転生したら性別変わっていたから、男装したのに何故か婚約者が出来た?

にゃんこ

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城下散策

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城下散策当日

アレクサンドリアは学園入学の少し前からしなくなっていた久しぶりの男装で愛くるしい令嬢のエスコートに浮かれていた。

イリーエは変わらずアレクサンドリアの男装姿に関心をし、アマリアとスザンヌはアレクサンドリアの男装姿に驚いていた。

城下散策といっても、目的もなく城下の様子をあてもなく見て回る事になった。
その間、アレクサンドリアは3人に男装時にはアレクと呼んで欲しいと伝えて3人のエスコートをしながら散策をした。


散策中にアマリアの名を呼ぶ声が聞こえて4人が振り返ると、王太子、王太子護衛、相談役子息が1人の令嬢といた。

令息達は、婚約者に向かって男装のアレクサンドリアは誰だと不満な表情隠さずに尋ねた。

「……終わりだわ。断罪される悪役令嬢なんて嫌だわ」

アレクサンドリアは隣にいたアマリアの小さな呟きが聞こえてきて、異世界転生あるある?な悪役令嬢ありのヒロインなのかと思い、アマリアに大丈夫だと肩を叩き目の前にいるミア・キサラギを見てニッコリと笑みを浮かべた。

「俺はアレクと申します。貴殿方は他の婚約者がいるのに他の女性と懇意にしてもいいのですか?」

アレクサンドリアの言葉に相談役子息が睨みつけて言い返してきた。

「それはお前もじゃないか?」

「俺ですか?俺の婚約者は俺の行動に意味があると黙認してくれるので大丈夫です。ご心配には及びません…ですが、皆さんの婚約者はご理解されてるんですか?」

3人の子息は言葉に詰り黙り込んでいた。
アレクサンドリアは友人令嬢の為にと思い、更にニッコリと笑みを浮かべた。

「令嬢、婚約者にご理解をいただいていない子息はやめて俺にしませんか?……俺では不服でしょうか?」

アレクサンドリアは礼儀正しくミア・キサラギの前に手を差し出した。

「えっ、あの…でも?」

「困惑される姿も可愛いらしいですね。俺に令嬢の隣を歩く許可をいただけませんか?」

狼狽えるミア・キサラギに子息達は何か憑き物が落ちたかのように婚約者達の元へと歩み戻って行った。


「子息達は用事がある様ですから、俺がエスコートします。お手をどうぞ?」

アレクサンドリアはそう言い、困惑するアマリア達3人にウインクをして任せろと合図を送った。
イリーエはアレクサンドリアの男装を以前から知っていて性格も他の2人よりも知りえた為、2人を促すように頷いてその場を後にした。

「あの、でも…いいんですか?」

困惑するミア・キサラギにアレクサンドリアはニッコリと笑みを浮かべた。

「大丈夫ですよ。あの令嬢達は俺の婚約者じゃないので。貴方には俺では役不足かもしれませんがエスコートさせていただきたいのですが?」

「えっ、と…はい。アレク、様でしたっけ?」

「はい、アレクです。他の婚約者のいる子息には令嬢が悲しみますから、俺をお呼びください。俺の婚約者は理解あるので説明したら問題はありませんから」

こうして、アレクサンドリアは他の令嬢の為に行動する事を決めた。

男装出来る理由が欲しかったとか、
異世界召喚のミア・キサラギの黒髪、黒目が懐かしく好みだったから、
なんて理由は伝えなくても婚約者ユリウスには把握されていた。
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