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第3幕
本物と偽物
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噂は合ったが、蛇との遭遇もなくカインは過ごしていた。
そんなある日、最近蛇を模した悪戯が多発していた事もあり。人も多い中庭だったのもあり、いつもと同様に頭上から落ちてきたので悪戯かと思っていると、蛇を模した物の中に本物も混じっていた。
偽物と混じっていた為にすぐに気づけなかった。
本物に気づいたカインは慌て人が多い為、魔法での攻撃も出来ずに、中庭でディアンナを待っていた為、移動する事も出来ず警戒していたが、魔力感知の出来ない普通の蛇に足元に絡みつかれ、声にならない程に狼狽え足元に絡みつく感触に足目がけて燃やしてしまおうと自らの足に火魔法を放った。
足に火傷を負いながらも、追い払う為にはと消すこともなく火魔法で焼き続けた。
人が多い中庭で、そんな行動をするのもあり。蛇の遭遇とカインの異常ともとれる行動に周囲は騒ぎ始めていた。
アベルやグレン、ディアンナがくる前に、一部始終見ていた人物に助けられる様にカインをその場から離す事にした。
一緒にいた連れに、カインを連れて保健室に行くと伝言を頼み。
「苦手だから、見えないからか自ら足に火魔法はやり過ぎだろう。その眼は余にも原因がある。アンがお主の眼を返す事はないゆえ。アンがカインの眼を欲する理由は理解しておる。本来のお主の眼でなく他人の眼でも見えるなら欲するか?」
保健室に連れて来られ、足の治療をされあの場から助けてくれたアルフレッドがカインに尋ねた。
「助けていただき感謝いたします…」
「畏まらずともよい。普通に話せ」
「わかった。足と一緒に燃やしてしまおうとしたことに後悔はないが、あの場にいた他の人は驚かせてしまったと思う。質問の答えだが、他者の眼が欲しいかだったな?私に譲ればその者が見えなくなるからいらない」
「優しいのだな。余に任せろ、譲る者が見えなくなる事がなければ貰い受けるのだな?」
カインを心配し、アベル、グレン、ディアンナ、伝言を頼んだアンジェリカが保健室へと入ってきた。
「ちょうどよい。カインには同意を貰った。アンはカインの瞳は今も持っているのであろう?」
事前に話し合っていたのか、アンジェリカは戸惑いながらも差し出した。
カインは何をするつもりなのかと、話を聞き大人しくしていた。
アルフレッドは、連れられ入ってきた3人にも関係がある為話し、了承を得ようとした。
「カインの眼が見えるなら多少のリスクは背負ってもよいか?」
「僕達が背負うリスクとは?」
「カインがお主の側近になるのであろう?他国に話せない機密事項の共有、もちろんそれは余も同じゆえ、魔族の王として約束をしよう。カインが守りたいと願う国と魔族の住む国を友好国とし、けっして裏切りはせぬ。よいか?」
「どういう事??」
グレンは突然話に首を傾げていた。ディアンナも話の大きさに首を傾げた。
「簡単に説明すると、アンがカインの眼に焦がれ恋慕しておるゆえ、返す事は出来ない。余の眼をカインに譲り、カインの眼を余が譲り受けるよいか?」
魔力の多い者同士の体の一部交換での共有の事だと理解し、アベルはカインが望むならと返し同意をした。
「ディアンナはどうだ?流石に、アンやディアンナが関係する睦事は互いに共有しないと約束をする。ディアンナお主はカインの瞳が魔族にしか現れぬ金色でもよいか?」
「交換で瞳の色は遺伝しますか?」
「わからぬ。魔族は魔力量で瞳の色が変わる。瞳がどこまでカインに馴染み遺伝するのかはわからぬとしか言えん」
ディアンナはカインが望むならと同意をした。
「質問していい?」
グレンがアルフレッドに向い疑問投げかけた。質問を許可され。
「リスクを背負ってまで、瞳交換じゃなくて、普通に返してくれたらいいんじゃないか?」
「それは先程も伝えたが、アンがカインの瞳に恋慕しておる。返してカインの瞳に焦がれられるのは余は好まん。リスク背負ってもアンに慕われるのは全て余でなくては嫉妬で狂いそうじゃ」
「金色の瞳が魔族しか持たないのに?魔族にとったら瞳の色は魔力の強さの象徴なんだろ?」
「かまわぬ。アンが望むなら余は出来る限りの事はする。王宮の上層部の説得に時間かかったが問題はない」
グレンは話しを聞き、魔王アルフレッドもカイン同様に婚約者への愛が重すぎだなと把握した。
「他は異論はないようだな?すぐにと言いたいが、途中で邪魔されたくない、良き場所はアベルに任せてもよいか?頼んだぞ」
アルフレッドとアンジェリカは保健室を後にした。
カインはディアンナの手を取り握りしめた。
「ディアは本当にいいのか?私はディアをもう一度見つめられるならどんなリスクでもかまわない」
グレンは今にも抱き寄せ抱きしめようとしているカインから、ディアンナの手を離させた。
「カインの眼は解決するとして、ここ数日間のカインへの嫌がらせなんだけど」
