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第13話 〈side:勇者〉路地裏の出会い
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――俺様は、勇者だ。
勇者はミスなどしない。
だから、アレは俺のせいじゃない。
「ああ、まったく。イライラする」
俺は路地を歩きながら何度もつぶやいた。今はひとり。だから返事がくるわけはないのだが、それでも愚痴らずにはいられない。
ダンジョンで、罠にはまった。
ただそれだけの、些細なことだ。
パーティが全滅したわけでも、目的が達成できなかったわけでもない。むしろ過去最速クラスで魔物をぶっ倒して帰ってきたくらいだ。
だが、そんな些細なことにエリスもアリアも含み笑いをしていたことが気に入らない。
これならさっさと新しい女性メンバーを入れればよかった。俺好みの、従順な女だ。なかなか出くわさない。王都もつまらない街になってきた。
こんなとき、あの能なし野郎がいればちょっとは気晴らしできたのに。
「そうだ。あいつが悪い。俺は勇者で、あいつはスカウトだ。だったら俺が恥をかかないように、あらかじめ準備をしておくものだろうが」
たとえ、追放された後であってもだ。
それこそ勇者パーティだった者の忠義であり義務だろうに。
今からでも連れ戻そうか――と、ふと思い浮かぶ。
「ハッ。何を馬鹿なことを考えている、スカル・フェイス。お前は勇者だろう。ラクターの奴は、あれで正解だったんだよ」
ラクターが俺たちの力になっていたなど、絶対に認めない。
それにしても、いらだちが消えない。酒場から裏路地に出たのは正解だった。人の多い目抜き通りを歩いていたなら、俺の愚痴を聞かれていたかもしれない。勇者たるこの俺が、追放した男の名前を口走るなんて、イメージに関わる。
まったく、いなくなってからも俺をいらだたせやがって。
――ふと、別の路地から人影が出てきた。
みすぼらしい平民服。ガタついた手押しの荷車。さえない中年のおっさんに小娘がひとり。引っ越しか。
ご苦労なこった。俺なら一声かけるだけで何十人も動いてくれるだろうがな。貧乏人は大変だねえ。
まあ、ガキはちょっと見所がありそうだ。薄汚れているが、じゅうぶんにかわいらしい。十年もすれば、そこそこ見れる女になるのではないか。
――奴らと目が合った。
「おい」
俺は思わず、声をかけていた。
「今、俺を見て顔をしかめたな?」
「……」
黙りやがった。おっさんの方は眉間にしわを寄せてる。
ガキに目をやる。すると父親の背中に隠れた。
おい、違うだろ。この街の、この国のガキたちは、俺を尊敬の目で見るべきだ。俺のようになりたいとな。
「なあ、おっさん。名前は?」
「……レオン・シオナードです。勇者スカル」
へえ。
「ちゃんと俺の名前を言えるじゃないか。だがな」
レオンとかいうおっさんの胸ぐらをつかむ。ひょろい。まったく相手にならない男だ。
「俺が勇者だとわかっているなら、それなりの敬意の表し方ってもんがあるんじゃないのか? なんだよ、その苦々しい表情は」
「……僕は、あなたに会いたくなかった。あなたの顔を見るのも嫌だったんだ」
「あ?」
おいおい。おいおいおい。いま、こいつ何を言った?
俺に会いたくなかった?
顔を見るのも嫌だって?
おいおいおいおい、おい!
いや……ふぅ。まあ、落ち着け、俺。
俺は勇者だ。そして今、いつもより気が立っている。
こういうときこそ冷静に、寛容な心で接するのが勇者というものだ。
そうだ。このガキ――いや、かわいらしいお嬢さんなら、その純粋な目で正しく俺を見るに違いない。
俺は優しい声で言った。
「そこの可憐なお嬢さん。君からおっさ――お父上に教えてあげてくれないかい? 勇者スカル・フェイスにどう接するべきか」
「…………ヤ」
俺は首をかしげる。声が小さすぎんだよガキ。
おっさんの背中から顔を出したガキは、俺と目を合わせて、言った。
「わたし、あなたのこと、きらい」
「な……んだ……って?」
「きらい。こわい。イヤなひと」
「ほ……ほう。そうかい」
そうなのかい。ふーん。
ほーぉ。
ふーん……! そうかい、そうかよ!
