3 / 230
第一章 まるで無意味な召喚者
CASE1 ジュリアス・フロイライン その2
しおりを挟む
疲れた。
さすがに相談所を独占されるわけにはいかないので、あの後ジュリアスにはお引き取り願い、次の相談者へと移った。まあどれもこれも平凡な悩みだった。
依頼の難度が高すぎるとか、賃金が安すぎるとか、受付に女を増やせとか。
最後のは俺も納得だけど、ルーンがいるだろ。それで満足しとけよコノヤロー。
ともかく、いちゃもんに近い相談が多いものの、ジュリアスの長話以外は大体そう大変なものではない。まったく、彼女が居なければどれほど楽な仕事なのだろうか。この程度のストレスで辞めていった4割の職員たちに「バカめ」と言ってやりたい。
だが問題のジュリアス・フロイライン。あれだけで体力の8割は持っていかれた。
これが毎日続くわけだからたまった物じゃない。死ぬわ。だから前言は撤回しておこう。
だけどこれからはプライベートタイム。俺はギルドの夜の姿の酒場、その二階にある宿泊施設の一室を生活用に借りている。夜は騒がしい場所で、普通ギルド職員が借りるような場所ではないが、酒場の営業時間内は俺も酒場を利用しているから結構便利なのだ。
仕事が終わって飯を食い、風呂に入って酒を飲む。
仕事がある日は大体このサイクルだ。
異世界に来てまでやることではないが、非常に健康的で充実した人生だと思ってる。
制服から私服に着替えていざ出陣。
俺は勢いよくドアを開いた。
「ギャン!」
女性の叫びが聞こえた。
それも俺の目の前で、真っ赤な髪を持ったジュリアス・フロイラインのようないでたちの女性から発せられたものだった。
…………と言うか本人だった。
まさかと思うが、勤務時間外にまで相談をしに来たのではあるまいな。
……いや、そんなことはないか。
ここは冒険者もよく使う宿泊施設だし、たまたまジュリアスが近くの部屋を借りたと言うだけのことだろう。
「あ、あの……実は相談があって」
相談だった。
「ドアの前に立ってると危ないですよ? 気を付けてくださいね。じゃ、僕はこれで」
「ちょ、ちょっと待ってくれサトー! 後生だから話を……」
「サトー? 人違いじゃないですか? 僕の名前はママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世と言います」
「誰だそれ!? 絶対に適当に考えただろその名前! もう一度言ってみろ!」
「ママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世です」
良し噛まずに言えた。
「ぐぬぬ……た、頼むサトー。もうほかに行くところがないんだ」
今度は泣き落としに来たかこの女。ホント勘弁してもらいたい。
俺は仕事とプライベートはハッキリと分けるタイプなんだ。
仕事で胃腸を攻撃してくる危険人物を、私生活の中でまで受け入れることは断固遠慮願いたい。
「だから人違いです。行くところがないなら明日にでもギルドを尋ねてみればよいのでは? 仕事の斡旋ならそこでしてもらえるでしょう。それなら宿泊費ぐらいは稼げると思いますし」
「違うんだ! 宿泊費に困ってはいないし、今夜のは愚痴じゃない! 本当に切羽詰まってるんだ! 助けてくれサトー!」
「ええいしつこい! だから俺はサトーじゃないって言ってるだろうが! ママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世だっつーの!」
よっしゃ言えた!
「後生だからー! お願いだサトー! うわーん!」
「ええいよせ! 鼻水を服に着けるな! 俺はママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世だー!」
おっしゃあ言えたー!!
場所は変わって酒場。
ガヤガヤとにぎわった、ゲームとかでよくありそうな場所に、俺とジュリアスはやってきた。
宿場で大声を出し合っていてはほかの客の迷惑になるし、実際部屋から続々と屈強な冒険者たちが出てきて殺気のこもった視線を送ってきたのだ。もうこれはどうしようもあるまい。
顔面涙と鼻水でまみれた美人を連れてテーブルへと座ると、注文を取りに店員がやってきた。顎ひげを蓄えた割と若いイケメンウェイターである。
「お、なんだサトー。女連れとは珍しい。とうとうお前も女を泣かせるような年頃になったか?」
「うるさい黙れ、そんな良いもんじゃないんだよ殺すぞ」
「お、おう。えらくご機嫌斜めだな……じゃ、じゃあいつもの酒持ってくるよ。君も同じのでいいかな」
「ぐすっ、ああ。私もそれで…………あっ、いや! すまない、私は飲み物は結構だ」
そそくさとその場を後にするウェイターをよそに、俺はとっとと話を終わらせてゆっくりとした晩酌を取るべくジュリアスの顔をまっすぐに見た。
…………ちくしょー! なんでこんな美人がこんなに残念なんだ!
