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18. デート
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「アンブレット君、僕、この街に来てそんな日が経ってないんだ。良かったらオススメのところを案内してくれない?」
僕はそう言いながらアンブレット君を見たが、アンブレット君の視線は繋がれている手に釘付けだった。
嫌なのかと思い、パッと離すと「ゴメンね、手を繋ぐの嫌だった?」と窺う。すると途端に「ちっ…違います!」と否定された。
「僕…こうやって好きな人と手を繋いだことないから恥ずかしくて…。ヨウさんの手は小さくて可愛くてギュッて握ったら潰れちゃいそうで…だから!嫌とかじゃないです!」
と顔を真っ赤にしながら言ってくる。
「(アンブレット君…可愛い。)
そんなヤワじゃないけど…力一杯はやめてね?それに僕は攫われない限りアンブレット君から逃げないから安心して。」
と笑顔で告げた。
そしてもう一度、手を繋ぎアンブレット君オススメのご飯屋さんに行った。そこはウサギならではというか草食動物ならではというか…ベジタリアンなら最高の場所だった。
食事のメインはサラダでお代わり自由。サイドメニューはフルーツとヨーグルトらしきもの。サラダ以外には大豆を煮たスープが付いた。
「(野菜不足にはちょうどいい…。)」
「ヨウさん…ここで大丈夫でしたか?お肉類も少量ならありますよ。頼みますか?」
「ううん、最近、野菜不足だったからちょうど良かった。ありがとう、アンブレット君。」
「そっ…そうですか、良かった。こんなに食事に悩んだの初めてです…。」
と照れながら言う。
その後は他愛もない話からアンブレット君は将来、お父さんの跡を継いでお店をやりたいのと、この街に留まらず、他の街にも手を広げたいという夢を語ってくれた。1番困ったのは「ヨウさんは将来の夢はありますか?」という質問だった。
僕としては将来、誰かと結婚して専業主夫が出来ればいいかな、としか思ってないので自慢できるような夢はない。なのでアンブレット君には「お嫁さんかな。」と伝えておいた。その答えにアンブレット君が「じゃ…じゃあ僕の…。」と言ったところでアンブレット君が誰かに話し掛けられた。
「おい、アン!今日は店、休みなのか?」
振り返るとアンブレット君と同じくらいの青年が立っている。
「あっ…えっ?ああ…ガランか…いや、今日は手伝いが休みなんだ。」
「そっか…。この人は…友達?いや、俺達より年下だよな?親戚の子?」
と指をさされる。
「ガラン!指をさすなよ!ヨウさんは俺達よりも年上だぞ!」
「えぇ!?そうなのか!?それは失礼しました…。」
僕は気にした風もなく「全然、気にしなくてもいいよ、よく間違われるから。初めまして、ヨウといいます。」とお辞儀をした。
「初めまして、アンブレットの友達のガランです。なんか…アンに言われても年上って感じしないな…どう見ても20歳くらいなのに…。」
「フフッ。こう見えて40歳だから。子供っぽいけど一応、成人は過ぎてるよ?」
「えぇ!?40歳!?こんな可愛い40歳がいるのか!?種族は何だ?耳が丸いからサルか?」
そう言って耳を触られる。
少し身体がビクッとなった。
「コラッ!ガラン!僕だってまだ触ってないのに!」
とアンブレット君がガラン君の手をはたき落とす。
「ごめんなさい、ヨウさん。いきなりでビックリしましたよね?ガランには後から僕がキチッと言っておきますから。」
とアンブレット君に謝られながら耳を撫でられる。
「んんっ…大丈夫。くすぐったかっただけ。」
と答えると何故かアンブレット君とその後ろにいたガラン君の顔が赤くなった。
「…どうしたの?」
と首を傾けるとアンブレット君が「ダメです!ヨウさん!これ以上、色香を振りまいてはいけません!」と叫ばれる。
「色香…?」
「もう出ましょう!」
アンブレット君はそう言うと僕の手を握り、直ぐにお会計を済ますと店外へと出た。暫くの間、アンブレット君に引っ張られるような形で僕は歩みを進める。
ある程度、お店と距離が開いたところでアンブレット君が振り返る。
「ヨウさん!あんなところで色香を放ってはいけません!あんな人が多いところでそんなことをすると襲って下さい、って言ってるようなもんですよ!」
僕はなんのことか分からないがアンブレット君の顔が必死なので冗談でないのは分かる。
「アンブレット君…ゴメンね?でも、色香ってなんのこと?」
僕がそう言うとアンブレット君は「無自覚にしてたのか…。」と呟いた。
「元はと言えば触った僕が悪いんですが…ヨウさん、さっき僕に耳を触られたとき、ちょっとだけ感じましたか?」
「…ん?そうかも…。」
「その時、ヨウさんの身体から色香…要はフェロモンみたいな香りがしたんです。それにこの色香はただのフェロモンじゃなく相手を発情させる作用があります。さっきのは一瞬だったので大丈夫でしたが、短時間もしくは鼻のいい者にとってはかなりの効果をもたらします。気を付けて下さいね、特にヨウさんは無意識に出してるようなので襲われる確率が上がりますよ。」
