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第十一章 まるでやらせな接待業
CASE85 ルーン・ストーリスト その5
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「そういえば今から会う医者と知り合いって言ってたけど、どういう間柄なんだ?」
ルーンの治療のために、マオーから紹介された病院へと向かう道すがら、案内を買って出てくれたディーヴァへと質問をした。
「うちの会社のかかりつけ医なんです。定期健診などはその方にお任せしていますわ」
「あれ? でも会社の中にもお医者さんはいましたけど……」
「そっちはあくまで応急措置担当ですから。学校の保健室の先生が外科手術まではやらないでしょう?」
「ああ、なるほど」
「まあ、先生とは個人的な付き合いもありますけどね。元同僚と言って差し支えない間柄ですから」
元同僚ってことはマオーの下で働いていたってことだよなぁ。しかも、四天王であるディーヴァと懇意にしていたということは、ほぼ同格とみて差し支えないだろう。
「一応聞いておくが、その医者って言うのは世界を亡ぼすことのできる伝説の龍とか、世界の始まりから生きてる伝説の大樹とか、センスのかけらもない歌を聞いたら廃人になる堕天使とか、そういう類の奴じゃないよな?」
「一応聞いておきますが、最後のは私の事ではありませんわよね?」
何のことかわからないがなぜか頭を叩かれた。
「会社には在籍していましたが、当時は医務室の担当だったので親しかっただけですわ。後はまあ、知り合いの息子……娘? だから個人的な付き合いもありましたけど」
「え、性別があやふやなんですか?」
「あと少しテカテカしていますわ」
「テカテカ?」
「ガチャガチャもしていますわね」
「「ガチャガチャ!?」」
まとめるとテカテカしてガチャガチャしてる男か女かわからないお医者さんらしい。なるほど、全然想像がつかない。
だがまあ、出会い頭に命の危機に陥る可能性は低いようだ。
────医者に会いに行く時の覚悟ではないと思うが。
「あ、着きましたわよ。【MINATSUクリニック(笑)】ですわ」
「…………召喚者関係かぁ」
俺は頭痛に眉間を抑えた。
ツッコみどころはいろいろあるが、まず看板の表記がアルファベットと日本語である。この世界では一般的に使われていない古代文字の類で、使うのは歴史学者が召喚者ぐらいの物だろう。
医者が歴史学者を兼任しているとは思えないので、ここは召喚者の線を疑ってかかるのは当然である。
そして何よりも俺の突っ込み魂に火をつけたのは、一番最後に書いてある死語である。
「なんだよ(笑)って。医者が使っちゃいけないワードだろ」
「看板から悪ふざけの気配を感じたのは生まれて初めてです」
「もうずいぶん昔からこの看板ですし、私としましてはもう慣れましたわ」
長寿なディーヴァが言うのだから、数百年単位の昔からなのだろうな。
「それでも腕は確かですし、ふざけていたのは私の知人で先代ですから大丈夫ですわよ」
「確かに看板はともかく、病院の外見は普通ですもんね」
巨大な病院が隣にあって、驚いた後に目的地は隣の小さな方だというお約束もなく、先ほどまでいたおどろおどろしいメイド喫茶のような外見と言うこともなく。
普通の民間医院。大きくもなく小さくもない、何の特徴もないただの病院。
正直もっとインパクトのある外見ならばリアクションの取りようもあるのだが、ツッコみどころがあるのは看板くらいの物だった。
「────はっ!? こ、心のどこかでボケを期待している俺がいる!?」
「職業病ですわねぇ」
「俺は漫才師のツッコみ役じゃないんだよなぁ……」
自分のおかしな修正にため息をつきつつ、いよいよ約束の時間を過ぎそうだったので俺たちは病院の扉に手をかけた。
扉の先には、やはり何の変哲もない病院の受付が広がっていた。
「失礼しまーす、マオーさんの紹介で来ました、サトーとルーンと言いますがー」
『ハーイ。今参りマスのでお待チくださーイ』
受付の奥から聞こえるやけにこもった声。少しばかりたどたどしい印象を受ける声は、言われた通り待っているとすぐに近くへとやってきた。
