転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢！？

第１幕

プロローグ

薄っすら見える視界の天井、寝返りも打てない体に…。
いつまで、この状態が続くのかと思って諦めの感情を抱いていた。

「起きたな、相変わらず泣きもしなく可愛いな」

軽々と抱きかかえられて、見た目華奢に見える見覚えのない男に眉しかめると、不機嫌な顔まで可愛いと頬ずりされ思わず蹴ろうとするも想像以上に短い足に青ざめ狼狽え周りを見回す。

「いきなり、抱くから驚いてるのよ。こっちにいらっしゃいカイン」

天使の様な微笑みがピッタリな女性に思わず見惚れる様に抱かれ。
…何故、こんなに腕が細くひ弱な女性に軽々と抱かれるているのかと先程の短くもひ弱な蹴りを思い出し、状況を聞こうかと声に出し問おうとした。

声は会話にならなく、「あー」としか音に出せずに悔しくも天使のごとく…いや女神と言い換えるべき微笑みの女性の微笑みと優しい手で抱かれ心地良く短い手足で抱きつき、少しでも状況を把握しようと思考した。

女神の女性、先程の男は…よくよくみると適度なイケメンではあり、部屋の扉付近には数人のメイド服の女性がいてリアルメイド服！？とテンションがあがったのは内密にしたい。



落ち着いてから、女神の女性が母で適度なイケメンが父だと把握し…。
女神の母が適度なイケメン…この女神の女性ならもっと良い人がとは思ったが、外見ではなく内面が良ければいいかと思いながらも、適度なイケメンが女神の母を裏切るなら容赦しないと心に決めた。

女神の母はシーズー・ファーロング。適度なイケメンもとい父はアルホォンス・ファーロングだと知り。

転生して赤子からの人生やり直しの私はカイン・ファーロングでこの二人の第一嫡男だと理解した…。
ここ、重要だ！嫡男、男として転生して前世の記憶を持って生まれた。



前世は、成人後は波乱万丈の人生とまではいかないが、苦労はしつつ人生後半は苦労し過ぎのせいもあり一人では体も動かせなくもなり…気づくと今にいたる。

状況を把握しつつ、女神の母シーズーを幸せのために出来る限りの事はしようと心に決めた。





転生して前世の記憶があろうと、性別までも変わっていようと
「女、子供には優しく！」と前世に教育してきた立場としては現状を把握し強くなり、守るべき大切な家族を守れる様に強くあるべきと、出来る限りの事は全力で学び日々精進を心に決めた。