と注意されてしまった。
僕はそう言われ、ふと思ったのは「(じゃあロータスさん、凄く大変だったんじゃ…?)」という考えだった。
僕はそう言いながらアンブレット君を見たが、アンブレット君の視線は繋がれている手に釘付けだった。
嫌なのかと思い、パッと離すと「ゴメンね、手を繋ぐの嫌だった?」と窺う。すると途端に「ちっ…違います!」と否定された。
「僕…こうやって好きな人と手を繋いだことないから恥ずかしくて…。ヨウさんの手は小さくて可愛くてギュッて握ったら潰れちゃいそうで…だから!嫌とかじゃないです!」
と顔を真っ赤にしながら言ってくる。
「(アンブレット君…可愛い。)
そんなヤワじゃないけど…力一杯はやめてね?それに僕は攫われない限りアンブレット君から逃げないから安心して。」
と笑顔で告げた。
そしてもう一度、手を繋ぎアンブレット君オススメのご飯屋さんに行った。そこはウサギならではというか草食動物ならではというか…ベジタリアンなら最高の場所だった。
食事のメインはサラダでお代わり自由。サイドメニューはフルーツとヨーグルトらしきもの。サラダ以外には大豆を煮たスープが付いた。
「(野菜不足にはちょうどいい…。)」
「ヨウさん…ここで大丈夫でしたか?お肉類も少量ならありますよ。頼みますか?」
「ううん、最近、野菜不足だったからちょうど良かった。ありがとう、アンブレット君。」
「そっ…そうですか、良かった。こんなに食事に悩んだの初めてです…。」
と照れながら言う。
その後は他愛もない話からアンブレット君は将来、お父さんの跡を継いでお店をやりたいのと、この街に留まらず、他の街にも手を広げたいという夢を語ってくれた。1番困ったのは「ヨウさんは将来の夢はありますか?」という質問だった。
僕としては将来、誰かと結婚して専業主夫が出来ればいいかな、としか思ってないので自慢できるような夢はない。なのでアンブレット君には「お嫁さんかな。」と伝えておいた。その答えにアンブレット君が「じゃ…じゃあ僕の…。」と言ったところでアンブレット君が誰かに話し掛けられた。
「おい、アン!今日は店、休みなのか?」
振り返るとアンブレット君と同じくらいの青年が立っている。
「あっ…えっ?ああ…ガランか…いや、今日は手伝いが休みなんだ。」
「そっか…。この人は…友達?いや、俺達より年下だよな?親戚の子?」
と指をさされる。
「ガラン!指をさすなよ!ヨウさんは俺達よりも年上だぞ!」
「えぇ!?そうなのか!?それは失礼しました…。」
僕は気にした風もなく「全然、気にしなくてもいいよ、よく間違われるから。初めまして、ヨウといいます。」とお辞儀をした。
「初めまして、アンブレットの友達のガランです。なんか…アンに言われても年上って感じしないな…どう見ても20歳くらいなのに…。」
「フフッ。こう見えて40歳だから。子供っぽいけど一応、成人は過ぎてるよ?」
「えぇ!?40歳!?こんな可愛い40歳がいるのか!?種族は何だ?耳が丸いからサルか?」
そう言って耳を触られる。
少し身体がビクッとなった。
「コラッ!ガラン!僕だってまだ触ってないのに!」
とアンブレット君がガラン君の手をはたき落とす。
「ごめんなさい、ヨウさん。いきなりでビックリしましたよね?ガランには後から僕がキチッと言っておきますから。」
とアンブレット君に謝られながら耳を撫でられる。
「んんっ…大丈夫。くすぐったかっただけ。」
と答えると何故かアンブレット君とその後ろにいたガラン君の顔が赤くなった。
「…どうしたの?」
と首を傾けるとアンブレット君が「ダメです!ヨウさん!これ以上、色香を振りまいてはいけません!」と叫ばれる。
「色香…?」
「もう出ましょう!」
アンブレット君はそう言うと僕の手を握り、直ぐにお会計を済ますと店外へと出た。暫くの間、アンブレット君に引っ張られるような形で僕は歩みを進める。
ある程度、お店と距離が開いたところでアンブレット君が振り返る。
「ヨウさん!あんなところで色香を放ってはいけません!あんな人が多いところでそんなことをすると襲って下さい、って言ってるようなもんですよ!」
僕はなんのことか分からないがアンブレット君の顔が必死なので冗談でないのは分かる。
「アンブレット君…ゴメンね?でも、色香ってなんのこと?」
僕がそう言うとアンブレット君は「無自覚にしてたのか…。」と呟いた。
「元はと言えば触った僕が悪いんですが…ヨウさん、さっき僕に耳を触られたとき、ちょっとだけ感じましたか?」
「…ん?そうかも…。」
「その時、ヨウさんの身体から色香…要はフェロモンみたいな香りがしたんです。それにこの色香はただのフェロモンじゃなく相手を発情させる作用があります。さっきのは一瞬だったので大丈夫でしたが、短時間もしくは鼻のいい者にとってはかなりの効果をもたらします。気を付けて下さいね、特にヨウさんは無意識に出してるようなので襲われる確率が上がりますよ。」
と注意されてしまった。
僕はそう言われ、ふと思ったのは「(じゃあロータスさん、凄く大変だったんじゃ…?)」という考えだった。
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