17 / 77
第17話 楽園に集う者たち
しおりを挟む
それから俺たちは、レオンさんが待つ新拠点に向かった。
イリス姫も一緒である。
途中、彼女はやたら気合いの入った表情で提案した。
「ラクターさん。こうして連絡を取り合う仲になったのですから、どうか私のことはイリスと呼んでください」
「うーん……」
難色を示すと、途端にイリス姫の表情が曇った。
一国の姫君相手にタメ口をきいている以上、もう十分に無礼を働いている。今更呼び捨てにしてもたいした違いはない――そう思ったが。
「申し訳ない。やっぱり姫は姫だ。そこは一線、引かせて欲しい」
「え……そ、そう、ですか」
そこまでがっかりすることか、と思うほど落ち込むイリス姫。
だから俺は、できるだけ言葉を尽くした。
「姫が嫌いだとか、苦手だとか、そんなことはない。断じて。君は王族として、ひとりの人間として、すごく立派で尊敬できる女の子だと思っている」
「う……!」
「だが同時に、ルマトゥーラ王国の姫であることも君が君でいる証だと思う。俺はそこをないがしろにはできないな」
『こういうのを、人間社会ではクソ真面目と表現するのでしょうか』
うるさいよ人間かぶれの女神様が。
『お願いですから、私のことは引き続きアルマディアとお呼びください。私は女神ですが』
……実は怒っているのか? お前。
ちらりと姫を見る。
彼女の方は怒っているのかどうかわからなかった。――というより、表情が複雑すぎて俺ごときでは判断できない。それ、どんな感情?
頬をかく。とりあえず、言いたいことは言い切るつもりだった。
「それと、これが一番大きな理由だけど……今更、姫と呼ばないのは、こう――逆にしっくりこないんだよ。俺にとっての『姫』は、イリス姫だけだから」
「へぅ……!?」
「イリス姫?」
「あ、そう、なんです、ね。えへ、あは、ははは。それなら仕方ない、です、よね。へへへ」
一国の姫君がへへへなんて笑うもんなのか。
その後もイリス姫はしゃっくりのような不自然な声を出し続けた。さすがに俺でなくても心配になったのか、リーニャが姫の熱を測るようにおでこに手を当てる。
神獣少女はキリリとした顔で報告した。
「いい感じにふやけて食べ頃。食していい? 主様」
「いいわけあるか。ぜったい駄目」
わかりやすくリーニャは落ち込んだ。めんどくさい。
――そうこうしているうちに、レオンさんの新拠点に到着した。
ちょうど建物の中からレオンさんが出てくるところだった。彼の隣で小さな女の子がしがみついている。あの子が娘さんか。
「ただいま戻りましたよ。アン」
イリス姫が優しく語りかけると、女の子は喜色を浮かべて「ひめさま!」と走ってきた。仲良く手を握り合う様は、年の離れた姉妹のようだ。良い。
アンが俺に気づく。
俺はしゃがんで彼女と目線を合わせ、微笑んだ。
「はじめまして。俺はラクター・パディントン。君のお父さんのお友達だ」
「ラクター……おにいちゃん」
うーん、お兄ちゃんか。
確かに今は十九歳の青年だけど、転生前はアラサーのおっさんだったからなあ。生きた年数合計したらアラフィフだし。
「じゃあ今度は、君の名前を教えてくれ」
「えっと、アン・シオナードだよ」
「何歳?」
「六歳!」
「そっか。お父さんとの旅は楽しかったか? 樹がいっぱいあって驚いただろ」
「うん! はじめてみるところで、すごいきれい! あ、でもあんまり動いたらお父さんがしんぱいするから、アン、おとなしくしてたよ」
「そうか。偉いな、アンは」
他愛のない話を続けるうち、いつの間にか俺は『高い高い』でアンと戯れていた。
なんか思い出すなあ。昔、アイツの妹をこんな風にあやしてたっけ。
「ラクターさん、すっかりアンに懐かれましたね」
イリス姫が穏やかに笑っている。
一方、リーニャは二歩ほど距離を取って俺たちをじーっと見つめている。尻尾を身体の前で抱きかかえているのは、あれは防御姿勢だろうか。さっきアンに引っ張られてたからな。そういや、心なしか獣耳もペタンと閉じている。
「リーニャ……その子ちょっと苦手。声が響く……」
「おにいちゃん、おにいちゃん。わんわんリーニャ!」
「リーニャはわんわんではない! ……これは強敵。このままではリーニャ、主様にくっつけない。匂いを嗅げない」
つぶやく神獣少女を、イリス姫が衝撃の表情で見ていた。「リーニャさん、詳しく」と聞きに行っていた。いや何を。
