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LUCK
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翌日土曜日、一一時過ぎ。
枝依中央ターミナル駅傍──ホテル・ブルーダッキー9F エグゼクティブルーム。
一般的な客室よりも豪華で、スイートルームよりはランクの低い『エグゼクティブルーム』。
その部屋のリビングスペースに通された小田蜜葉は、金髪碧眼の幼い双子へ、白緑色の使い込まれたB5ノートを差し出していた。その差し出す右手は、ガタガタと尋常でないほどに奮えている。
「あの、取れないよ、蜜葉」
そうして苦笑いを向けるのは、幼い双子のうちの兄の方──サム。ハッ、と気が付いた小田蜜葉は、きゅんと肩を縮み上げて、差し出していたはずのノートを胸に抱いた。
「ああっのっ! ご、ごめんなさいっ! そのっ、きっき緊張、しちゃってて、あの」
この日、小田蜜葉はYOSSY the CLOWNの宿泊している部屋に呼ばれた。前日の帰り際、「衣装を着せたい二人に会ってほしい」と言われたために、両親の包囲網からなんとか抜け出してきた。
YOSSY the CLOWNについては、両親には秘密にしている。事がどう動いていくかも定かではない上、両親から苦言を受ける瞬間についてなど考えたくはなかったためだ。
双子と小田蜜葉が引き会わせられ、簡単な自己紹介が日本語で行われると、サムは例によって右手を差し出し握手を求めた。小田蜜葉はポッと頬を染め、ぎこちない握手で応える。
一方エニーは、やはりサムの背に隠れていた。女性恐怖症はなかなか癒えない。名乗ったのみで、あとは口を固く噤んでしまっている。
そうして先の、B5ノートをサムへと差し出すところへ至ったわけで。
「ハハ、まあまあ。リラーックス、リラーックス」
軽い口調で、小田蜜葉の右側に立つYOSSY the CLOWN。何の気なしに、小田蜜葉の左肩へ腕を回した。
「えぁっ、やなっ、ぎ、ださん」
「『YOSSYさん』ってそろそろ呼んでくれない? ノート、貸してみせて」
するりと簡単にB5ノートを取られる小田蜜葉。流れるようにページが開かれ、サムへと優しく渡される。
「サム、エニー。この辺りのデザインを二人には特に見て欲しいなと思ってる」
日本語でゆっくり伝えるYOSSY the CLOWN。サムがくるりと深い灰緑の大きな瞳を向けた。
「見て、どうしたらいい?」
「一番気に入ったものを教えてほしいんだ」
「一番、気に入った、もの?」
確認するように、サムの後ろに隠れたエニーが細く英語で訊ね返す。「そうだよ」と満面の笑みのYOSSY the CLOWN。サムが大きく頷けば、双子は瞬く間にB5ノートへ意識を集中させていった。
「ね? これで一歩前進」
「は、はい……」
密着したままの小田蜜葉の右肩と、YOSSY the CLOWNの胸板。
小田蜜葉の左肩を抱く、YOSSY the CLOWNの大きな掌。
小田蜜葉の鼻腔に入る、YOSSY the CLOWNに焚き染みたお香の魅惑的な薫り。
「あ、あのォ」
「ん?」
「どっど、どうして、わたし、その、かか肩をだっ、抱かれて、いるのでしょうっ」
「どーしてって。僕がそうしたいから」
向けられている、無垢色のYOSSY the CLOWNの笑顔。ぐぬっと怯む小田蜜葉。
線の細いスーツジャケットの下に隠された彼の筋肉が、わずかな接着面からビシビシと感じ取れてしまう。他人馴れしていない彼女が、そこから男性性を意識しないわけもなく。
「あのっ。こ、困りますっ、反応にっ」
目を瞑り、俯いた末に身を捩る。するとYOSSY the CLOWNは、呆気なさすぎるほど素直に小田蜜葉を解放した。
「そう? じゃあこの先はまたの機会に」
またの機会なんて、と真っ赤になった顔を覆った。
胸が詰まる。
困惑してやまない。
さまざまな心の準備がままならないまま、YOSSY the CLOWNから四歩も五歩も突然距離を詰められたような心地がしているわけで。