実際こんな厄介な性格でなければ一緒に酒を飲むなんてご褒美以外の何でもないのに!
「で? 人の私生活をぶっ潰してまで切羽詰まる用事ってなんだ? くだらない用事だったら張っ倒すぞ」
「実は…………あ、いや、その前に」
「ん? なんだ?」
「なんかいつもと性格違わないか? いつもはもっと優しげな雰囲気だけど」
「そりゃそうだ。何せプライベートだからな!」
「…………すまない」
謝るくらいならとっとと要件を吐き出して帰ってほしい。そして俺を家に帰らせてほしい。
「用というのはな……これなんだが」
そう言ってジュリアスは携えていた剣をカウンターの上へと置いた。
えらくカラフルで、見た人間のうち99%が「趣味が悪い」というような変な装飾が存分に拵えられたロングソードだった。
「この剣がどうかしたのか? まあ随分と趣味が悪い……ん?」
詳しく見ようと剣を受け取ったはいいものの、なぜかジュリアスはその剣を離そうとはしなかった。鞘にかけられた手はしっかりと握られており、詳細を見るには非常にやりづらい。
「おいなんだ、離せよ」
「――――――んだ」
「あ?」
「は、離せないんだ」
…………は?
ジュリアスが言った意味を理解しようと脳みそを回転させる。
……うん、意味が分からない。
「離したくない」なら、新品の剣を買った冒険者なら時々見かけたりするだろうが、「離せない」となると話は別だ。
「えーっと……つまり?」
『おい貴様! 拙者の姫に気安く触るなでござる! 無礼者!』
「ん?」
なんだろう、今おかしな声が聞こえた気がした。やけに質の悪いマイクを通したようなハウリングのかかった野太い声だ。
加えて言うなら、声が直接脳みそに響いて不快になるような汚い重低音。
この声の持ち主は息がすさまじく臭いに違いないと確信を持たせてしまうような嫌な声だ。
そんな声が…………剣から聞こえた。
『黙って聞いて居れば、先ほどからおなごに対して失礼でござるぞサトー氏! あ、サトー氏と呼ばせていただくが構わないでござるか?』
「…………構うからちょっとだけ黙っててくれるか?」
あー…………こいつ、転生者だ。
この世界にやってくる地球人は大きく分けて2種類。
召喚者と転生者。
召喚者はこの俺。
地球での姿かたちをそのままに、異世界に放り出される人間のこと。
大抵は女神さまから特別な力を授かっていて、冒険者になって無双してるやつが多い。
俺はどちらかと言うと例外の部類。
転生者はこの剣。
地球で死んで、異世界に新しい命として生まれてくる人間のこと。
こちらも大抵は女神さまから特別な力を授かっており、いろんな技術革新を起こす奴らが多い。
そしてどちらかと言うと、この世界は転生者が多い。多いと言っても、人口の絶対数からすれば微々たるものなのだが、ほとんどの転生者はそれはもう派手に動き回るのですごく目立つのだ。
逆に召喚者は数が少ない。
そりゃ何百人も勇者レベルの冒険者が現れてしまっては冒険者システムが崩壊してしまうから数を絞るのは当然だろう。
もしかしたらすごい人数がいるが、街にたどり着く前に野垂れ死にしている奴らが大半なのでは、とも俺は考察している。
ちなみに現在、店内には俺を除いてもう一人召喚者がいる。
店の奥で美少女に囲まれて全身真っ黒な衣装に身を包んで「やれやれ」が口癖の自称平凡な男。
俺の機嫌が悪い理由の一端であるが、この話はまたにしよう。
転生者の特徴として挙げられることは、その形を選ばないということだ。
好き好んでモンスターに転生するやつもいれば、目の前の輩のように、剣みたいな無機物に転生する馬鹿もいるのである。
「な、なあサトー。こいつを引きがす方法はないのか? この辺りにまともに相談できる人間はお前だけなんだ」
『ちょっとちょっとー、その言い方はないでござるよ姫ー! さすがの拙者も傷ついちゃうぞ! デュフフ』
「うーーー!」
あ、鳥肌。ジュリアスも面倒くさい奴にとりつかれたものだ。
転生者ってやつは、選民思想っていうか「自分は神に選ばれた特別な存在」ってこじらせてるやつが結構いる。
だから目立つわけだ。この世界の仕組みを知らないくせに、やたら上から目線で「これはこうすればいいんだぜ!」と貴族とか王族とかに遠慮なしに物申すのだ。
もちろんそんな奴らは速攻で斬首だが。
恐らく目の前の剣も同じ部類。勘違いで状況の見えてないイタい人。
