4 / 27
1
城下散策
しおりを挟む
城下散策当日
アレクサンドリアは学園入学の少し前からしなくなっていた久しぶりの男装で愛くるしい令嬢のエスコートに浮かれていた。
イリーエは変わらずアレクサンドリアの男装姿に関心をし、アマリアとスザンヌはアレクサンドリアの男装姿に驚いていた。
城下散策といっても、目的もなく城下の様子をあてもなく見て回る事になった。
その間、アレクサンドリアは3人に男装時にはアレクと呼んで欲しいと伝えて3人のエスコートをしながら散策をした。
散策中にアマリアの名を呼ぶ声が聞こえて4人が振り返ると、王太子、王太子護衛、相談役子息が1人の令嬢といた。
令息達は、婚約者に向かって男装のアレクサンドリアは誰だと不満な表情隠さずに尋ねた。
「……終わりだわ。断罪される悪役令嬢なんて嫌だわ」
アレクサンドリアは隣にいたアマリアの小さな呟きが聞こえてきて、異世界転生あるある?な悪役令嬢ありのヒロインなのかと思い、アマリアに大丈夫だと肩を叩き目の前にいるミア・キサラギを見てニッコリと笑みを浮かべた。
「俺はアレクと申します。貴殿方は他の婚約者がいるのに他の女性と懇意にしてもいいのですか?」
アレクサンドリアの言葉に相談役子息が睨みつけて言い返してきた。
「それはお前もじゃないか?」
「俺ですか?俺の婚約者は俺の行動に意味があると黙認してくれるので大丈夫です。ご心配には及びません…ですが、皆さんの婚約者はご理解されてるんですか?」
3人の子息は言葉に詰り黙り込んでいた。
アレクサンドリアは友人令嬢の為にと思い、更にニッコリと笑みを浮かべた。
「令嬢、婚約者にご理解をいただいていない子息はやめて俺にしませんか?……俺では不服でしょうか?」
アレクサンドリアは礼儀正しくミア・キサラギの前に手を差し出した。
「えっ、あの…でも?」
「困惑される姿も可愛いらしいですね。俺に令嬢の隣を歩く許可をいただけませんか?」
狼狽えるミア・キサラギに子息達は何か憑き物が落ちたかのように婚約者達の元へと歩み戻って行った。
「子息達は用事がある様ですから、俺がエスコートします。お手をどうぞ?」
アレクサンドリアはそう言い、困惑するアマリア達3人にウインクをして任せろと合図を送った。
イリーエはアレクサンドリアの男装を以前から知っていて性格も他の2人よりも知りえた為、2人を促すように頷いてその場を後にした。
「あの、でも…いいんですか?」
困惑するミア・キサラギにアレクサンドリアはニッコリと笑みを浮かべた。
「大丈夫ですよ。あの令嬢達は俺の婚約者じゃないので。貴方には俺では役不足かもしれませんがエスコートさせていただきたいのですが?」
「えっ、と…はい。アレク、様でしたっけ?」
「はい、アレクです。他の婚約者のいる子息には令嬢が悲しみますから、俺をお呼びください。俺の婚約者は理解あるので説明したら問題はありませんから」
こうして、アレクサンドリアは他の令嬢の為に行動する事を決めた。
男装出来る理由が欲しかったとか、
異世界召喚のミア・キサラギの黒髪、黒目が懐かしく好みだったから、
なんて理由は伝えなくても婚約者ユリウスには把握されていた。
アレクサンドリアは学園入学の少し前からしなくなっていた久しぶりの男装で愛くるしい令嬢のエスコートに浮かれていた。
イリーエは変わらずアレクサンドリアの男装姿に関心をし、アマリアとスザンヌはアレクサンドリアの男装姿に驚いていた。
城下散策といっても、目的もなく城下の様子をあてもなく見て回る事になった。
その間、アレクサンドリアは3人に男装時にはアレクと呼んで欲しいと伝えて3人のエスコートをしながら散策をした。
散策中にアマリアの名を呼ぶ声が聞こえて4人が振り返ると、王太子、王太子護衛、相談役子息が1人の令嬢といた。
令息達は、婚約者に向かって男装のアレクサンドリアは誰だと不満な表情隠さずに尋ねた。
「……終わりだわ。断罪される悪役令嬢なんて嫌だわ」
アレクサンドリアは隣にいたアマリアの小さな呟きが聞こえてきて、異世界転生あるある?な悪役令嬢ありのヒロインなのかと思い、アマリアに大丈夫だと肩を叩き目の前にいるミア・キサラギを見てニッコリと笑みを浮かべた。
「俺はアレクと申します。貴殿方は他の婚約者がいるのに他の女性と懇意にしてもいいのですか?」
アレクサンドリアの言葉に相談役子息が睨みつけて言い返してきた。
「それはお前もじゃないか?」
「俺ですか?俺の婚約者は俺の行動に意味があると黙認してくれるので大丈夫です。ご心配には及びません…ですが、皆さんの婚約者はご理解されてるんですか?」
3人の子息は言葉に詰り黙り込んでいた。
アレクサンドリアは友人令嬢の為にと思い、更にニッコリと笑みを浮かべた。
「令嬢、婚約者にご理解をいただいていない子息はやめて俺にしませんか?……俺では不服でしょうか?」
アレクサンドリアは礼儀正しくミア・キサラギの前に手を差し出した。
「えっ、あの…でも?」
「困惑される姿も可愛いらしいですね。俺に令嬢の隣を歩く許可をいただけませんか?」
狼狽えるミア・キサラギに子息達は何か憑き物が落ちたかのように婚約者達の元へと歩み戻って行った。
「子息達は用事がある様ですから、俺がエスコートします。お手をどうぞ?」
アレクサンドリアはそう言い、困惑するアマリア達3人にウインクをして任せろと合図を送った。
イリーエはアレクサンドリアの男装を以前から知っていて性格も他の2人よりも知りえた為、2人を促すように頷いてその場を後にした。
「あの、でも…いいんですか?」
困惑するミア・キサラギにアレクサンドリアはニッコリと笑みを浮かべた。
「大丈夫ですよ。あの令嬢達は俺の婚約者じゃないので。貴方には俺では役不足かもしれませんがエスコートさせていただきたいのですが?」
「えっ、と…はい。アレク、様でしたっけ?」
「はい、アレクです。他の婚約者のいる子息には令嬢が悲しみますから、俺をお呼びください。俺の婚約者は理解あるので説明したら問題はありませんから」
こうして、アレクサンドリアは他の令嬢の為に行動する事を決めた。
男装出来る理由が欲しかったとか、
異世界召喚のミア・キサラギの黒髪、黒目が懐かしく好みだったから、
なんて理由は伝えなくても婚約者ユリウスには把握されていた。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした
まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」
王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。
大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。
おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。
ワシの怒りに火がついた。
ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。
乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!!
※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる