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天の導き
323ー2 激流(1)ー2
◆ ◆ ◆ ◆
放課後、覇王軍と王立高学院特別部隊の主要メンバーを集めて会議をしている時だったので、全員が俺の執務室に移動してギルマスの話に耳を傾けている。
「うちのギルドに来る時、同行していた兵士が2人、魔獣と戦って負傷し、帰りに自分を守ってくれる護衛が居ないと泣き出したんだよな。
あまりに憐れで、全員がBランクの4人組のパーティーが名乗り出て、1人金貨5枚で護衛を請け負った。
そしてラレスト王国の王都の一つ手前の町で、コーチャー山脈の西側から魔獣の氾濫が始まり、間もなく王都に到達すると聞いた。
そこで冒険者の2人は、急いでそのことを知らせるため馬を走らせマギ領に戻ってきた。
残りの2人は護衛任務があったので、軍務大臣を送っていった」
ギルマスは通信魔術具でこれまでの経緯を説明し、氾濫開始の知らせを急いで俺に連絡してきたのだと言った。
氾濫の規模は正確には分からないが、今回も4枚の翼を持つブラックドラゴンを見たという者が居たらしいので、その数は200頭を越えているはずだ。
俺の記憶では、まともな体で生き残っているブラックドラゴンのオスは、あと1頭だったと思う。
「了解ですギルマス。明日、ランドルで様子を見に行きます。もしも続報が入ったら、こっちに知らせてください」
俺はそう言って、龍山支部との通信を終了した。
「最悪の事態が起こる前に、最低限の地下室やかまくらを作っておいて、本当に良かったですね覇王様。
女性や子供の分しか作れませんでしたが、もしもの時の対応や対策の指導もしておいたので、なんとか生き残ってくれたらと願うばかりです」
俺とギルマスの通信を隣で聞いていたラリエスが、勇者伝説活動がなんとか間に合って良かったと安堵の息を吐く。
「今あの国には、魔獣と戦える兵も警備隊も冒険者も居ません。
勇者伝説活動をしなかった、王都ラレストの住民たちが心配ですね。
民の被害が少ないことを心から願いますが、これで偽王政権が倒れてくれたらと願わずにはいられません」
どこか覚悟を決めたような瞳で、トーブル先輩は心の中の思いを吐き出す。
ついでに死んでくれたらなって付け加えた言葉も、トーブル先輩の本心なのだろう。
「誰を同行されますか?」とボンテンクが俺に問う。
「ラリエスはシルクーネ先輩を連れて行け。俺はエイトを連れて行く。
ボンテンクは、覇王軍の半分を率いて明日の早朝に発て。人選は任せる。
ノエル様は、王立高学院特別部隊のベテラン15人を率いて、物資が準備でき次第出発してください。今回は、覇王軍が全額負担します。
トーブル先輩は聖魔法を使える学生と医療チームを連れ、覇王軍に同行してください。
ゲイルとヤーロン先輩は、王立高学院特別部隊の護衛についてください。
学院長、トーマス王子に魔獣討伐専門部隊の10人を連れ、明日の午後出発しろと命じてください」
「了解しました」と、指名された全員が力強く返事をして、直ぐに動き始める。
「リーマス王子、大至急、医療班にポーションを作らせて、明日トーマス王子に渡してください。
カルタック教授、ブラックドラゴンと魔獣に有効な魔術具を、魔獣討伐専門部隊の指揮官に持たせてください」
「はい、承知しました」
医療班の責任者であるリーマス王子と、古代魔術具複製リーダーのカルタック教授が応えて、直ぐに走りだす。
……俺の仲間は本当に優秀だ。どんどん頼もしくなっていく。
「ルフナ王子、トゥーリス先輩、ミレーヌ様、留守は任せます。
国境を越えて避難民が押し寄せることも考慮し、救済の準備をしておいてください」
「はい、お任せください」