「おお、お二人は、あの、柳田さんのご親族、でしょうか」
間を繋ぎたいと、顔を覆った指の隙間から問いかける小田蜜葉。ノートに集中している双子を温かいまなざしで見つめているYOSSY the CLOWN。
「うん。僕の息子と娘」
「おっ、お子さん、だったんですか……」
声に出し事実確認をすると、チクリと胸に傷を負った。YOSSY the CLOWNの左薬指を盗み見たものの、『そういう』指輪がはまっているどころか着けていた形跡もない。小田蜜葉の胸中に沸いた疑念の色が濃くなっていく。
「二人も芸ができるようになりたいって言ってくれてね。その際に着られるものを、って思ったわけ」
一旦疑念に目を背け、小田蜜葉はYOSSY the CLOWNを見上げる。
「芸……それって、柳田さんと、同じ『芸人になる』、ってことですか?」
「ただのパフォーマーじゃあないよ!」
割り込んだのはサム。小田蜜葉のノートから顔を上げ、キッと眉を吊っている。
「ヨッシーみたいな『世界的にスゴいパフォーマー』になるんだっ。ボクたちは」
まるでよく吠える小型犬のように、今にも噛み付かんとする一言。しかもなかなかに流暢で、小田蜜葉は目を丸くする。
「おやおや、これはこれは。ありがとう、サムくん。大変光栄ですよ」
「だってヨッシーは、ボクとエニーの、ええっと、『憧れ』なんだ」
「あと、ヨッシーは恩人、だから」
小さく付け加えられた、エニーの言葉。その真意がわからず、小田蜜葉は甘く首を捻る。
「ありがとう二人共。二人こそ、『俺』の恩人なんだけどな」
見たことのない笑みを向けるYOSSY the CLOWN。小田蜜葉には想像できないような、一口には語れない絆があるのだろうと覚るに留まる。
一度、ほんのりとエニーがYOSSY the CLOWNへのみ笑みを向け、再びノートへ目を落とす。サムも慌てて、ノートへと集中を戻した。
「わかってくれた? Signorina。僕が、本当に壇上で光を浴びることを前提としているんだってこと」
耳打ちに似た、ヒソヒソとした声量、近さ。胸の鼓動の速さに息が詰まるも、かけられている言葉の意味に緊張が増した。
「ホントの、舞台衣装に、選んでくださった、って、ことですか」
「もちろん」
そっと、優しく温かく笑むYOSSY the CLOWN。頭髪のブルーアッシュが眩しく映る。
「やっぱり自信ない? まぁ、すぐに自信がつくわけじゃないのは重々わかってるつもりだけど」
「も、そう、ですね……。恥ずかしいのも、まだありますし、その、怖い気持ちも、拭いきれて、ませんから」
腹の前で固く手を握り合わせ、視線を俯ける。
「ふとした誰かに認められたから突然自信が持てる、とか、そういう話じゃないよね」
不意にかけられた共感の語尾に、俯けていた顔を上げる小田蜜葉。
「結局は、一番始めにそういう想いを抱くきっかけになった人に肯定してもらわないと、僕もキミも、きっとガタガタ震えながら前に進むしかないんだと思うんだ」
「僕も、って、柳田さんも、なんですか?」
「実は少しね。あ、内緒にしてね。あと『YOSSYさん』だよ」
くす、とYOSSY the CLOWNに笑みを向けられる。しかしそれは、どちらかといえば私的な表情で。
「今『キミもそうなんだ』ってわかったら、なんかちょっと安心したなぁ。やっぱり、そろそろ日本に拠点を移すべきなのかもしれない」
そう小さく言ったYOSSY the CLOWNは、顎に手をやり薄く笑みを浮かべていた。
ハテナが続く小田蜜葉。何かのきっかけになったのだろうかとソワソワしてしまう。
「エニーはどっちが好き?」
「んー。えっと、こっち。サムは?」
「ボクも」
「ホント?」
「うん!」
「じゃあ、ダイジョブ」
「うん、決まり。蜜葉」
「はっ、はいっ!」
声を裏返し背筋を伸ばし、緊張と共にサムを向く。二歩分近寄ってきたサムへ、しゃがみこみ視線を合わせた小田蜜葉。
「きまっき、決まり、ましたか?」
「うん。好きなの多くて、『選ぶむずかしかった』」
身に余る言葉だという感動から、小田蜜葉は口を山なりにする。
