柳内警備保障秘書課別室

JUN

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見たくなかった(2)恋愛相談

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 悠花と雅美は、一緒に近所のコンビニでお弁当を買って来て、部屋で2人で食べながら話をしていた。
「どうも、私、振られるみたいです」
 悠花はあははと笑いながら言ったが、その空元気が余計に悲しい。
「どうして――あ、親友の子が?」
 訊いてはいけない事だったかと、声に出してから気付いてはっとした。
「ううんと、親友の英梨は大人しくて優しくて、凄くいい子なんです。それから栗原君も、優しいしよく気が付くし、すごくいい人なんです」
 悠花は言い、小さく笑った。
「2人共、気が付くとお互いを見てるんですよね。それで、慌てて目をそらしたり、私に話しかけたりして、私にすごく気を使うんです」
 雅美は困ったように、小さく頷いて言った。
「それは……居たたまれないわね」
「はい。2人共自分からは絶対に言い出さないと思うんですよ。
 でも、私、気付いちゃったし……」
 2人はどうしたものかと考えた。
「私、栗原君の事は高校時代から好きだったから、とても嬉しかったのに」
 ポタリ、と水滴が落ちる音がして、雅美はそちらを見ないようにした。
「何で気付いちゃったんだろう」
「悠花ちゃん……」
 雅美は泣きながら、お弁当を食べた。

 社内にはジムがあり、社員は無料で使用できる。体を鍛える事は、仕事の一環でもあるからだ。
 その中には近接戦闘のできる一角もあり、湊や雅美はここの常連だが、今日は珍しく悠花と涼真も来た。
「バランスに気を付けて」
 ミットを構えた雅美が声をかけ、悠花は一生懸命に、パンチやキックを繰り出している。
 それを、涼真がチラチラと見ながら、湊に話しかけていた。
「悠花さん、張り切ってるけど大丈夫かな」
「明日は筋肉痛だろうな」
「そっちの心配じゃなくて!」
「プライベートに、おいそれと踏み込むのもな」
 あっさりと言う湊に、涼真はやや不満げな顔をする。
「そりゃ、そうだけど」
「雅美さんに取り敢えずは任せとけよ。何かあれば言って来るだろ」
「冷たいなあ」
「女の悩みになんて、お前乗れるのか?」
 それで涼真は黙り、2人で黙々とトレーニングをこなした。
「はああ、もうだめぇ」
 運動不足な悠花は、完全にグロッキー状態で転がったが、その割には清々しい顔付きをしている。
「おお、お疲れ様」
「はあ、運動不足を実感したわぁ」
 悠花は苦笑を浮かべ、座り込んだ。
 その後、雅美と湊が実戦さながらに何でもありの試合を始め、涼真と悠花は、それをぼんやりと見ていた。
「その、大丈夫?」
 恐る恐る涼真が訊く。
「うん。ありがとう。皆にも気を使わせちゃったわね。ごめんね。
 でも、決めたわ。決めたらスッキリした!これでいいわ」
「そう。よくわからないけど、何かあったら力になるよ」
 それに悠花は、にっこりとした。

 そして悠花は家へ帰ると、電話を2件かけた。




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