「!? 勇者スカル、何を!?」
「俺に恥をかかせやがってこのガキッ!!」
聖剣の柄に手をかける。
そのとき。
「おやめなさい!」
凜とした声が路地に響き渡る。
恥をかかされた怒りがそんなもんで収まるハズはない。
……が、俺の勇者としての本能が聖剣を鞘から抜き放つのをためらわせた。
ゆっくりと振り返る。
数歩先に、白いローブをすっぽりと被った女性が立っていた。その隣には、大きな白いオオカミがいる。
あの獣。何より、あの声。間違いない。
「引きなさい、スカル・フェイス。罪もない一般人に剣を向けようとする、それでも勇者ですか」
「イリス……姫様」
フードを目深に被ったままだから、表情は見えない。
強い口調。だがしかし、姫殿下の手は自らのローブをぎゅっとつかみ、その手は震えていた。
怯えている。
俺はなぜか、その御姿を見て心地よく思った。
御下命のとおりレオンを解放し、数歩下がってひざまずく。
勇者として、主張はせねばなるまい。
「失礼いたしました。しかし姫、罪ということであれば、この者こそ『不敬』という罪を犯したのではないでしょうか? あなたもご覧になったでしょう」
「私はそのような罪を見ていません」
「そうですか。ところで、なぜこのようなところに? お忍びであれば、言ってくだされば喜んでお供したのですが」
「あなたには関係ありません」
このわがまま娘め。
イリス姫は大きく息を吸うと、さっきよりも声を張った。
「もうあなたと話すことはありません。下がりなさい」
「この者たちは、俺に恥を――」
「下がりなさい!」
俺は唇をかんだ。
――かろうじて「失礼しました」と口にしたことは覚えている。
だがその後、どうやって館まで戻ったかは覚えていなかった。
◆◇◆
勇者スカルが立ち去ったのを見届け、イリスは大きく息を吐いた。
まさかこんなところで彼に出くわすなんて……。
イリスは、数日前の自分の決意を実行に移すため、王宮を抜け出したところだったのだ。
「あの」
呼吸を整えていたイリスの元に、絡まれていた親娘がやってきた。
「助けていただき、ありがとうございます。あなた様は、本物のイリス姫でいらっしゃいますか?」
「はい、そうです」
疑うことなく素直に答えるところが、イリス・シス・ルマトゥーラが穢れなき白花と呼ばれる所以だった。
再び一礼した父親――レオンは、心配そうに声をかけた。
「勇者スカルの言葉ではありませんが……どうしてこのような場所に」
「人を、探しに行きたくて」
「姫様、御自ら? それは、大変でございますね。どなたをお探しなのですか」
深く事情を聞いてこないレオンに、信用が置けるとイリスは感じた。思い切って、たずねる。
「あの、あなたはラクター・パディントンという方をご存じないですか。北東に向かったと耳にしたのですが」
「姫様が、ラクター君を!?」
「ご存じなのですか!?」
思わず前のめりになったイリスを、護衛のホワイトウルフ、パテルルがやんわりと押しとどめる。
レオンは驚いた表情をしていたが、息を呑んで返答を待つイリス姫を見て、彼は表情を和らげた。
「姫様。どうかローブを被り直してください。そのままでは目立ってしまいます」
「あ……ごめんなさい」
「ラクター君はカリファの聖森林にいます。僕――いえ、私たちはこれからそこへ向かうのですが――共に行かれますか?」
それは、イリス・シス・ルマトゥーラにとって天恵のような誘いだった。
彼女は表情と声に喜びを爆発させて、うなずく。
「はい! ぜひ!」
勇者はミスなどしない。
だから、アレは俺のせいじゃない。
「ああ、まったく。イライラする」
俺は路地を歩きながら何度もつぶやいた。今はひとり。だから返事がくるわけはないのだが、それでも愚痴らずにはいられない。
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だが、そんな些細なことにエリスもアリアも含み笑いをしていたことが気に入らない。
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こんなとき、あの能なし野郎がいればちょっとは気晴らしできたのに。
「そうだ。あいつが悪い。俺は勇者で、あいつはスカウトだ。だったら俺が恥をかかないように、あらかじめ準備をしておくものだろうが」
たとえ、追放された後であってもだ。
それこそ勇者パーティだった者の忠義であり義務だろうに。
今からでも連れ戻そうか――と、ふと思い浮かぶ。
「ハッ。何を馬鹿なことを考えている、スカル・フェイス。お前は勇者だろう。ラクターの奴は、あれで正解だったんだよ」
ラクターが俺たちの力になっていたなど、絶対に認めない。
それにしても、いらだちが消えない。酒場から裏路地に出たのは正解だった。人の多い目抜き通りを歩いていたなら、俺の愚痴を聞かれていたかもしれない。勇者たるこの俺が、追放した男の名前を口走るなんて、イメージに関わる。
まったく、いなくなってからも俺をいらだたせやがって。
――ふと、別の路地から人影が出てきた。
みすぼらしい平民服。ガタついた手押しの荷車。さえない中年のおっさんに小娘がひとり。引っ越しか。
ご苦労なこった。俺なら一声かけるだけで何十人も動いてくれるだろうがな。貧乏人は大変だねえ。
まあ、ガキはちょっと見所がありそうだ。薄汚れているが、じゅうぶんにかわいらしい。十年もすれば、そこそこ見れる女になるのではないか。
――奴らと目が合った。
「おい」
俺は思わず、声をかけていた。
「今、俺を見て顔をしかめたな?」
「……」
黙りやがった。おっさんの方は眉間にしわを寄せてる。
ガキに目をやる。すると父親の背中に隠れた。
おい、違うだろ。この街の、この国のガキたちは、俺を尊敬の目で見るべきだ。俺のようになりたいとな。
「なあ、おっさん。名前は?」
「……レオン・シオナードです。勇者スカル」
へえ。
「ちゃんと俺の名前を言えるじゃないか。だがな」
レオンとかいうおっさんの胸ぐらをつかむ。ひょろい。まったく相手にならない男だ。
「俺が勇者だとわかっているなら、それなりの敬意の表し方ってもんがあるんじゃないのか? なんだよ、その苦々しい表情は」
「……僕は、あなたに会いたくなかった。あなたの顔を見るのも嫌だったんだ」
「あ?」
おいおい。おいおいおい。いま、こいつ何を言った?