「……まずその剣を手にした経緯を説明しろ」
「ぐすっ……ああ。あれはそう……今日ギルドから帰る途中のことだったんだが――」
回想
帰り道、道すがらに行商人らしき人が私に声をかけてきたんだ
「そこの赤い髪をしたお嬢さん、何を悲しんでいるんだい?」
「ぐすっ……実はカクカクシカジカで……」
「なんとそれはかわいそうに。だけどそんなお嬢さんに朗報だ。実は先日手に入れたばかりなんだが『手にするだけで剣聖になれる魔剣』を……」
「買ったぁ!!」
「早ぇーよ!!!」
回想終わり
あまりの展開の早さに回想中だが突っ込んでしまった。最後のツッコミは俺のものだ。
「いや早い早い!! ていうか浅い!! お前マジか! マジもんのアホなのか!? 怪しさ満点だろその行商人! なんで買った!?」
「だって! サトーにいくら相談してもまともに取り合ってくれなかったし、わらをも掴む思いだったんだ! そ、それに……持ってた剣を下取りすればすごく安かったし……」
こいつダメだ。もうどうしようもない……
あの新品同然の剣すら手放してやがった。お前剣士になりたいんじゃなかったのかよ。いや、話を聞くに剣士になりたいから手放したらしいが……
『申し遅れたが我が名はエクスカリバー! 女神より授かったすべてを切り裂き天候さえ自在に操る魔剣! 拙者が居れば魔王軍など恐れるに足らんのでござる!』
「うるせぇ! 急になんだ話に入ってくるなよ! お前の名前とか興味ないからちょっと黙ってろよ! あとサトー氏って呼ぶな!」
『何をカリカリしてるんでござるかサトー氏~。カルシウムが足りてないのではござらんか?』
バンッ!
俺は机を叩きつけ、その反動で立ち上がる。そして酒場の出口へと向かった。
「え、サトー! どこへ……」
「ちょっと鍛冶屋に溶鉱炉動かしてもらうように頼んでくる」
ウザさここに極まれり。
これ以上この不快な剣と会話するのは俺の精神衛生上よろしくない。
ドロドロの溶鉱炉に突っ込んでアイルビーバックと言う間もやらずに溶かしてくれる。
「ま、待ってくれサトー! そんなことをされたら私まで燃えてしまう! 私はこの剣を手放せないんだぞ!」
俺はジュリアスの両肩をつかんで、その真紅の瞳をまっすぐに見つめる。真っ白な頬が髪と同じ真っ赤に染まり、表情からは困惑の感情が見て取れた。
「な、なにを……」
「ジュリアス――――必要な犠牲なんだ」
「犠牲になるのは私だ!!」
平手打ちを喰らった。
なぜだ? (俺の精神衛生が改善されるのに)必要な犠牲じゃないか。何かおかしなことを言ったかな。
はぁはぁと肩で息をするジュリアスは、だんだんと呼吸を整えて改めて俺を見据えた。その瞳にはうっすらと涙が貯められていて、かつ俺に対する怒りの成分が含まれていた。
「いい加減本題に入らせてくれないか!」
「分かった。分かったからその剣先をこっちに向けるのはやめてくれ」
説明中
ジュリアスの説明をまとめるとこうだ。
聖剣だか魔剣だかのエクス何とかは、一度手にするとその身から取り外すことができなくなる。
それも伝説レベルの呪いであり、そこらを歩いているような冒険者程度の解呪魔法では歯が立たないらしい。
おまけに四六時中話しかけてくるこの剣は、言っていることは”オタク”だの何だのと意味不明で脈絡が無く、大変ストレスが溜まるそうだ。
いつも話しかけてくるものだから、街を歩くことすら億劫で、ここにやってくる時ですら人通りを避けて相当遠回りしたそうだ。
そんなわけだから、この気持ちの悪い剣を早急に手放したいとのことらしい。
「で、それでなんで俺のところに来るんだよ。解呪関連のことなら教会に行けばいいだろうが」
「この時間じゃ開いてなくって……」
俺だって仕事終わってるんだけど。
「だったら明日の朝にでも行けば……っと、そういえば司祭様が出かけてるって話だったな。まあ何日かしたら戻るだろ」
「それじゃダメなんだ!」
テーブル越しにジュリアスが迫る。顔が近い。残念であっても美人は美人である。さすがにドキドキしてしまった。
迫った美人の顔面は、真剣そのものでやや涙が瞳にたまっている。これは本当に急を要する案件なのかもしれない。さすがに軽くあしらいすぎたか? これほど真剣ならば俺だって真剣に聞いてやろう。
「トイレに行けないんだ」
……
…………
………………は?
