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15. 告白
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やってしまった後、お互いに固まる。
ブラッドさんはこちらを見ながら目を見開き、僕も舐めとった瞬間「あれ?」となった。
僕は「あっ…すみません…つい…。」と零すとブラッドさんに「ついって何!?」と詰め寄られる。
「ああ…あの…ブラッドさんが魅力的で…。」と笑いながら答えるとブラッドさんの顔がみるみる真っ赤になった。
「なっ…何よ…そんなことして私に媚びでも売るつもり!?そんな安い言葉じゃ私は靡かないんだから!」
とブラッドさんは叫びながら部屋を飛び出して行ってしまった。
僕は瞬間的に呼び止めようと思ったが先程の行為では無理もないかと諦める。僕は心の中でブラッドさんに謝りつつ、そのまま夕食に手をつけた。
部屋に戻ってくると先程のことを考えていた。
「(ブラッドさん、この店の1番人気なのに初々しい反応だったなぁ…ああいう不意打ちには慣れてないのかも…それにネコみたいにツンツンしてたと思ったら急に甘えてくる感じも可愛かったな…。きっとお店ではお客さん相手だから隙を見せないように気を張ってるんだろう…また会いたいなぁ。)」
と僕はそんなことを思いながら明日に備える。
次の日、早めに起きた僕はお店の近くの川沿いにある屋台に脚を運んだ。昨日、この周辺を散策した時に見つけたお店だ。
このお店はハムや野菜を挟んだホットサンドを数多く揃えているお店で、野菜不足な僕にはピッタリなお店だ。きっとこのお店の店主は草食動物だろうと予想する。
「すみません、コレを一つ下さい。」
「ありがとう、温めるからちょっと待っててね。」
そう返事をしたのは10代後半くらいの男の子。男の子と言っていい年齢か分からないが、若干自分より年下な気がして男の子と言うことにする。
男の子は僕が注文した物のパンを温め始めた。僕はその間にマジマジと男の子を見つめる。
少し幼い顔にウサ耳を付け、白髪の髪色に髪型はショートボブ。しかし身体つきは割りとガッシリしていた。
僕があまりにもジロジロ見すぎたせいなのか、男の子が恥ずかしそうに「あの…そんなに見られると恥ずかしいんだけど…。」と言ってくる。
「ああ!ゴメンね、悪気はないんだ。ただ、幾つくらいなのかな、って思って…。」
「僕?僕は30歳だよ。君は?」
「(君…?年下に見られてる?さっきからタメ口だとは思ってたけど…。)
僕は40歳だよ。」
そう言った瞬間「えぇ!?年上!?」と驚かれる。
やはり予想は当たっていた。
「よく子供に間違われるんだけどね。」と笑うと「嘘!?こんなに可愛いのに年上とか…。」とブツブツと言っている。
男の子の反応が素直で可愛い。
「フフッ、ありがとう。可愛いっていうのは褒め言葉として受けとっておくよ。」
「当たり前ですよ!僕、お兄さんみたいな可愛い人に会ったのは初めてです!綺麗な人はお客さんでちょこちょこ来るんですけど…可愛い人は少ないんです。それにご存知だとは思いますが、獣感が少ない人ほどモテるんですよ!なのでお兄さんみたいに獣の耳が付いてない人はとても珍しいんです。お兄さんの種族はサルですか?」
「うん、そうだよ。そんなに珍しいんだね…知らなかった…。教えてくれてありがとう。それでそのお客さんって娼館の人達のこと?」
「…はい、そうです。」
「そうなんだ。じゃあ僕もここの常連さんになれるように通うからね。」
その瞬間、彼の表情は驚きに変わる。
「お兄さんは娼夫なんですか⁉︎」
「うーん…娼夫は娼夫でもまだお客さんを取ったことないからまだ娼夫じゃないかな?あと1ヶ月もすればお客さんを取るよ。良かったら僕を指名してね。」
なんとなく彼には営業をしておこうと思った。
「…あのお兄さん。名前聞いてもいいですか?僕はアンブレットといいます。」
「(良かった…これから指名してくれるのかな?)