――ひとしきり騒いだ後、俺たちは建物の中に入った。
王都から持ち込んだ荷物のおかげか、がらんとしていた室内の印象はだいぶ変わっていた。
「散らかっていて申し訳ない……」
「いや、まあ俺は気にしないよ」
部屋の隅に乱雑に積まれた諸々を見て、片付けが苦手なんだろうなと思った。少々、親近感が湧く。
今後は、レオンさんとアンのふたりで暮らしていくらしい。母親はしばらく前に他界してしまったそうだ。
「おにいちゃんも、いっしょにここで暮らそうよ!」
アンがずいぶん熱心に誘ってくれたが、俺はやんわりと断った。寝床は別にある。リーニャがむくれそうだし。
その代わり、ちょくちょく遊びに来るからと約束して、しぶしぶ納得してもらった。
「ラクター君。おかげさまで娘にとって良い環境を整えることができました。僕はここで研究を続けます。改めて、ありがとうございます」
「シオナード研究所のめでたい門出、って奴かな。応援してるよ」
握手を交わす。
イリス姫も手を差し出す。
「私も力になります。ここまで送ってくださったのですから。何かあれば、声をかけてください」
「畏れ多いことでございます」
恐縮しきりで、レオンさんは姫と握手した。ついでに姫とアンも仲良く手を繋いでいた。
『一生懸命に生きる者たちの楽園が、またひとつ――ですね』
「ああ。そうだな」
アルマディアの言葉に満足してうなずきながら、俺は自分の信念をあらためて自覚した。
一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。
そのために、【楽園創造者】としての力を使おう、と。
◆◇◆
ラクターさんの見送りを受け、私は街道に出た。
彼はしばらくカリファ聖森林で暮らしたいと言っていた。王都に戻るつもりはないようだ。無理もないよね、と思う。
私はパテルルの背中に乗りながら、しばらくの間、森の方を見つめていた。
「ラクターさん……」
彼の名前をつぶやき、首筋がこそばゆくなる。
――勇気を出して、彼に会いに行って良かった。
やっぱり、ラクターさんはラクターさんだった。
彼にかけられた言葉のひとつひとつを思い出すたび、私の胸が熱くなる。
私は、イリス・シス・ルマトゥーラ。
ルマトゥーラ王国の姫として、できることをしよう。
たとえ、彼と毎日会うことができないとしても。
「あなたがいれば、お話はできるものね」
森でテイムした白い鳥――ヴォカロと名付けた子を肩に乗せ、私は王城への道を行く。
さすがに街の正面入り口から入るわけにはいかないので、城壁を越えられるところまで移動する。いつもごめんなさい、パテルル。
そのとき。
遠く地平の先で、何か黒く小さなものがいくつも飛び立つのを見た。
「鳥……?」
カリファ聖森林に、動物たちの姿が少なかったことを思い出す。
「悪い前兆でなければいいけれど」
ラクターさんやレオンさん一家の無事を祈りながら、私は王都へ帰還した。
イリス姫も一緒である。
途中、彼女はやたら気合いの入った表情で提案した。
「ラクターさん。こうして連絡を取り合う仲になったのですから、どうか私のことはイリスと呼んでください」
「うーん……」
難色を示すと、途端にイリス姫の表情が曇った。
一国の姫君相手にタメ口をきいている以上、もう十分に無礼を働いている。今更呼び捨てにしてもたいした違いはない――そう思ったが。
「申し訳ない。やっぱり姫は姫だ。そこは一線、引かせて欲しい」
「え……そ、そう、ですか」
そこまでがっかりすることか、と思うほど落ち込むイリス姫。
だから俺は、できるだけ言葉を尽くした。
「姫が嫌いだとか、苦手だとか、そんなことはない。断じて。君は王族として、ひとりの人間として、すごく立派で尊敬できる女の子だと思っている」
「う……!」
「だが同時に、ルマトゥーラ王国の姫であることも君が君でいる証だと思う。俺はそこをないがしろにはできないな」
『こういうのを、人間社会ではクソ真面目と表現するのでしょうか』
うるさいよ人間かぶれの女神様が。
『お願いですから、私のことは引き続きアルマディアとお呼びください。私は女神ですが』
……実は怒っているのか? お前。
ちらりと姫を見る。
彼女の方は怒っているのかどうかわからなかった。――というより、表情が複雑すぎて俺ごときでは判断できない。それ、どんな感情?