「行けばいいじゃん」
至極まっとうな反応である。
「行けばいいじゃん」
「なんで二回言った!? 行けるわけないだろ! トイレに入る時も一緒なんだぞ! 手放せないんだから!」
ははーん。ようやく理解した。つまりあれだ、羞恥心ってやつだ。
剣を手放せないってことはつまりトイレ内に持ち込まなければいけないということで、それすなわちアレな行為を見られてしまうわけで、加えてそれを見るのが見るからに(てか聞くからに)変態チックなオタク野郎であるからして結論を言うと。
「行けばいいじゃん」
「まさかの三回目!? 理解しておきながらそれなのか! この薄情者!!」
薄情も何も聞けば聞くほど俺には関係のないことじゃないか。
むしろ関係があったとしてもアホらし過ぎて同じ発言をするだろう。
トイレに行けない?
否。トイレに行かないだけだろう?
羞恥心? 乙女の恥じらい? 俺の知ったことか!
「行けば……」
「四回目を言おうものならこの剣の切れ味、ここで試してもいいんだぞ」
「ごめん調子に乗った」
さすがに剣を向けられてしまえばどうしようもなかった。
剣士を目指すポンコツ冒険者であろうが、俺の戦闘能力は皆無なのである。
「じゃあひとまずトイレに行ければいいんだな? それさえクリアすれば司祭様が帰ってくるまで我慢できると?」
「ああ。風呂にも入りたいが、そちらはひとまず数日なら我慢できる」
『水臭いですぞ姫。拙者はトイレであろうと風呂であろうと、同伴することは一向にかまわんでござるよ! デュフフ』
「よし。こいつは無視して、ひとまず解決方法を探ろう。まずはアレだ、目隠しだな」
現状打破作戦その一 目隠し
布を剣にぐるぐる巻きにして視覚をシャットアウト。見えなければどうということはない。
『関係ない話だがサトー氏。拙者の無限大の中二設定のスキル、その内の一つである『千里眼』を使えば布などないも同然! もちろん全く関係はないでござるがな!!』
「うう……っ!」
ジュリアスが鳥肌をさすって涙を浮かべている。まあ解るよ、気持ち悪いもんな。
「す、スキルもそうだがサトー。それだとその……音が……」
「ダメか」
現状打破作戦その一 失敗
「目隠しがダメってなると、片手だけトイレから出してってのも無理そうだな。うーん…………ひとまず、問題をひとつずつ潰していこう。視覚は後回しだ」
現状打破作戦その二 大声
とにかく大声で歌うなり叫ぶなりしてアレな行為の音をかき消す。
近所迷惑甚だしい。
『フッフッフ! そんなもの拙者のスキル、『音声摘出』を使えば雑音など物の数ではない! くっきりはっきり対象の音のみを拾って見せるでござる! あ、もちろん関係はないでござるが』
「うう……っ!」
「ダメか!」
現状打破作戦その二 失敗
「もうだめだ……このまま膀胱が破裂して死んでしまうんだ。もしくは公衆の面前で恥をさらしてしまうんだ……ぐすっ」
「可能性としては後者が高いな。というかそんなことになる前にトイレ行っとけよ」
『乙女の恥じらいと言うものを理解してないでござるな―サトー氏。乙女にとっては死よりも優先すべきことなのですぞ』
元凶のお前がそれを言うのか。
「ええい! こうなりゃ最終手段! 剣を持った状態で腕ぶった斬ってトイレに駆け込め!! その後で誰かに回復魔法をかけてもらえばいい!」
『無駄でござるサトー氏! 拙者のスキルである『自動反撃』と『肉体再生》』を組み合わせた『絶対無欠の肉体』を使えば姫の体には傷一つ……』
「ああわかったよ無理なんだろ!? っていうかてめぇ! 女神からいくつスキルもらってんだ! 俺なんて一つももらってないどころか女神に会ってさえもいないのに!!」
『お? もしかしてサトー氏、嫉妬でござるか? 男の嫉妬は醜いでござるぞー』
俺はめい一杯眉間にしわを寄せながら椅子を持ち上げた。丸太をほど良い高さに切り取っただけの素朴な椅子は、並みの剣をへし折るには十分な重量を持ち合わせているのだ。
「や、やめろサトー! 私は最下級職ですらないんだぞ!? そんなものをぶつけられたら死んでしまう!!」
『心配なさるな姫! 拙者の『自動防御』を使えばこの程度の……』
「「それはもういい!!」」
さすがに相談所を独占されるわけにはいかないので、あの後ジュリアスにはお引き取り願い、次の相談者へと移った。まあどれもこれも平凡な悩みだった。
依頼の難度が高すぎるとか、賃金が安すぎるとか、受付に女を増やせとか。
最後のは俺も納得だけど、ルーンがいるだろ。それで満足しとけよコノヤロー。
