転生したら性別変わっていたから、男装したのに何故か婚約者が出来た?

にゃんこ

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ヒロインとの対面

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翌日

ユリウスとアレクサンドリアはミアとの対面に用意された部屋へと案内された。

カインとミアが2人よりも遅れ入室してきた。

「アベル殿下は来ないがグレンは遅れて来る。先に話しを私がする」

カインはユリウスとアレクサンドリアの向かいにミアを座らせ、ユリウスの隣に用意されていたソファーに腰掛けた。

ミアの魅了は無自覚に多数にかけれていたが、訓練により多数又は個人に他者への魅了も出来るようになったと説明をされた。

「…説明だけでは理解出来ないかと思う。ミア嬢には実際に魅了をかけて貰えばわかりやすいだろ」

カインがそう言うと、ミアに視線を向けるとミアは頷くと数秒瞼を閉じ開いた。

ユリウスとアレクサンドリアは何か変わったのかと、ミアを見ていた。

カインは立ち上がるとユリウスとアレクサンドリアの座るソファーの背後を歩き、アレクサンドリアの前に来ると膝まづいた。


「…アレクサンドリア、この国に残らないか?私の養子にでもいい、息子の嫁にでもいい。アレクサンドリアを幸せにすると誓う。駄目だろうか?」

カインがアレクサンドリアの膝まづき手を取り真っ直ぐ見上げた。

ユリウスは先日告げた時よりも、熱のこもった眼差しにカインを睨むように見ていた。

「……婚約者のいる前では答えにくいか?今度こそ幸せにする、私の側にいてほしい」

カインはアレクサンドリアの頬へと手を伸ばし頬を撫でた。

「君が好きだ、離したくない…」

カインの言葉はアレクサンドリアの前世に響いて何も言えずに見つめていた。

カインは立ち上がり、座るアレクサンドリアを抱きしめ頬を優しく撫で後頭部に手を回し引き寄せ口づけた。

ミアは驚き、慌てて魅了を解いた。

同時にグレンが入室してきた。

「な、何してんの?えっ?ちょっと??」

グレンはアレクサンドリアに口づけているカインに驚き、ミアの魅了のせいかとミアを見た。

「あの、かけてましたが。もう解いてます?なんで??」

ミアも狼狽え首を傾げていた。

「カイン!!」

グレンの呼びかけに邪魔だと言わんばかりに、口づけながらもテーブルに用意されていた菓子を魔法でグレンの口に放り込んで黙らせた。

アレクサンドリアが驚いて抵抗しないのか、カインを受け入れているのか不安を抱いたユリウスが悲しげな声で名を呼んだ。

「…アリア」

ユリウスの声に抵抗をしなかったアレクサンドリアはカインの胸元を押し返したがビクともしなかった。

グレンは口に放り込まれた菓子をモグモグと咀嚼しながらも、カインに近づき思いっきりカインの頭を叩いた。

「いい加減にしろよ!」

カインは不服そうに口づけをやめグレンを睨みつけた。

「キスすんの好きでもさ、流石に婚約者前にしてすんのはダメだって!それに、歳の差考えろよな?」

カインは渋々、元いたソファーへと戻り座った。

「……あの、魅了をかけられたせいですか?」

ユリウスがミアを横目にグレンに尋ねた。

「あ~~…、多分?…過去に俺らも魅了使う令嬢にさ苦労させられて、その時に対策たてたんだけどな?ミア嬢の魅了ってそんなに強かったか??」

グレンはミアに問いかけた。

「……まさか、カイン様にここまでかかるなんて思ってませんでした」

「だよな…。カイン?」

グレンは頭を抱えながら、カインを見て返答を待った。

「何だ?別にディアと離縁させるとか言うつもりか?」

「そんな事言ってないだろ!アレクサンドリア嬢はユリウスの婚約者だろ?何してんの?」

グレンがカインに呆れながらも問いかけ続けている間。

ユリウスは無言でアレクサンドリアの手に手を添えていた。

アレクサンドリアは困惑しながらも、ユリウスに寄り添っていた。


「……?」

ミアは己の魅了の強度について考え込んでいた。




しばらくして、落ち着いてから話が進められた。


「ミア嬢の魅了は意思して使いこなせる様になってるんだ。だから、国に帰ってもいいはずなんだけど…。それに、ミア嬢は好きな人がいるって言ったけど、ソイツに魅了はかけない様にって誓約もかけてあるから大丈夫なんだけど……。連れて帰るか?」

グレンに言われ、ユリウスはアレクサンドリアの肩を抱き寄せミアに問いかけた。

「好きな人って、アレクか?」

ミアは頷いた。

ユリウスはアレクサンドリアと視線を合わせ頷き合い、話しを続けた。

「…アレクという男は存在しない。それでも会いたいと思うのか?渡すつもりはないが…」

「アレクは偽名?それでも会いたい、アレクの側にいたいアレクが婚約者を大事にしてるのは知ってます。だから、無自覚に魅了はしない会わせて欲しいです」

「……そうか。アレクは幼少期に一目惚れしたと婚約を願い婚約した。それから、ずっと想いあっていたんだ。私の婚約者を誘惑しないで欲しい…」

ユリウスの言葉にミアは困惑し首を傾げた。

「ミア様。ごめんなさい…アレクは男装時の呼名ですの、アレクは私の男装姿ですわ」

ミアは驚き瞬き、アレクサンドリアを見つめ。

「えっ?…じゃあ、無自覚魅了はしないからアレクサンドリアと友達でも下僕でも何でもいいから、側にいたいって言ったら許してくれるの?」

「友達でしたら、下僕は嫌ですわ」

アレクサンドリアは笑みを向け受け入れた。ユリウスを不安にさえさせなきゃ大丈夫だと。


グレンは話がついて、帰国の流れになるかと思って見守っていたが…。


「駄目だ!ミア嬢がアレクサンドリアの側にはいるのは許さない!!」

「カインは関係ないよな?」

「ある!アレクサンドリアを魅了してた奴を側になどいさせない。ミア嬢を連れて帰るなら私もそっち国へ行く。問題がないか見守る…今度こそ幸せになって欲しいんだ!私の大事な……息子の親友なんだ」

「カイン?……執着すんのディアンナとキャンディスだけじゃないんだな?カインが着いていって見守るのはいいとしても、アベルには許可とんないとだからな?側近なんだし、総騎士団長なんだからな!」

カインは頷いて立ち上がった。

「許可取ってくる!」

カインは部屋を出て行った。

グレンは深いため息吐き、見送った。

「…あ~~。悪い、カインはたまに暴走するから。……ユリウスが思う様にアレクサンドリア嬢の事は思っていないって思うから」

「はい…」

ユリウスは小さく頷いた。

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