俺は皆に指示を出し、目を瞑って意識を集中させる。
これ以上、ブラックドラゴンを野放しにはできない。
放課後、覇王軍と王立高学院特別部隊の主要メンバーを集めて会議をしている時だったので、全員が俺の執務室に移動してギルマスの話に耳を傾けている。
「うちのギルドに来る時、同行していた兵士が2人、魔獣と戦って負傷し、帰りに自分を守ってくれる護衛が居ないと泣き出したんだよな。
あまりに憐れで、全員がBランクの4人組のパーティーが名乗り出て、1人金貨5枚で護衛を請け負った。
そしてラレスト王国の王都の一つ手前の町で、コーチャー山脈の西側から魔獣の氾濫が始まり、間もなく王都に到達すると聞いた。
そこで冒険者の2人は、急いでそのことを知らせるため馬を走らせマギ領に戻ってきた。
残りの2人は護衛任務があったので、軍務大臣を送っていった」
ギルマスは通信魔術具でこれまでの経緯を説明し、氾濫開始の知らせを急いで俺に連絡してきたのだと言った。
氾濫の規模は正確には分からないが、今回も4枚の翼を持つブラックドラゴンを見たという者が居たらしいので、その数は200頭を越えているはずだ。
俺の記憶では、まともな体で生き残っているブラックドラゴンのオスは、あと1頭だったと思う。
「了解ですギルマス。明日、ランドルで様子を見に行きます。もしも続報が入ったら、こっちに知らせてください」
俺はそう言って、龍山支部との通信を終了した。
「最悪の事態が起こる前に、最低限の地下室やかまくらを作っておいて、本当に良かったですね覇王様。
女性や子供の分しか作れませんでしたが、もしもの時の対応や対策の指導もしておいたので、なんとか生き残ってくれたらと願うばかりです」
俺とギルマスの通信を隣で聞いていたラリエスが、勇者伝説活動がなんとか間に合って良かったと安堵の息を吐く。
「今あの国には、魔獣と戦える兵も警備隊も冒険者も居ません。
勇者伝説活動をしなかった、王都ラレストの住民たちが心配ですね。
民の被害が少ないことを心から願いますが、これで偽王政権が倒れてくれたらと願わずにはいられません」
どこか覚悟を決めたような瞳で、トーブル先輩は心の中の思いを吐き出す。
ついでに死んでくれたらなって付け加えた言葉も、トーブル先輩の本心なのだろう。
「誰を同行されますか?」とボンテンクが俺に問う。
「ラリエスはシルクーネ先輩を連れて行け。俺はエイトを連れて行く。
ボンテンクは、覇王軍の半分を率いて明日の早朝に発て。人選は任せる。
ノエル様は、王立高学院特別部隊のベテラン15人を率いて、物資が準備でき次第出発してください。今回は、覇王軍が全額負担します。
トーブル先輩は聖魔法を使える学生と医療チームを連れ、覇王軍に同行してください。
ゲイルとヤーロン先輩は、王立高学院特別部隊の護衛についてください。
学院長、トーマス王子に魔獣討伐専門部隊の10人を連れ、明日の午後出発しろと命じてください」
「了解しました」と、指名された全員が力強く返事をして、直ぐに動き始める。
「リーマス王子、大至急、医療班にポーションを作らせて、明日トーマス王子に渡してください。
カルタック教授、ブラックドラゴンと魔獣に有効な魔術具を、魔獣討伐専門部隊の指揮官に持たせてください」
「はい、承知しました」
医療班の責任者であるリーマス王子と、古代魔術具複製リーダーのカルタック教授が応えて、直ぐに走りだす。
……俺の仲間は本当に優秀だ。どんどん頼もしくなっていく。
「ルフナ王子、トゥーリス先輩、ミレーヌ様、留守は任せます。
国境を越えて避難民が押し寄せることも考慮し、救済の準備をしておいてください」
「はい、お任せください」
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