俺に会いたくなかった?
顔を見るのも嫌だって?
おいおいおいおい、おい!
いや……ふぅ。まあ、落ち着け、俺。
俺は勇者だ。そして今、いつもより気が立っている。
こういうときこそ冷静に、寛容な心で接するのが勇者というものだ。
そうだ。このガキ――いや、かわいらしいお嬢さんなら、その純粋な目で正しく俺を見るに違いない。
俺は優しい声で言った。
「そこの可憐なお嬢さん。君からおっさ――お父上に教えてあげてくれないかい? 勇者スカル・フェイスにどう接するべきか」
「…………ヤ」
俺は首をかしげる。声が小さすぎんだよガキ。
おっさんの背中から顔を出したガキは、俺と目を合わせて、言った。
「わたし、あなたのこと、きらい」
「な……んだ……って?」
「きらい。こわい。イヤなひと」
「ほ……ほう。そうかい」
そうなのかい。ふーん。
ほーぉ。
ふーん……! そうかい、そうかよ!
「!? 勇者スカル、何を!?」
「俺に恥をかかせやがってこのガキッ!!」
聖剣の柄に手をかける。
そのとき。
「おやめなさい!」
凜とした声が路地に響き渡る。
恥をかかされた怒りがそんなもんで収まるハズはない。
……が、俺の勇者としての本能が聖剣を鞘から抜き放つのをためらわせた。
ゆっくりと振り返る。
数歩先に、白いローブをすっぽりと被った女性が立っていた。その隣には、大きな白いオオカミがいる。
あの獣。何より、あの声。間違いない。
「引きなさい、スカル・フェイス。罪もない一般人に剣を向けようとする、それでも勇者ですか」
「イリス……姫様」
フードを目深に被ったままだから、表情は見えない。
強い口調。だがしかし、姫殿下の手は自らのローブをぎゅっとつかみ、その手は震えていた。
怯えている。
俺はなぜか、その御姿を見て心地よく思った。
御下命のとおりレオンを解放し、数歩下がってひざまずく。
勇者として、主張はせねばなるまい。
「失礼いたしました。しかし姫、罪ということであれば、この者こそ『不敬』という罪を犯したのではないでしょうか? あなたもご覧になったでしょう」
「私はそのような罪を見ていません」
「そうですか。ところで、なぜこのようなところに? お忍びであれば、言ってくだされば喜んでお供したのですが」
「あなたには関係ありません」
このわがまま娘め。
イリス姫は大きく息を吸うと、さっきよりも声を張った。
「もうあなたと話すことはありません。下がりなさい」
「この者たちは、俺に恥を――」
「下がりなさい!」
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――かろうじて「失礼しました」と口にしたことは覚えている。
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「あの」
呼吸を整えていたイリスの元に、絡まれていた親娘がやってきた。
「助けていただき、ありがとうございます。あなた様は、本物のイリス姫でいらっしゃいますか?」
「はい、そうです」
疑うことなく素直に答えるところが、イリス・シス・ルマトゥーラが穢れなき白花と呼ばれる所以だった。
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「勇者スカルの言葉ではありませんが……どうしてこのような場所に」
「人を、探しに行きたくて」
「姫様、御自ら? それは、大変でございますね。どなたをお探しなのですか」
深く事情を聞いてこないレオンに、信用が置けるとイリスは感じた。思い切って、たずねる。
「あの、あなたはラクター・パディントンという方をご存じないですか。北東に向かったと耳にしたのですが」
「姫様が、ラクター君を!?」
「ご存じなのですか!?」
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レオンは驚いた表情をしていたが、息を呑んで返答を待つイリス姫を見て、彼は表情を和らげた。
「姫様。どうかローブを被り直してください。そのままでは目立ってしまいます」
「あ……ごめんなさい」
「ラクター君はカリファの聖森林にいます。僕――いえ、私たちはこれからそこへ向かうのですが――共に行かれますか?」
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