ともかく、いちゃもんに近い相談が多いものの、ジュリアスの長話以外は大体そう大変なものではない。まったく、彼女が居なければどれほど楽な仕事なのだろうか。この程度のストレスで辞めていった4割の職員たちに「バカめ」と言ってやりたい。
だが問題のジュリアス・フロイライン。あれだけで体力の8割は持っていかれた。
これが毎日続くわけだからたまった物じゃない。死ぬわ。だから前言は撤回しておこう。
だけどこれからはプライベートタイム。俺はギルドの夜の姿の酒場、その二階にある宿泊施設の一室を生活用に借りている。夜は騒がしい場所で、普通ギルド職員が借りるような場所ではないが、酒場の営業時間内は俺も酒場を利用しているから結構便利なのだ。
仕事が終わって飯を食い、風呂に入って酒を飲む。
仕事がある日は大体このサイクルだ。
異世界に来てまでやることではないが、非常に健康的で充実した人生だと思ってる。
制服から私服に着替えていざ出陣。
俺は勢いよくドアを開いた。
「ギャン!」
女性の叫びが聞こえた。
それも俺の目の前で、真っ赤な髪を持ったジュリアス・フロイラインのようないでたちの女性から発せられたものだった。
…………と言うか本人だった。
まさかと思うが、勤務時間外にまで相談をしに来たのではあるまいな。
……いや、そんなことはないか。
ここは冒険者もよく使う宿泊施設だし、たまたまジュリアスが近くの部屋を借りたと言うだけのことだろう。
「あ、あの……実は相談があって」
相談だった。
「ドアの前に立ってると危ないですよ? 気を付けてくださいね。じゃ、僕はこれで」
「ちょ、ちょっと待ってくれサトー! 後生だから話を……」
「サトー? 人違いじゃないですか? 僕の名前はママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世と言います」
「誰だそれ!? 絶対に適当に考えただろその名前! もう一度言ってみろ!」
「ママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世です」
良し噛まずに言えた。
「ぐぬぬ……た、頼むサトー。もうほかに行くところがないんだ」
今度は泣き落としに来たかこの女。ホント勘弁してもらいたい。
俺は仕事とプライベートはハッキリと分けるタイプなんだ。
仕事で胃腸を攻撃してくる危険人物を、私生活の中でまで受け入れることは断固遠慮願いたい。
「だから人違いです。行くところがないなら明日にでもギルドを尋ねてみればよいのでは? 仕事の斡旋ならそこでしてもらえるでしょう。それなら宿泊費ぐらいは稼げると思いますし」
「違うんだ! 宿泊費に困ってはいないし、今夜のは愚痴じゃない! 本当に切羽詰まってるんだ! 助けてくれサトー!」
「ええいしつこい! だから俺はサトーじゃないって言ってるだろうが! ママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世だっつーの!」
よっしゃ言えた!
「後生だからー! お願いだサトー! うわーん!」
「ええいよせ! 鼻水を服に着けるな! 俺はママルカルドルフセルリシアンナノカミタロウ18世だー!」
おっしゃあ言えたー!!
場所は変わって酒場。
ガヤガヤとにぎわった、ゲームとかでよくありそうな場所に、俺とジュリアスはやってきた。
宿場で大声を出し合っていてはほかの客の迷惑になるし、実際部屋から続々と屈強な冒険者たちが出てきて殺気のこもった視線を送ってきたのだ。もうこれはどうしようもあるまい。
顔面涙と鼻水でまみれた美人を連れてテーブルへと座ると、注文を取りに店員がやってきた。顎ひげを蓄えた割と若いイケメンウェイターである。
「お、なんだサトー。女連れとは珍しい。とうとうお前も女を泣かせるような年頃になったか?」
「うるさい黙れ、そんな良いもんじゃないんだよ殺すぞ」
「お、おう。えらくご機嫌斜めだな……じゃ、じゃあいつもの酒持ってくるよ。君も同じのでいいかな」
「ぐすっ、ああ。私もそれで…………あっ、いや! すまない、私は飲み物は結構だ」
そそくさとその場を後にするウェイターをよそに、俺はとっとと話を終わらせてゆっくりとした晩酌を取るべくジュリアスの顔をまっすぐに見た。
…………ちくしょー! なんでこんな美人がこんなに残念なんだ!
実際こんな厄介な性格でなければ一緒に酒を飲むなんてご褒美以外の何でもないのに!
