双葉病院小児病棟

moa

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笑顔の裏には

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颯side




昨日愛華から少し聞いてたけど、新しく入った女の子って由来ちゃんのことだったのか。




緊急入院だったみたいで不安が大きいみたい。




さっき3人ですごろくの話してるとき、プレイルームに入ってきてキョロキョロしてる子が見えた。




見ない顔だなと思って見てたら湊が気付いて連れてきた。




湊知ってたんだな、由来ちゃんのこと。




湊「やったぁーっ!
1番だぁー(*^^*)」




由「やった、私2番だ^^」




湊「あとしゅーくんとお兄ちゃんだけだー( ´꒳` )」




2人ともあがって嬉しそう。




秀は悔しいみたいで必死な顔だ(笑)




由「年上なのにまだあがれないの?(笑)」




秀「はぁ?
うるせぇ、もうすぐあがれるしっ!」




あーあー、さっきいじわるしたからやり返されてるじゃん(笑)




まぁ、自業自得だけど。




あ、6出た。




ごめん秀、俺あがりだわ(笑)




「はい、あがり(笑)」




秀「うわ、くそーっ!」




湊も由来ちゃんも笑ってる。




良かった、楽しめたみたいだな。




佐「すごろく終わったー?」




「ビクッ)うわっ…ビックリした!」




後ろから肩にポンっと手を置かれてビックリして振り返ると、そこには佐倉先生がいた。




佐「ごめんごめん(笑)」




湊「ねぇ、佐倉せんせっ!
みーくん1番だったんだよー!」




佐「おっ、すごいじゃん^^」




佐倉先生を見てキョトンとしている由来ちゃん。




初めて会ったのかな。




佐「由来ちゃん、私佐倉っていうの。
これから会うこともあると思うからよろしくね♪」




由「あ…よろしくお願いします…^^」




佐「ところで、颯くん。
今日はトイレ行ったかな?」




あ、やべぇ。




トイレ行って尿取って渡さなきゃいけない約束だった。




今日まだ出てないんだよな…




「……うん、行った。」




さすがにもう昼だし、出てないなんて言ったら何されるかなんて分かりきってる。




咄嗟に嘘ついてしまった。




佐「ふーん……そっか^^
あのね、先生ちょっと颯くんとお話があるから颯くん借りていい?」




湊「うん、いいよー。」




「いや…俺はまだ……」




佐「ありがとう、また後で遊んであげてね(^-^)
よし、行くよ。」




湊「うん、颯くんまた後でねー♪」




うわ、すごい優しい笑顔と口調なのに腕しっかり掴まれてるし。




これは嘘って確実にバレてるな。




佐倉先生に連れてこられたのは処置室。




佐「ねぇ、颯くん。
なんで嘘つくかな、ほら寝転がって。」




「…何するの……」




佐「分かってるでしょ?
身体に溜めたままだと悪いっていつも言ってるよね。
出しきれないならその時教えてくれれば優しくしてあげたのに。
ほら、脱いで。」




佐倉先生は呆れた様子で手袋を付けていて、消毒の横にはもうカテーテルが準備されていた。




はぁ……最悪。
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