頬をかく。とりあえず、言いたいことは言い切るつもりだった。
「それと、これが一番大きな理由だけど……今更、姫と呼ばないのは、こう――逆にしっくりこないんだよ。俺にとっての『姫』は、イリス姫だけだから」
「へぅ……!?」
「イリス姫?」
「あ、そう、なんです、ね。えへ、あは、ははは。それなら仕方ない、です、よね。へへへ」
一国の姫君がへへへなんて笑うもんなのか。
その後もイリス姫はしゃっくりのような不自然な声を出し続けた。さすがに俺でなくても心配になったのか、リーニャが姫の熱を測るようにおでこに手を当てる。
神獣少女はキリリとした顔で報告した。
「いい感じにふやけて食べ頃。食していい? 主様」
「いいわけあるか。ぜったい駄目」
わかりやすくリーニャは落ち込んだ。めんどくさい。
――そうこうしているうちに、レオンさんの新拠点に到着した。
ちょうど建物の中からレオンさんが出てくるところだった。彼の隣で小さな女の子がしがみついている。あの子が娘さんか。
「ただいま戻りましたよ。アン」
イリス姫が優しく語りかけると、女の子は喜色を浮かべて「ひめさま!」と走ってきた。仲良く手を握り合う様は、年の離れた姉妹のようだ。良い。
アンが俺に気づく。
俺はしゃがんで彼女と目線を合わせ、微笑んだ。
「はじめまして。俺はラクター・パディントン。君のお父さんのお友達だ」
「ラクター……おにいちゃん」
うーん、お兄ちゃんか。
確かに今は十九歳の青年だけど、転生前はアラサーのおっさんだったからなあ。生きた年数合計したらアラフィフだし。
「じゃあ今度は、君の名前を教えてくれ」
「えっと、アン・シオナードだよ」
「何歳?」
「六歳!」
「そっか。お父さんとの旅は楽しかったか? 樹がいっぱいあって驚いただろ」
「うん! はじめてみるところで、すごいきれい! あ、でもあんまり動いたらお父さんがしんぱいするから、アン、おとなしくしてたよ」
「そうか。偉いな、アンは」
他愛のない話を続けるうち、いつの間にか俺は『高い高い』でアンと戯れていた。
なんか思い出すなあ。昔、アイツの妹をこんな風にあやしてたっけ。
「ラクターさん、すっかりアンに懐かれましたね」
イリス姫が穏やかに笑っている。
一方、リーニャは二歩ほど距離を取って俺たちをじーっと見つめている。尻尾を身体の前で抱きかかえているのは、あれは防御姿勢だろうか。さっきアンに引っ張られてたからな。そういや、心なしか獣耳もペタンと閉じている。
「リーニャ……その子ちょっと苦手。声が響く……」
「おにいちゃん、おにいちゃん。わんわんリーニャ!」
「リーニャはわんわんではない! ……これは強敵。このままではリーニャ、主様にくっつけない。匂いを嗅げない」
つぶやく神獣少女を、イリス姫が衝撃の表情で見ていた。「リーニャさん、詳しく」と聞きに行っていた。いや何を。
――ひとしきり騒いだ後、俺たちは建物の中に入った。
王都から持ち込んだ荷物のおかげか、がらんとしていた室内の印象はだいぶ変わっていた。
「散らかっていて申し訳ない……」
「いや、まあ俺は気にしないよ」
部屋の隅に乱雑に積まれた諸々を見て、片付けが苦手なんだろうなと思った。少々、親近感が湧く。
今後は、レオンさんとアンのふたりで暮らしていくらしい。母親はしばらく前に他界してしまったそうだ。
「おにいちゃんも、いっしょにここで暮らそうよ!」
アンがずいぶん熱心に誘ってくれたが、俺はやんわりと断った。寝床は別にある。リーニャがむくれそうだし。
その代わり、ちょくちょく遊びに来るからと約束して、しぶしぶ納得してもらった。
「ラクター君。おかげさまで娘にとって良い環境を整えることができました。僕はここで研究を続けます。改めて、ありがとうございます」
「シオナード研究所のめでたい門出、って奴かな。応援してるよ」
握手を交わす。
イリス姫も手を差し出す。
「私も力になります。ここまで送ってくださったのですから。何かあれば、声をかけてください」
「畏れ多いことでございます」