「でね、これ興味ある。一番」
サムが差し向けたB5ノートに、小田蜜葉はちいさく「あっ」と漏らした。
枝依中央ターミナル駅傍──ホテル・ブルーダッキー9F エグゼクティブルーム。
一般的な客室よりも豪華で、スイートルームよりはランクの低い『エグゼクティブルーム』。
その部屋のリビングスペースに通された小田蜜葉は、金髪碧眼の幼い双子へ、白緑色の使い込まれたB5ノートを差し出していた。その差し出す右手は、ガタガタと尋常でないほどに奮えている。
「あの、取れないよ、蜜葉」
そうして苦笑いを向けるのは、幼い双子のうちの兄の方──サム。ハッ、と気が付いた小田蜜葉は、きゅんと肩を縮み上げて、差し出していたはずのノートを胸に抱いた。
「ああっのっ! ご、ごめんなさいっ! そのっ、きっき緊張、しちゃってて、あの」
この日、小田蜜葉はYOSSY the CLOWNの宿泊している部屋に呼ばれた。前日の帰り際、「衣装を着せたい二人に会ってほしい」と言われたために、両親の包囲網からなんとか抜け出してきた。
YOSSY the CLOWNについては、両親には秘密にしている。事がどう動いていくかも定かではない上、両親から苦言を受ける瞬間についてなど考えたくはなかったためだ。
双子と小田蜜葉が引き会わせられ、簡単な自己紹介が日本語で行われると、サムは例によって右手を差し出し握手を求めた。小田蜜葉はポッと頬を染め、ぎこちない握手で応える。
一方エニーは、やはりサムの背に隠れていた。女性恐怖症はなかなか癒えない。名乗ったのみで、あとは口を固く噤んでしまっている。
そうして先の、B5ノートをサムへと差し出すところへ至ったわけで。
「ハハ、まあまあ。リラーックス、リラーックス」
軽い口調で、小田蜜葉の右側に立つYOSSY the CLOWN。何の気なしに、小田蜜葉の左肩へ腕を回した。
「えぁっ、やなっ、ぎ、ださん」
「『YOSSYさん』ってそろそろ呼んでくれない? ノート、貸してみせて」
するりと簡単にB5ノートを取られる小田蜜葉。流れるようにページが開かれ、サムへと優しく渡される。
「サム、エニー。この辺りのデザインを二人には特に見て欲しいなと思ってる」
日本語でゆっくり伝えるYOSSY the CLOWN。サムがくるりと深い灰緑の大きな瞳を向けた。
「見て、どうしたらいい?」
「一番気に入ったものを教えてほしいんだ」
「一番、気に入った、もの?」
確認するように、サムの後ろに隠れたエニーが細く英語で訊ね返す。「そうだよ」と満面の笑みのYOSSY the CLOWN。サムが大きく頷けば、双子は瞬く間にB5ノートへ意識を集中させていった。
「ね? これで一歩前進」
「は、はい……」
密着したままの小田蜜葉の右肩と、YOSSY the CLOWNの胸板。
小田蜜葉の左肩を抱く、YOSSY the CLOWNの大きな掌。
小田蜜葉の鼻腔に入る、YOSSY the CLOWNに焚き染みたお香の魅惑的な薫り。
「あ、あのォ」
「ん?」
「どっど、どうして、わたし、その、かか肩をだっ、抱かれて、いるのでしょうっ」
「どーしてって。僕がそうしたいから」
向けられている、無垢色のYOSSY the CLOWNの笑顔。ぐぬっと怯む小田蜜葉。
線の細いスーツジャケットの下に隠された彼の筋肉が、わずかな接着面からビシビシと感じ取れてしまう。他人馴れしていない彼女が、そこから男性性を意識しないわけもなく。
「あのっ。こ、困りますっ、反応にっ」
目を瞑り、俯いた末に身を捩る。するとYOSSY the CLOWNは、呆気なさすぎるほど素直に小田蜜葉を解放した。
「そう? じゃあこの先はまたの機会に」
またの機会なんて、と真っ赤になった顔を覆った。
胸が詰まる。
困惑してやまない。
さまざまな心の準備がままならないまま、YOSSY the CLOWNから四歩も五歩も突然距離を詰められたような心地がしているわけで。
「おお、お二人は、あの、柳田さんのご親族、でしょうか」
