恋の迷路

にゃんこ

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気づいた想い

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颯斗の多忙で紗季子は会えない夏を終えようとしていた、会えない間にも声だけは聞けてはいたが、会えない不安と寂しさで紗季子と颯斗は些細な言い合いも多くなり、その度に大輝と大地、特に大輝に慰められていた。


たまに、哲也も来ることも多く私は哲也とも仲良く話せるようになっていた。

紗季子が大輝に相談し慰められている間、そんな大輝を見たくないというよりも、楽しそうに話す、大地と哲也との間にいるのが心地よく思い始めていた。



哲也も会う様になってからの何度目かで、大輝に視線向けることも少なくなっていって、大地と哲也と話すのが楽しくて大地を見ることが多くなっていった。

大地は、変わらず優しく楽しく話してはくれていたが、たまに違和感を感じながらも話していた。


颯人のいない、大輝と大地と颯人で会うことも衆くなり、寂しそうな表情をたまに見せる紗季子だったが、一度だけ大樹の胸で泣いた位でその後は泣く事はなかった。

「颯人ってキス上手いよね?紗季子ちゃんはどう思ってるの?」

大樹が男同士雑談していたかと思ったら、紗季子と私が話していると問いかけてきた。


「えっ!?…うん、上手いって思うよ」

照れながらも紗季子は答えを返した。
突然そんな事を彼氏の親友に問われたら、照れるなと思いながら私は困り顔で笑って聞いていた。


「大ちゃんが一番上手いだろ!でも、俺はテツとするのがいいけどな」


「「えっ?えっ!?」」

私と紗季子は3人の顔を見回し困惑し声を同時にあげていた。

「紗季子ちゃんと茉莉子ちゃんはした事ないの?」

大樹に再度問いかけられて、紗季子と私は顔を見合わせて、頷き合い微笑し紗季子が答えた。

「あるよ」

紗季子と大樹と私の3人で話している間に、大地は哲也を引き寄せ口づけたかと思うと舌まで絡め深くキスしていた。

「……あそこまでのはしてないよ?」

紗季子は大地と哲也の様子を眺め苦笑い浮かべて話して、私も紗季子に同意して頷いていた。

「おふざけと練習って俺らはしてたよ」

大樹が平然と答えると、大地が大樹も紗季子か私としたらいいだろうとからかうように笑って言ってきた。

「するわけないだろ!紗季子ちゃんは颯人の彼女だし、俺は好きな子がいる時には断ってるよな!」

大樹の返答に紗季子と私は、顔を見合わせ軽々しくするものではないだろうと困り顔を浮かべていた。

「大ちゃんが断るから、テツがいいんだよな!」

「俺も断ってるんだけど……」

哲也の否定の言葉は大地の口づけによって遮られた。

「えっ?2人ってそういう関係だったの??」

紗季子が驚いて見ながらも、キス続ける大地と哲也を見ながらも大樹に尋ねた。

大樹が答えるよりも早く、哲也が大地を押しのけ離し答えた。


「違うっ!俺は女の子が好きだから!!」


「大地くんは?」

紗季子は大地に視線を向け尋ねた。

「女の子が好きだよ、でも今はテツとするのが一番好きなだよな!」

紗季子が何それと、笑っていたが…。
私は大地の恋愛対象が異性だと聞いてホッとしていた…、ホッとした?って何??って思ったけど、大樹に対する気持ちはイケメンに対する憧れで、好きなのは大地だと自覚をした。

恋して傷つきたくないし、今の関係も壊したくないから、告げようとは思わなかった。
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