「で? 人の私生活をぶっ潰してまで切羽詰まる用事ってなんだ? くだらない用事だったら張っ倒すぞ」
「実は…………あ、いや、その前に」
「ん? なんだ?」
「なんかいつもと性格違わないか? いつもはもっと優しげな雰囲気だけど」
「そりゃそうだ。何せプライベートだからな!」
「…………すまない」
謝るくらいならとっとと要件を吐き出して帰ってほしい。そして俺を家に帰らせてほしい。
「用というのはな……これなんだが」
そう言ってジュリアスは携えていた剣をカウンターの上へと置いた。
えらくカラフルで、見た人間のうち99%が「趣味が悪い」というような変な装飾が存分に拵えられたロングソードだった。
「この剣がどうかしたのか? まあ随分と趣味が悪い……ん?」
詳しく見ようと剣を受け取ったはいいものの、なぜかジュリアスはその剣を離そうとはしなかった。鞘にかけられた手はしっかりと握られており、詳細を見るには非常にやりづらい。
「おいなんだ、離せよ」
「――――――んだ」
「あ?」
「は、離せないんだ」
…………は?
ジュリアスが言った意味を理解しようと脳みそを回転させる。
……うん、意味が分からない。
「離したくない」なら、新品の剣を買った冒険者なら時々見かけたりするだろうが、「離せない」となると話は別だ。
「えーっと……つまり?」
『おい貴様! 拙者の姫に気安く触るなでござる! 無礼者!』
「ん?」
なんだろう、今おかしな声が聞こえた気がした。やけに質の悪いマイクを通したようなハウリングのかかった野太い声だ。
加えて言うなら、声が直接脳みそに響いて不快になるような汚い重低音。
この声の持ち主は息がすさまじく臭いに違いないと確信を持たせてしまうような嫌な声だ。
そんな声が…………剣から聞こえた。
『黙って聞いて居れば、先ほどからおなごに対して失礼でござるぞサトー氏! あ、サトー氏と呼ばせていただくが構わないでござるか?』
「…………構うからちょっとだけ黙っててくれるか?」
あー…………こいつ、転生者だ。
この世界にやってくる地球人は大きく分けて2種類。
召喚者と転生者。
召喚者はこの俺。
地球での姿かたちをそのままに、異世界に放り出される人間のこと。
大抵は女神さまから特別な力を授かっていて、冒険者になって無双してるやつが多い。
俺はどちらかと言うと例外の部類。
転生者はこの剣。
地球で死んで、異世界に新しい命として生まれてくる人間のこと。
こちらも大抵は女神さまから特別な力を授かっており、いろんな技術革新を起こす奴らが多い。
そしてどちらかと言うと、この世界は転生者が多い。多いと言っても、人口の絶対数からすれば微々たるものなのだが、ほとんどの転生者はそれはもう派手に動き回るのですごく目立つのだ。
逆に召喚者は数が少ない。
そりゃ何百人も勇者レベルの冒険者が現れてしまっては冒険者システムが崩壊してしまうから数を絞るのは当然だろう。
もしかしたらすごい人数がいるが、街にたどり着く前に野垂れ死にしている奴らが大半なのでは、とも俺は考察している。
ちなみに現在、店内には俺を除いてもう一人召喚者がいる。
店の奥で美少女に囲まれて全身真っ黒な衣装に身を包んで「やれやれ」が口癖の自称平凡な男。
俺の機嫌が悪い理由の一端であるが、この話はまたにしよう。
転生者の特徴として挙げられることは、その形を選ばないということだ。
好き好んでモンスターに転生するやつもいれば、目の前の輩のように、剣みたいな無機物に転生する馬鹿もいるのである。
「な、なあサトー。こいつを引きがす方法はないのか? この辺りにまともに相談できる人間はお前だけなんだ」
『ちょっとちょっとー、その言い方はないでござるよ姫ー! さすがの拙者も傷ついちゃうぞ! デュフフ』
「うーーー!」
あ、鳥肌。ジュリアスも面倒くさい奴にとりつかれたものだ。
転生者ってやつは、選民思想っていうか「自分は神に選ばれた特別な存在」ってこじらせてるやつが結構いる。
だから目立つわけだ。この世界の仕組みを知らないくせに、やたら上から目線で「これはこうすればいいんだぜ!」と貴族とか王族とかに遠慮なしに物申すのだ。
もちろんそんな奴らは速攻で斬首だが。
恐らく目の前の剣も同じ部類。勘違いで状況の見えてないイタい人。
「……まずその剣を手にした経緯を説明しろ」
「ぐすっ……ああ。あれはそう……今日ギルドから帰る途中のことだったんだが――」
回想
帰り道、道すがらに行商人らしき人が私に声をかけてきたんだ
「そこの赤い髪をしたお嬢さん、何を悲しんでいるんだい?」
「ぐすっ……実はカクカクシカジカで……」
「なんとそれはかわいそうに。だけどそんなお嬢さんに朗報だ。実は先日手に入れたばかりなんだが『手にするだけで剣聖になれる魔剣』を……」
「買ったぁ!!」
「早ぇーよ!!!」
回想終わり
あまりの展開の早さに回想中だが突っ込んでしまった。最後のツッコミは俺のものだ。
「いや早い早い!! ていうか浅い!! お前マジか! マジもんのアホなのか!? 怪しさ満点だろその行商人! なんで買った!?」
「だって! サトーにいくら相談してもまともに取り合ってくれなかったし、わらをも掴む思いだったんだ! そ、それに……持ってた剣を下取りすればすごく安かったし……」
こいつダメだ。もうどうしようもない……
あの新品同然の剣すら手放してやがった。お前剣士になりたいんじゃなかったのかよ。いや、話を聞くに剣士になりたいから手放したらしいが……
『申し遅れたが我が名はエクスカリバー! 女神より授かったすべてを切り裂き天候さえ自在に操る魔剣! 拙者が居れば魔王軍など恐れるに足らんのでござる!』
「うるせぇ! 急になんだ話に入ってくるなよ! お前の名前とか興味ないからちょっと黙ってろよ! あとサトー氏って呼ぶな!」
『何をカリカリしてるんでござるかサトー氏~。カルシウムが足りてないのではござらんか?』
バンッ!
