
ガタッ
俺は勢い良く立ち上がった。
「……おい、顔色悪いが大丈夫か?」
部長が心配そうに俺の顔を見た。
「すみません部長、ちょっと体調悪いので帰ってもいいですか?」
俺は早退することにした。
何をしているんだ、俺。たかが穴じゃないか。たまたま俺が行くところに穴がある……それだけ、何も怖がることなんて……。
「こらっ!誰がこんなに大きい穴空けたの!?」
「違うよお母さん僕達じゃない!」
公園から怒鳴り声が聞こえた。
「そうよね確かにこんな深い穴、子供じゃ無理かもね…大人1人埋まりそうよ?」
俺は走り出していた。一体なんなんだ!穴がそこら辺にあるのか!?
「あっお花見場所決まったよ!いい穴場見つけたの!」
「あーなんか花粉のせいか鼻の穴が詰まる……。」
「あっやばいこの袋、穴が空いてんじゃん!」
穴、穴、穴。
ダメだ色んなところから穴という言葉が聞こえる!!俺は一心不乱に走り続けた。
「えっと、あいつの家はこの道でいいのか?」
「そうです、この通りをまっすぐ行って………。」
俺は部長と健の家へと向かっていた。
「健のやつどうしたんですかね?体調不良で休むって言ってからついに音信不通になって。」
「そうだな…あいつは一人暮らしだし中で倒れてたら大変だ。」
たぶん寝てるんじゃないですかね?俺がそう言って通りに出たところだった。
「あれ?通行止め?」
俺達が立ちすくんでいると交通整理の人が走ってきた。
「あっすみませんここ今通行止めで……すみませんがあちらの道から回ってください。」
「何か工事でもやってるんですか?」
「いや、それがねぇ…とてつもなく大きい穴が空いてるんですよ。」
「穴?」
「ええ、底が見えない程深い深い穴が。人が落ちたりしたら危険って急いで埋めに来たんですよ。」
「なんでそんなデカい穴がこんな道に?」
「いやぁそれが謎でして。近所の人に聞いても大きい音なんて聞こえなかったって言うし……不思議ですよねぇ。」
交通整理の人はそう言いながら頭をかいた。
「まぁいい、迂回して行こう。」
部長はそう言って道を引き返した。
穴……穴か。そう言えば健のやつ、やたらと穴を怖がっていたな。穴を見る度にビクビクしていて……はっきり言って異常だった。
「おい、何してるんだ早く行くぞ。」
「あっはい!…………まさかな。」
俺は部長のところに走って行った。
「……おい、なんだよここ…………。暗くて何も見えねぇよ…。」
気付いたらこんな所に。ここはどこだ。
その時、上の方から一瞬小さい光が見えた。
「!? おい、誰か居るのか!?」
声を出しても返事がない。くそっ聞こえないのか!?
「おい、源さん何してるんだ。落ちたら危ないぞ。」
上から声が聞こえた。誰か居る!?
「いやぁこんな深い穴誰が何のために掘ったか気になってな…。」
穴!?これは穴か!?俺は穴の中に居るのか!?
「そうだなぁ暗くて中見えないし怖いよな…。あっ準備が出来たみたいだ、早く埋めてしまおう。」
!? 埋める!?この穴をか!?
「ふざけんな!!俺がいる!!おい、俺がいるぞ!!」
人の声の他に機械の音が聞こえてきた。これは……重機の音だ!
「ふざけんな!!助けてくれ!!誰か!!」
パラパラと土が落ちてくる。
「誰か!!嫌だ死にたくない!!助けてくれ―――!!」
「あいつ居ないな…。部屋はもぬけの殻だし…どこ行ったんだ。」
「失踪した感じでもないですしね?財布あったし。」
「とりあえず御家族に連絡を入れよう。」
俺はふと気になってあの穴があった道を見た。
「どうした?ああ、穴が塞ぐ工事が始まったんだな。」
「ええ、重機まで使って……そんなに大きい穴だったんですね。」
「そうだな。よし、行くぞ。」
「健………どこ行ったんだ…。」
その時どこからかどんぐりころころが聞こえてきた……ような気がした。
「………やっぱりお山が恋しいと、泣いてはドジョウを困らせた…か…。」
「おい、早く来い!」
「あっすみません!!今行きます!!」
俺達はそう言って会社へと歩き始めたのだった。
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