間を繋ぎたいと、顔を覆った指の隙間から問いかける小田蜜葉。ノートに集中している双子を温かいまなざしで見つめているYOSSY the CLOWN。
「うん。僕の息子と娘」
「おっ、お子さん、だったんですか……」
声に出し事実確認をすると、チクリと胸に傷を負った。YOSSY the CLOWNの左薬指を盗み見たものの、『そういう』指輪がはまっているどころか着けていた形跡もない。小田蜜葉の胸中に沸いた疑念の色が濃くなっていく。
「二人も芸ができるようになりたいって言ってくれてね。その際に着られるものを、って思ったわけ」
一旦疑念に目を背け、小田蜜葉はYOSSY the CLOWNを見上げる。
「芸……それって、柳田さんと、同じ『芸人になる』、ってことですか?」
「ただのパフォーマーじゃあないよ!」
割り込んだのはサム。小田蜜葉のノートから顔を上げ、キッと眉を吊っている。
「ヨッシーみたいな『世界的にスゴいパフォーマー』になるんだっ。ボクたちは」
まるでよく吠える小型犬のように、今にも噛み付かんとする一言。しかもなかなかに流暢で、小田蜜葉は目を丸くする。
「おやおや、これはこれは。ありがとう、サムくん。大変光栄ですよ」
「だってヨッシーは、ボクとエニーの、ええっと、『憧れ』なんだ」
「あと、ヨッシーは恩人、だから」
小さく付け加えられた、エニーの言葉。その真意がわからず、小田蜜葉は甘く首を捻る。
「ありがとう二人共。二人こそ、『俺』の恩人なんだけどな」
見たことのない笑みを向けるYOSSY the CLOWN。小田蜜葉には想像できないような、一口には語れない絆があるのだろうと覚るに留まる。
一度、ほんのりとエニーがYOSSY the CLOWNへのみ笑みを向け、再びノートへ目を落とす。サムも慌てて、ノートへと集中を戻した。
「わかってくれた? Signorina。僕が、本当に壇上で光を浴びることを前提としているんだってこと」
耳打ちに似た、ヒソヒソとした声量、近さ。胸の鼓動の速さに息が詰まるも、かけられている言葉の意味に緊張が増した。
「ホントの、舞台衣装に、選んでくださった、って、ことですか」
「もちろん」
そっと、優しく温かく笑むYOSSY the CLOWN。頭髪のブルーアッシュが眩しく映る。
「やっぱり自信ない? まぁ、すぐに自信がつくわけじゃないのは重々わかってるつもりだけど」
「も、そう、ですね……。恥ずかしいのも、まだありますし、その、怖い気持ちも、拭いきれて、ませんから」
腹の前で固く手を握り合わせ、視線を俯ける。
「ふとした誰かに認められたから突然自信が持てる、とか、そういう話じゃないよね」
不意にかけられた共感の語尾に、俯けていた顔を上げる小田蜜葉。
「結局は、一番始めにそういう想いを抱くきっかけになった人に肯定してもらわないと、僕もキミも、きっとガタガタ震えながら前に進むしかないんだと思うんだ」
「僕も、って、柳田さんも、なんですか?」
「実は少しね。あ、内緒にしてね。あと『YOSSYさん』だよ」
くす、とYOSSY the CLOWNに笑みを向けられる。しかしそれは、どちらかといえば私的な表情で。
「今『キミもそうなんだ』ってわかったら、なんかちょっと安心したなぁ。やっぱり、そろそろ日本に拠点を移すべきなのかもしれない」
そう小さく言ったYOSSY the CLOWNは、顎に手をやり薄く笑みを浮かべていた。
ハテナが続く小田蜜葉。何かのきっかけになったのだろうかとソワソワしてしまう。
「エニーはどっちが好き?」
「んー。えっと、こっち。サムは?」
「ボクも」
「ホント?」
「うん!」
「じゃあ、ダイジョブ」
「うん、決まり。蜜葉」
「はっ、はいっ!」
声を裏返し背筋を伸ばし、緊張と共にサムを向く。二歩分近寄ってきたサムへ、しゃがみこみ視線を合わせた小田蜜葉。
「きまっき、決まり、ましたか?」
「うん。好きなの多くて、『選ぶむずかしかった』」
身に余る言葉だという感動から、小田蜜葉は口を山なりにする。
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