僕はウィンターグリーンのヨウだよ。」
「ウィンターグリーン…ヨウさん…。」
とその時、香ばしい匂いが漂ってきた。
「あっ!ヨウさん、出来上がりました!温かい内にどうぞ。」
そう言いながらアンブレット君がホットサンドの入った包み紙を渡して来る。僕は少し悪戯心が芽生え、あえてアンブレット君の手に触れるように包み紙を受け取った。その時、アンブレット君の手がビクッと動くのが可愛くて思わず笑ってしまう。
アンブレット君は僕の笑った理由が分かったようで少しムッとしながらも恥ずかしそうに笑った。
「アンブレット君は30歳なんだよね…?そしたらもう成人を迎えたんだ。娼館には興味ある…?」
「ん~…興味ないことは無いですけど、その前に恋人を探します。いい人と巡り会えなかったら娼館を利用しようかなと…。」
「なるほど…そしたら良ければ指名してね。」
僕はそう言って立ち去ろうとした。これ以上長居しても営業の邪魔だろうし。
しかし「ヨウさん!」と必死な形相の彼に呼び止められる。
「僕、ヨウさんに一目惚れしました!」
ブラッドさんはこちらを見ながら目を見開き、僕も舐めとった瞬間「あれ?」となった。
僕は「あっ…すみません…つい…。」と零すとブラッドさんに「ついって何!?」と詰め寄られる。
「ああ…あの…ブラッドさんが魅力的で…。」と笑いながら答えるとブラッドさんの顔がみるみる真っ赤になった。
「なっ…何よ…そんなことして私に媚びでも売るつもり!?そんな安い言葉じゃ私は靡かないんだから!」
とブラッドさんは叫びながら部屋を飛び出して行ってしまった。
僕は瞬間的に呼び止めようと思ったが先程の行為では無理もないかと諦める。僕は心の中でブラッドさんに謝りつつ、そのまま夕食に手をつけた。
部屋に戻ってくると先程のことを考えていた。
「(ブラッドさん、この店の1番人気なのに初々しい反応だったなぁ…ああいう不意打ちには慣れてないのかも…それにネコみたいにツンツンしてたと思ったら急に甘えてくる感じも可愛かったな…。きっとお店ではお客さん相手だから隙を見せないように気を張ってるんだろう…また会いたいなぁ。)」
と僕はそんなことを思いながら明日に備える。
次の日、早めに起きた僕はお店の近くの川沿いにある屋台に脚を運んだ。昨日、この周辺を散策した時に見つけたお店だ。
このお店はハムや野菜を挟んだホットサンドを数多く揃えているお店で、野菜不足な僕にはピッタリなお店だ。きっとこのお店の店主は草食動物だろうと予想する。
「すみません、コレを一つ下さい。」
「ありがとう、温めるからちょっと待っててね。」
そう返事をしたのは10代後半くらいの男の子。男の子と言っていい年齢か分からないが、若干自分より年下な気がして男の子と言うことにする。
男の子は僕が注文した物のパンを温め始めた。僕はその間にマジマジと男の子を見つめる。
少し幼い顔にウサ耳を付け、白髪の髪色に髪型はショートボブ。しかし身体つきは割りとガッシリしていた。
僕があまりにもジロジロ見すぎたせいなのか、男の子が恥ずかしそうに「あの…そんなに見られると恥ずかしいんだけど…。」と言ってくる。
「ああ!ゴメンね、悪気はないんだ。ただ、幾つくらいなのかな、って思って…。」
「僕?僕は30歳だよ。君は?」
「(君…?年下に見られてる?さっきからタメ口だとは思ってたけど…。)
僕は40歳だよ。」
そう言った瞬間「えぇ!?年上!?」と驚かれる。
やはり予想は当たっていた。
「よく子供に間違われるんだけどね。」と笑うと「嘘!?こんなに可愛いのに年上とか…。」とブツブツと言っている。
男の子の反応が素直で可愛い。
「フフッ、ありがとう。可愛いっていうのは褒め言葉として受けとっておくよ。」
「当たり前ですよ!僕、お兄さんみたいな可愛い人に会ったのは初めてです!綺麗な人はお客さんでちょこちょこ来るんですけど…可愛い人は少ないんです。それにご存知だとは思いますが、獣感が少ない人ほどモテるんですよ!なのでお兄さんみたいに獣の耳が付いてない人はとても珍しいんです。お兄さんの種族はサルですか?」
「うん、そうだよ。そんなに珍しいんだね…知らなかった…。教えてくれてありがとう。それでそのお客さんって娼館の人達のこと?」
「…はい、そうです。」
「そうなんだ。じゃあ僕もここの常連さんになれるように通うからね。」
その瞬間、彼の表情は驚きに変わる。
「お兄さんは娼夫なんですか⁉︎」
「うーん…娼夫は娼夫でもまだお客さんを取ったことないからまだ娼夫じゃないかな?あと1ヶ月もすればお客さんを取るよ。良かったら僕を指名してね。」
なんとなく彼には営業をしておこうと思った。
「…あのお兄さん。名前聞いてもいいですか?僕はアンブレットといいます。」
「(良かった…これから指名してくれるのかな?)
僕はウィンターグリーンのヨウだよ。」
「ウィンターグリーン…ヨウさん…。」
とその時、香ばしい匂いが漂ってきた。
「あっ!ヨウさん、出来上がりました!温かい内にどうぞ。」
そう言いながらアンブレット君がホットサンドの入った包み紙を渡して来る。僕は少し悪戯心が芽生え、あえてアンブレット君の手に触れるように包み紙を受け取った。その時、アンブレット君の手がビクッと動くのが可愛くて思わず笑ってしまう。
アンブレット君は僕の笑った理由が分かったようで少しムッとしながらも恥ずかしそうに笑った。
「アンブレット君は30歳なんだよね…?そしたらもう成人を迎えたんだ。娼館には興味ある…?」
「ん~…興味ないことは無いですけど、その前に恋人を探します。いい人と巡り会えなかったら娼館を利用しようかなと…。」
「なるほど…そしたら良ければ指名してね。」
僕はそう言って立ち去ろうとした。これ以上長居しても営業の邪魔だろうし。
しかし「ヨウさん!」と必死な形相の彼に呼び止められる。
「僕、ヨウさんに一目惚れしました!」
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