恐縮しきりで、レオンさんは姫と握手した。ついでに姫とアンも仲良く手を繋いでいた。
『一生懸命に生きる者たちの楽園が、またひとつ――ですね』
「ああ。そうだな」
アルマディアの言葉に満足してうなずきながら、俺は自分の信念をあらためて自覚した。
一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。
そのために、【楽園創造者】としての力を使おう、と。
◆◇◆
ラクターさんの見送りを受け、私は街道に出た。
彼はしばらくカリファ聖森林で暮らしたいと言っていた。王都に戻るつもりはないようだ。無理もないよね、と思う。
私はパテルルの背中に乗りながら、しばらくの間、森の方を見つめていた。
「ラクターさん……」
彼の名前をつぶやき、首筋がこそばゆくなる。
――勇気を出して、彼に会いに行って良かった。
やっぱり、ラクターさんはラクターさんだった。
彼にかけられた言葉のひとつひとつを思い出すたび、私の胸が熱くなる。
私は、イリス・シス・ルマトゥーラ。
ルマトゥーラ王国の姫として、できることをしよう。
たとえ、彼と毎日会うことができないとしても。
「あなたがいれば、お話はできるものね」
森でテイムした白い鳥――ヴォカロと名付けた子を肩に乗せ、私は王城への道を行く。
さすがに街の正面入り口から入るわけにはいかないので、城壁を越えられるところまで移動する。いつもごめんなさい、パテルル。
そのとき。
遠く地平の先で、何か黒く小さなものがいくつも飛び立つのを見た。
「鳥……?」
カリファ聖森林に、動物たちの姿が少なかったことを思い出す。
「悪い前兆でなければいいけれど」
ラクターさんやレオンさん一家の無事を祈りながら、私は王都へ帰還した。
3
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
最強付与術師の成長革命 追放元パーティから魔力回収して自由に暮らします。え、勇者降ろされた? 知らんがな
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
旧題:最強付与術師の成長革命~レベルの無い世界で俺だけレベルアップ!あ、追放元パーティーから魔力回収しますね?え?勇者降ろされた?知らんがな
・成長チート特盛の追放ざまぁファンタジー!
【ファンタジー小説大賞の投票お待ちしております!】
付与術のアレンはある日「お前だけ成長が遅い」と追放されてしまう。
だが、仲間たちが成長していたのは、ほかならぬアレンのおかげだったことに、まだ誰も気づいていない。
なんとアレンの付与術は世界で唯一の《永久持続バフ》だったのだ!
《永久持続バフ》によってステータス強化付与がスタックすることに気づいたアレンは、それを利用して無限の魔力を手に入れる。
そして莫大な魔力を利用して、付与術を研究したアレンは【レベル付与】の能力に目覚める!
ステータス無限付与とレベルシステムによる最強チートの組み合わせで、アレンは無制限に強くなり、規格外の存在に成り上がる!
一方でアレンを追放したナメップは、大事な勇者就任式典でへまをして、王様に大恥をかかせてしまう大失態!
彼はアレンの能力を無能だと決めつけ、なにも努力しないで戦いを舐めきっていた。
アレンの努力が報われる一方で、ナメップはそのツケを払わされるはめになる。
アレンを追放したことによってすべてを失った元パーティは、次第に空中分解していくことになる。
カクヨムにも掲載
なろう
日間2位
月間6位
なろうブクマ6500
カクヨム3000
★最強付与術師の成長革命~レベルの概念が無い世界で俺だけレベルが上がります。知らずに永久バフ掛けてたけど、魔力が必要になったので追放した元パーティーから回収しますね。えっ?勇者降ろされた?知らんがな…
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる