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42. 照れ隠し
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「ただいま、父さん、母さん。」
そうクローブさんは言いながら家に入っていく。僕はといえば未だにクローブさんにおんぶされたままだ。流石に家に入る前に「下ろして下さい!」と抗議したものの「今更下ろさなくても問題ない。」と体力面での心配だと勘違いされ、そのまま入ってしまった。
「おかえり。ヨースケ、クローブ、だいぶ仲良くなったみたいじゃな。」
とクラリさんとサイさんは僕達の様子に微笑ましげだ。
そこで僕はようやくクローブさんに地面に下ろしてもらい「…ただいま戻りました…。」と返事をした。
僕は早速、台所を借りてサンドイッチを作る。
「(とりあえずマヨネーズを作ろう。)」
そう思いながら手を動かしていると「ヨースケ。」とクラリさんに声を掛けられた。
「どうだ?クローブは街までの案内は優しかったかい?」
僕はその質問に正直、最初の出来事が浮かんだが、結果的に親切にしてもらったので「はい、親切にしてもらいました。」と答える。
「アイツ…愛想が無かっただろう?」
とクラリさんは全てお見通しの様のように言ってくる。
「…ええ…まぁ…。初めはそうでしたが途中から少しずつ会話しましたよ。」
「そうか…ヨースケ、アイツの無愛想は照れ隠しだから気を悪くしないでくれ、可愛い子や好きな子が出来ると気の無いフリをするんじゃ。それに私の見立てではアイツはきっとヨースケに一目惚れしてるから。」
とクラリさんはニヤニヤしながら言ってくる。
「(えぇっ!?それはないでしょ…だってあれだけ嫌な顔してたし…。)
いや、でも初めて顔を合わせた時、凄く嫌な顔されてましたよ…?」
「ああ!あれか!あれが照れ隠しじゃ。アイツ恥ずかしくて顔がニヤけるのを誤魔化す為に眉間に皺を寄せたんじゃ。だからヨースケのことを睨んでるように見えたかもしれないがそれは違うぞ。大丈夫、私はクローブの父親だ、アイツのことはなんでもわかるぞ。それに…あいつもいい加減、いい年なんだから早く結婚してもらいたいんじゃが…。」
と言ってクラリさんは溜息を吐く。
僕はそのクラリさんの告白を聞きながら「あの…えっと…クローブさんはお幾つなんですか?」と質問をする。
「…もう80だ、私の中では60歳までに結婚すると思ったんじゃがなー…ヨースケも分かったみたいにアイツの照れ隠しで皆、逃げちまう。だからあの歳までロクな恋愛してこなかっただろうさ。」
「(なるほど…ちょっと違うかもしれないけどツンデレみたいな感じかな?けど、そのツンの威力が凄いと…。)
そうなんですか…勿体無いですね。クローブさん、話してみると意外に優しい人なのに…。」
「そうだろう?ヨースケはよく分かってる!そうじゃ!ヨースケ、クローブの奥さんになってくれないか?」
僕はクラリさんの発言に目を丸くする。
「えぇ!?それは困ります…そんな出会って間も無い人と結婚だなんて…それにクローブさんも嫌がりますよ、こんな子供みたいな僕なんて。」
「いや!そんなことはない…!クローブもそう言えないだけできっとそう思ってるはずじゃ。なら、ヨースケ、今すぐ結婚とかそういうのは言わない、でもこれからクローブのことを恋愛対象として見てくれないかい?ヨースケからしたらクローブは年の離れたおじさんかもしれないが、きっとアイツはヨースケのことを大切にしてくれる。私が保証する、アイツは心根の優しいやつじゃ。」
そう熱弁してくるクラリさんに熱心に押され僕はとりあえずクローブさんを恋愛対象で見ることを約束した。それが成就しなくてもいいと言われたからだ。
「(クラリさん、グイグイ来るな…そんなに息子を結婚させたいのかな…?)」
僕はそう思いながら止まっていた手を再開させる。
それから漸く、マヨネーズ入りのサンドイッチが完成した。中身はシンプルにトマトとレタスとハム。全て、それに似た物だが。娼館にいる時に1度確認しているので味は問題ない。そして病み上がりのサイさんにも食べれるようにカボチャのスープも添えた。
僕は少し多めに作り、それをクラリさんやクローブさんにも差し出す。
「これで夕食の代わりになるかは分かりませんが、一度食べてみて下さい。」
「ありがとう、ヨースケ。」
「ありがとうございます、ヨースケさん。」
「…ありがとう。」
皆、それぞれパクッと口に入れ、咀嚼する。僕はどんな反応をされるかドキドキしながら待った。
いち早く1つを食べ終えたクラリさんが「この具材でも美味しいな!先程食べたのも美味しかったが、コッチも悪くない。」と口を開く。
「アッサリとした食材とこのマヨネーズ?というのが凄く合っていて美味しいわ。」
「美味い…。」
とサイさんもクローブさんも褒めてくれた。
僕は3人の反応に安堵すると「良かった…。」と呟く。
そうクローブさんは言いながら家に入っていく。僕はといえば未だにクローブさんにおんぶされたままだ。流石に家に入る前に「下ろして下さい!」と抗議したものの「今更下ろさなくても問題ない。」と体力面での心配だと勘違いされ、そのまま入ってしまった。
「おかえり。ヨースケ、クローブ、だいぶ仲良くなったみたいじゃな。」
とクラリさんとサイさんは僕達の様子に微笑ましげだ。
そこで僕はようやくクローブさんに地面に下ろしてもらい「…ただいま戻りました…。」と返事をした。
僕は早速、台所を借りてサンドイッチを作る。
「(とりあえずマヨネーズを作ろう。)」
そう思いながら手を動かしていると「ヨースケ。」とクラリさんに声を掛けられた。
「どうだ?クローブは街までの案内は優しかったかい?」
僕はその質問に正直、最初の出来事が浮かんだが、結果的に親切にしてもらったので「はい、親切にしてもらいました。」と答える。
「アイツ…愛想が無かっただろう?」
とクラリさんは全てお見通しの様のように言ってくる。
「…ええ…まぁ…。初めはそうでしたが途中から少しずつ会話しましたよ。」
「そうか…ヨースケ、アイツの無愛想は照れ隠しだから気を悪くしないでくれ、可愛い子や好きな子が出来ると気の無いフリをするんじゃ。それに私の見立てではアイツはきっとヨースケに一目惚れしてるから。」
とクラリさんはニヤニヤしながら言ってくる。
「(えぇっ!?それはないでしょ…だってあれだけ嫌な顔してたし…。)
いや、でも初めて顔を合わせた時、凄く嫌な顔されてましたよ…?」
「ああ!あれか!あれが照れ隠しじゃ。アイツ恥ずかしくて顔がニヤけるのを誤魔化す為に眉間に皺を寄せたんじゃ。だからヨースケのことを睨んでるように見えたかもしれないがそれは違うぞ。大丈夫、私はクローブの父親だ、アイツのことはなんでもわかるぞ。それに…あいつもいい加減、いい年なんだから早く結婚してもらいたいんじゃが…。」
と言ってクラリさんは溜息を吐く。
僕はそのクラリさんの告白を聞きながら「あの…えっと…クローブさんはお幾つなんですか?」と質問をする。
「…もう80だ、私の中では60歳までに結婚すると思ったんじゃがなー…ヨースケも分かったみたいにアイツの照れ隠しで皆、逃げちまう。だからあの歳までロクな恋愛してこなかっただろうさ。」
「(なるほど…ちょっと違うかもしれないけどツンデレみたいな感じかな?けど、そのツンの威力が凄いと…。)
そうなんですか…勿体無いですね。クローブさん、話してみると意外に優しい人なのに…。」
「そうだろう?ヨースケはよく分かってる!そうじゃ!ヨースケ、クローブの奥さんになってくれないか?」
僕はクラリさんの発言に目を丸くする。
「えぇ!?それは困ります…そんな出会って間も無い人と結婚だなんて…それにクローブさんも嫌がりますよ、こんな子供みたいな僕なんて。」
「いや!そんなことはない…!クローブもそう言えないだけできっとそう思ってるはずじゃ。なら、ヨースケ、今すぐ結婚とかそういうのは言わない、でもこれからクローブのことを恋愛対象として見てくれないかい?ヨースケからしたらクローブは年の離れたおじさんかもしれないが、きっとアイツはヨースケのことを大切にしてくれる。私が保証する、アイツは心根の優しいやつじゃ。」
そう熱弁してくるクラリさんに熱心に押され僕はとりあえずクローブさんを恋愛対象で見ることを約束した。それが成就しなくてもいいと言われたからだ。
「(クラリさん、グイグイ来るな…そんなに息子を結婚させたいのかな…?)」
僕はそう思いながら止まっていた手を再開させる。
それから漸く、マヨネーズ入りのサンドイッチが完成した。中身はシンプルにトマトとレタスとハム。全て、それに似た物だが。娼館にいる時に1度確認しているので味は問題ない。そして病み上がりのサイさんにも食べれるようにカボチャのスープも添えた。
僕は少し多めに作り、それをクラリさんやクローブさんにも差し出す。
「これで夕食の代わりになるかは分かりませんが、一度食べてみて下さい。」
「ありがとう、ヨースケ。」
「ありがとうございます、ヨースケさん。」
「…ありがとう。」
皆、それぞれパクッと口に入れ、咀嚼する。僕はどんな反応をされるかドキドキしながら待った。
いち早く1つを食べ終えたクラリさんが「この具材でも美味しいな!先程食べたのも美味しかったが、コッチも悪くない。」と口を開く。
「アッサリとした食材とこのマヨネーズ?というのが凄く合っていて美味しいわ。」
「美味い…。」
とサイさんもクローブさんも褒めてくれた。
僕は3人の反応に安堵すると「良かった…。」と呟く。
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