俺は机を叩きつけ、その反動で立ち上がる。そして酒場の出口へと向かった。
「え、サトー! どこへ……」
「ちょっと鍛冶屋に溶鉱炉動かしてもらうように頼んでくる」
ウザさここに極まれり。
これ以上この不快な剣と会話するのは俺の精神衛生上よろしくない。
ドロドロの溶鉱炉に突っ込んでアイルビーバックと言う間もやらずに溶かしてくれる。
「ま、待ってくれサトー! そんなことをされたら私まで燃えてしまう! 私はこの剣を手放せないんだぞ!」
俺はジュリアスの両肩をつかんで、その真紅の瞳をまっすぐに見つめる。真っ白な頬が髪と同じ真っ赤に染まり、表情からは困惑の感情が見て取れた。
「な、なにを……」
「ジュリアス――――必要な犠牲なんだ」
「犠牲になるのは私だ!!」
平手打ちを喰らった。
なぜだ? (俺の精神衛生が改善されるのに)必要な犠牲じゃないか。何かおかしなことを言ったかな。
はぁはぁと肩で息をするジュリアスは、だんだんと呼吸を整えて改めて俺を見据えた。その瞳にはうっすらと涙が貯められていて、かつ俺に対する怒りの成分が含まれていた。
「いい加減本題に入らせてくれないか!」
「分かった。分かったからその剣先をこっちに向けるのはやめてくれ」
説明中
ジュリアスの説明をまとめるとこうだ。
聖剣だか魔剣だかのエクス何とかは、一度手にするとその身から取り外すことができなくなる。
それも伝説レベルの呪いであり、そこらを歩いているような冒険者程度の解呪魔法では歯が立たないらしい。
おまけに四六時中話しかけてくるこの剣は、言っていることは”オタク”だの何だのと意味不明で脈絡が無く、大変ストレスが溜まるそうだ。
いつも話しかけてくるものだから、街を歩くことすら億劫で、ここにやってくる時ですら人通りを避けて相当遠回りしたそうだ。
そんなわけだから、この気持ちの悪い剣を早急に手放したいとのことらしい。
「で、それでなんで俺のところに来るんだよ。解呪関連のことなら教会に行けばいいだろうが」
「この時間じゃ開いてなくって……」
俺だって仕事終わってるんだけど。
「だったら明日の朝にでも行けば……っと、そういえば司祭様が出かけてるって話だったな。まあ何日かしたら戻るだろ」
「それじゃダメなんだ!」
テーブル越しにジュリアスが迫る。顔が近い。残念であっても美人は美人である。さすがにドキドキしてしまった。
迫った美人の顔面は、真剣そのものでやや涙が瞳にたまっている。これは本当に急を要する案件なのかもしれない。さすがに軽くあしらいすぎたか? これほど真剣ならば俺だって真剣に聞いてやろう。
「トイレに行けないんだ」
……
…………
………………は?
「行けばいいじゃん」
至極まっとうな反応である。
「行けばいいじゃん」
「なんで二回言った!? 行けるわけないだろ! トイレに入る時も一緒なんだぞ! 手放せないんだから!」
ははーん。ようやく理解した。つまりあれだ、羞恥心ってやつだ。
剣を手放せないってことはつまりトイレ内に持ち込まなければいけないということで、それすなわちアレな行為を見られてしまうわけで、加えてそれを見るのが見るからに(てか聞くからに)変態チックなオタク野郎であるからして結論を言うと。
「行けばいいじゃん」
「まさかの三回目!? 理解しておきながらそれなのか! この薄情者!!」
薄情も何も聞けば聞くほど俺には関係のないことじゃないか。
むしろ関係があったとしてもアホらし過ぎて同じ発言をするだろう。
トイレに行けない?
否。トイレに行かないだけだろう?
羞恥心? 乙女の恥じらい? 俺の知ったことか!
