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王様編
3. 寂しさ
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「ヨースケ、取り敢えず食事にしよう。長旅で疲れたであろう?」
この数十年で人間味の増した王様が気遣ってくれる。
「はい、馬車ではゆっくりできなかったので早く休みたいです。」
「わかった、こちらだ。」
そう言って王様は僕の腰を抱いてエスコートしてくれた。
部屋に入ると当たり前だが二人分の食事がセッティングされている。周りには数人の従者が控えており、その中の1人に椅子を引かれた。そしてグラスに赤ワインを注がれながら「(こんな広いテーブルに二人だけ…。)」と少し寂しくなる。
つい昨日までは大人数の大家族だったのに…。
あれだけ覚悟していたにも関わらず、やはり家族の姿を思い出してしまった。ワインが注ぎ終わると王様がグラスを傾ける。慌てて僕もグラスを持つと「今日はヨースケが戻ってきた記念の日だ。本日を私達の結婚記念日にしよう。」と衝撃的なことを告げる。
思わずグラスをテーブルに戻し「王様⁉︎本気ですか⁉︎」と叫んでしまった。
結婚しても僕が死んでしまえば意味がない。
「ああ、良い。どの道、私の跡継ぎはヨースケが産めなければ諦めることにしていた。そして程々の奴に跡を継がせたら私自ら死ぬ道を選ぼう。」
「そんな…。」
「悲しい顔をするな、私はもう十分すぎるくらい生きたのだ。王という立場がなければもっと早い段階で自ら命を絶っていた。しかし、それを周りが許さなかっただけなのだ。」
その言葉に王様には王様なりの寂しさがあったのだとやっと気付く。初めはどんな暴君だと憤ったがこの数百年、心を許す相手がおらずただ政務をこなしてきた毎日を思うと王様に同情心が湧いた。
「王様…もし…もしもですが、僕が王様の子を産めれば僕と子と生きてくれますか?」
僕がそう言うと彼は苦笑し「ああ、その時は共に生きよう。私が子に殺されるまではな。」と告げた。
その夜、僕は約束通り王様とベッドを共にした。しかし、彼は僕の身体に触れたりキスはするもののそれ以上のことはしない。正直、覚悟していた僕からすれば拍子抜けだ。不思議に思った僕は彼の抱き枕になりながら「王様…僕を抱かないのですか?」と聞いてみたが、彼は僕の胸に顔を埋めると「今日はそんな気分ではない。」と告げ、それ以上何も答えなかった。
この数十年で人間味の増した王様が気遣ってくれる。
「はい、馬車ではゆっくりできなかったので早く休みたいです。」
「わかった、こちらだ。」
そう言って王様は僕の腰を抱いてエスコートしてくれた。
部屋に入ると当たり前だが二人分の食事がセッティングされている。周りには数人の従者が控えており、その中の1人に椅子を引かれた。そしてグラスに赤ワインを注がれながら「(こんな広いテーブルに二人だけ…。)」と少し寂しくなる。
つい昨日までは大人数の大家族だったのに…。
あれだけ覚悟していたにも関わらず、やはり家族の姿を思い出してしまった。ワインが注ぎ終わると王様がグラスを傾ける。慌てて僕もグラスを持つと「今日はヨースケが戻ってきた記念の日だ。本日を私達の結婚記念日にしよう。」と衝撃的なことを告げる。
思わずグラスをテーブルに戻し「王様⁉︎本気ですか⁉︎」と叫んでしまった。
結婚しても僕が死んでしまえば意味がない。
「ああ、良い。どの道、私の跡継ぎはヨースケが産めなければ諦めることにしていた。そして程々の奴に跡を継がせたら私自ら死ぬ道を選ぼう。」
「そんな…。」
「悲しい顔をするな、私はもう十分すぎるくらい生きたのだ。王という立場がなければもっと早い段階で自ら命を絶っていた。しかし、それを周りが許さなかっただけなのだ。」
その言葉に王様には王様なりの寂しさがあったのだとやっと気付く。初めはどんな暴君だと憤ったがこの数百年、心を許す相手がおらずただ政務をこなしてきた毎日を思うと王様に同情心が湧いた。
「王様…もし…もしもですが、僕が王様の子を産めれば僕と子と生きてくれますか?」
僕がそう言うと彼は苦笑し「ああ、その時は共に生きよう。私が子に殺されるまではな。」と告げた。
その夜、僕は約束通り王様とベッドを共にした。しかし、彼は僕の身体に触れたりキスはするもののそれ以上のことはしない。正直、覚悟していた僕からすれば拍子抜けだ。不思議に思った僕は彼の抱き枕になりながら「王様…僕を抱かないのですか?」と聞いてみたが、彼は僕の胸に顔を埋めると「今日はそんな気分ではない。」と告げ、それ以上何も答えなかった。
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