それはテカテカと光沢光る、足音はガチャガチャとやかましい────ロボットであった。
ルーンの治療のために、マオーから紹介された病院へと向かう道すがら、案内を買って出てくれたディーヴァへと質問をした。
「うちの会社のかかりつけ医なんです。定期健診などはその方にお任せしていますわ」
「あれ? でも会社の中にもお医者さんはいましたけど……」
「そっちはあくまで応急措置担当ですから。学校の保健室の先生が外科手術まではやらないでしょう?」
「ああ、なるほど」
「まあ、先生とは個人的な付き合いもありますけどね。元同僚と言って差し支えない間柄ですから」
元同僚ってことはマオーの下で働いていたってことだよなぁ。しかも、四天王であるディーヴァと懇意にしていたということは、ほぼ同格とみて差し支えないだろう。
「一応聞いておくが、その医者って言うのは世界を亡ぼすことのできる伝説の龍とか、世界の始まりから生きてる伝説の大樹とか、センスのかけらもない歌を聞いたら廃人になる堕天使とか、そういう類の奴じゃないよな?」
「一応聞いておきますが、最後のは私の事ではありませんわよね?」
何のことかわからないがなぜか頭を叩かれた。
「会社には在籍していましたが、当時は医務室の担当だったので親しかっただけですわ。後はまあ、知り合いの息子……娘? だから個人的な付き合いもありましたけど」
「え、性別があやふやなんですか?」
「あと少しテカテカしていますわ」
「テカテカ?」
「ガチャガチャもしていますわね」
「「ガチャガチャ!?」」
まとめるとテカテカしてガチャガチャしてる男か女かわからないお医者さんらしい。なるほど、全然想像がつかない。
だがまあ、出会い頭に命の危機に陥る可能性は低いようだ。
────医者に会いに行く時の覚悟ではないと思うが。
「あ、着きましたわよ。【MINATSUクリニック(笑)】ですわ」
「…………召喚者関係かぁ」
俺は頭痛に眉間を抑えた。
ツッコみどころはいろいろあるが、まず看板の表記がアルファベットと日本語である。この世界では一般的に使われていない古代文字の類で、使うのは歴史学者が召喚者ぐらいの物だろう。
医者が歴史学者を兼任しているとは思えないので、ここは召喚者の線を疑ってかかるのは当然である。
そして何よりも俺の突っ込み魂に火をつけたのは、一番最後に書いてある死語である。
「なんだよ(笑)って。医者が使っちゃいけないワードだろ」
「看板から悪ふざけの気配を感じたのは生まれて初めてです」
「もうずいぶん昔からこの看板ですし、私としましてはもう慣れましたわ」
長寿なディーヴァが言うのだから、数百年単位の昔からなのだろうな。
「それでも腕は確かですし、ふざけていたのは私の知人で先代ですから大丈夫ですわよ」
「確かに看板はともかく、病院の外見は普通ですもんね」
巨大な病院が隣にあって、驚いた後に目的地は隣の小さな方だというお約束もなく、先ほどまでいたおどろおどろしいメイド喫茶のような外見と言うこともなく。
普通の民間医院。大きくもなく小さくもない、何の特徴もないただの病院。
正直もっとインパクトのある外見ならばリアクションの取りようもあるのだが、ツッコみどころがあるのは看板くらいの物だった。
「────はっ!? こ、心のどこかでボケを期待している俺がいる!?」
「職業病ですわねぇ」
「俺は漫才師のツッコみ役じゃないんだよなぁ……」
自分のおかしな修正にため息をつきつつ、いよいよ約束の時間を過ぎそうだったので俺たちは病院の扉に手をかけた。
扉の先には、やはり何の変哲もない病院の受付が広がっていた。
「失礼しまーす、マオーさんの紹介で来ました、サトーとルーンと言いますがー」
『ハーイ。今参りマスのでお待チくださーイ』
受付の奥から聞こえるやけにこもった声。少しばかりたどたどしい印象を受ける声は、言われた通り待っているとすぐに近くへとやってきた。
それはテカテカと光沢光る、足音はガチャガチャとやかましい────ロボットであった。
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