「行けば……」
「四回目を言おうものならこの剣の切れ味、ここで試してもいいんだぞ」
「ごめん調子に乗った」
さすがに剣を向けられてしまえばどうしようもなかった。
剣士を目指すポンコツ冒険者であろうが、俺の戦闘能力は皆無なのである。
「じゃあひとまずトイレに行ければいいんだな? それさえクリアすれば司祭様が帰ってくるまで我慢できると?」
「ああ。風呂にも入りたいが、そちらはひとまず数日なら我慢できる」
『水臭いですぞ姫。拙者はトイレであろうと風呂であろうと、同伴することは一向にかまわんでござるよ! デュフフ』
「よし。こいつは無視して、ひとまず解決方法を探ろう。まずはアレだ、目隠しだな」
現状打破作戦その一 目隠し
布を剣にぐるぐる巻きにして視覚をシャットアウト。見えなければどうということはない。
『関係ない話だがサトー氏。拙者の無限大の中二設定のスキル、その内の一つである『千里眼』を使えば布などないも同然! もちろん全く関係はないでござるがな!!』
「うう……っ!」
ジュリアスが鳥肌をさすって涙を浮かべている。まあ解るよ、気持ち悪いもんな。
「す、スキルもそうだがサトー。それだとその……音が……」
「ダメか」
現状打破作戦その一 失敗
「目隠しがダメってなると、片手だけトイレから出してってのも無理そうだな。うーん…………ひとまず、問題をひとつずつ潰していこう。視覚は後回しだ」
現状打破作戦その二 大声
とにかく大声で歌うなり叫ぶなりしてアレな行為の音をかき消す。
近所迷惑甚だしい。
『フッフッフ! そんなもの拙者のスキル、『音声摘出』を使えば雑音など物の数ではない! くっきりはっきり対象の音のみを拾って見せるでござる! あ、もちろん関係はないでござるが』
「うう……っ!」
「ダメか!」
現状打破作戦その二 失敗
「もうだめだ……このまま膀胱が破裂して死んでしまうんだ。もしくは公衆の面前で恥をさらしてしまうんだ……ぐすっ」
「可能性としては後者が高いな。というかそんなことになる前にトイレ行っとけよ」
『乙女の恥じらいと言うものを理解してないでござるな―サトー氏。乙女にとっては死よりも優先すべきことなのですぞ』
元凶のお前がそれを言うのか。
「ええい! こうなりゃ最終手段! 剣を持った状態で腕ぶった斬ってトイレに駆け込め!! その後で誰かに回復魔法をかけてもらえばいい!」
『無駄でござるサトー氏! 拙者のスキルである『自動反撃』と『肉体再生》』を組み合わせた『絶対無欠の肉体』を使えば姫の体には傷一つ……』
「ああわかったよ無理なんだろ!? っていうかてめぇ! 女神からいくつスキルもらってんだ! 俺なんて一つももらってないどころか女神に会ってさえもいないのに!!」
『お? もしかしてサトー氏、嫉妬でござるか? 男の嫉妬は醜いでござるぞー』
俺はめい一杯眉間にしわを寄せながら椅子を持ち上げた。丸太をほど良い高さに切り取っただけの素朴な椅子は、並みの剣をへし折るには十分な重量を持ち合わせているのだ。
「や、やめろサトー! 私は最下級職ですらないんだぞ!? そんなものをぶつけられたら死んでしまう!!」
『心配なさるな姫! 拙者の『自動防御』を使えばこの程度の……』
「「それはもういい!!」」
0
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
天才王子、引き篭もる……いや、引き篭もれない
戯言の遊び
ファンタジー
平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」
辺境に飛ばされた“元サラリーマン王子”、引き篭もるつもりが領地再生の英雄に――!
現代日本で社畜生活を送っていた青年・レオンは、ある日突然、
中世ヨーロッパ風の王国「リステリア」の第五王子として転生する。
怠惰で引き篭もり体質なレオンは、父王により“国の厄介払い”として
荒れ果てた辺境〈グレイア領〉の領主を任される。
だが、現代知識と合理的な発想で領内を改革していくうちに、
貧困の村は活気を取り戻し――気づけば人々からこう呼ばれていた。
『良領主様』――いや、『天才王子』と。
領民想いのメイド・ミリア、少女リィナ、そして個性派冒険者たちと共に、
引き篭もり王子のスローライフ(予定)は、今日もなぜか忙しい!
「平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」
社畜転生王子、引き篭もりたいのに領地がどんどん発展していく!
――働きたくないけど、働かざるを得ない異世界領主譚!
こちらは、以前使っていたプロットを再構成して投稿しています
是非、通学や通勤のお供に、夜眠る前のお供に、ゆるりとお楽しみ下さい
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