異常な程多かった為、グレンは調べていた事を話し始めた。
そんなある日、最近蛇を模した悪戯が多発していた事もあり。人も多い中庭だったのもあり、いつもと同様に頭上から落ちてきたので悪戯かと思っていると、蛇を模した物の中に本物も混じっていた。
偽物と混じっていた為にすぐに気づけなかった。
本物に気づいたカインは慌て人が多い為、魔法での攻撃も出来ずに、中庭でディアンナを待っていた為、移動する事も出来ず警戒していたが、魔力感知の出来ない普通の蛇に足元に絡みつかれ、声にならない程に狼狽え足元に絡みつく感触に足目がけて燃やしてしまおうと自らの足に火魔法を放った。
足に火傷を負いながらも、追い払う為にはと消すこともなく火魔法で焼き続けた。
人が多い中庭で、そんな行動をするのもあり。蛇の遭遇とカインの異常ともとれる行動に周囲は騒ぎ始めていた。
アベルやグレン、ディアンナがくる前に、一部始終見ていた人物に助けられる様にカインをその場から離す事にした。
一緒にいた連れに、カインを連れて保健室に行くと伝言を頼み。
「苦手だから、見えないからか自ら足に火魔法はやり過ぎだろう。その眼は余にも原因がある。アンがお主の眼を返す事はないゆえ。アンがカインの眼を欲する理由は理解しておる。本来のお主の眼でなく他人の眼でも見えるなら欲するか?」
保健室に連れて来られ、足の治療をされあの場から助けてくれたアルフレッドがカインに尋ねた。
「助けていただき感謝いたします…」
「畏まらずともよい。普通に話せ」
「わかった。足と一緒に燃やしてしまおうとしたことに後悔はないが、あの場にいた他の人は驚かせてしまったと思う。質問の答えだが、他者の眼が欲しいかだったな?私に譲ればその者が見えなくなるからいらない」
「優しいのだな。余に任せろ、譲る者が見えなくなる事がなければ貰い受けるのだな?」
カインを心配し、アベル、グレン、ディアンナ、伝言を頼んだアンジェリカが保健室へと入ってきた。
「ちょうどよい。カインには同意を貰った。アンはカインの瞳は今も持っているのであろう?」
事前に話し合っていたのか、アンジェリカは戸惑いながらも差し出した。
カインは何をするつもりなのかと、話を聞き大人しくしていた。
アルフレッドは、連れられ入ってきた3人にも関係がある為話し、了承を得ようとした。
「カインの眼が見えるなら多少のリスクは背負ってもよいか?」
「僕達が背負うリスクとは?」
「カインがお主の側近になるのであろう?他国に話せない機密事項の共有、もちろんそれは余も同じゆえ、魔族の王として約束をしよう。カインが守りたいと願う国と魔族の住む国を友好国とし、けっして裏切りはせぬ。よいか?」
「どういう事??」
グレンは突然話に首を傾げていた。ディアンナも話の大きさに首を傾げた。
「簡単に説明すると、アンがカインの眼に焦がれ恋慕しておるゆえ、返す事は出来ない。余の眼をカインに譲り、カインの眼を余が譲り受けるよいか?」
魔力の多い者同士の体の一部交換での共有の事だと理解し、アベルはカインが望むならと返し同意をした。
「ディアンナはどうだ?流石に、アンやディアンナが関係する睦事は互いに共有しないと約束をする。ディアンナお主はカインの瞳が魔族にしか現れぬ金色でもよいか?」
「交換で瞳の色は遺伝しますか?」
「わからぬ。魔族は魔力量で瞳の色が変わる。瞳がどこまでカインに馴染み遺伝するのかはわからぬとしか言えん」
ディアンナはカインが望むならと同意をした。
「質問していい?」
グレンがアルフレッドに向い疑問投げかけた。質問を許可され。
「リスクを背負ってまで、瞳交換じゃなくて、普通に返してくれたらいいんじゃないか?」
「それは先程も伝えたが、アンがカインの瞳に恋慕しておる。返してカインの瞳に焦がれられるのは余は好まん。リスク背負ってもアンに慕われるのは全て余でなくては嫉妬で狂いそうじゃ」
「金色の瞳が魔族しか持たないのに?魔族にとったら瞳の色は魔力の強さの象徴なんだろ?」
「かまわぬ。アンが望むなら余は出来る限りの事はする。王宮の上層部の説得に時間かかったが問題はない」
グレンは話しを聞き、魔王アルフレッドもカイン同様に婚約者への愛が重すぎだなと把握した。
「他は異論はないようだな?すぐにと言いたいが、途中で邪魔されたくない、良き場所はアベルに任せてもよいか?頼んだぞ」
アルフレッドとアンジェリカは保健室を後にした。
カインはディアンナの手を取り握りしめた。
「ディアは本当にいいのか?私はディアをもう一度見つめられるならどんなリスクでもかまわない」
グレンは今にも抱き寄せ抱きしめようとしているカインから、ディアンナの手を離させた。
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異常な程多かった為、グレンは調べていた事を話し始めた。
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