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TRUST
3-2 costumes to be cool
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「まず。こちら、サムくんのです」
緊張した手先で、作成した衣装を紙袋から取り出す蜜葉。衣装全身をお披露目すると、YOSSY the CLOWNは真っ先に驚嘆の声を上げた。
「はー、ズートスーツかぁ。考えたなぁ!」
ズートスーツとは、裾の長いジャケットに、ハイウエストで太めのパンツを合わせる、特徴的なシルエットのスーツ。例えるならば、一昔前の映画の中でマフィア役の俳優が着用しているものが有名どころと言える。
蜜葉が初めて見せたラフ画も、テレビ通話で見せた『本気デザイン』も、元はYOSSY the CLOWNが愛用しているような細身のシルエットだった。若菜との話し合いや、パフォーマンスをすることを加味し、考案し直したと察するYOSSY the CLOWN。
「How awesome……」
溢れてしまいそうなほどに、その目をまんまるにしたサム。小声の感嘆詞と共に、ほわりと頬を染めた。
黒地に極細の白ストライプのスーツ上下。
淡くピンクに色付いたYシャツ。
鮮やかな赤いネクタイ。
取り外し可能な、腰のシルバーロングチェーン。
真っ白の羽根が縁に刺さった、黒いハット。
ジャケットの袖口には、赤の糸で菱形をいくつも並べた刺繍が施されてある。
「ね。これホントに、ボクに?」
そっとソファから降りたサム。交互に若菜と蜜葉へ視線を送っては、信じられないと言わんばかりにソワソワとしていて。
「も、もちろんです! サムくんを想いながら、わたしがデザインして、若菜さんが、縫ってくださったんですよ」
頬を染めて、サムへと目線高を合わせた蜜葉。ぎこちないながらもそっと笑めば、サムは柔く幼い唇をきゅ、と横へ結んだ。
「サムなら、きっとYOSSYさんの背中を追って、手先のものもアクロバットもなんでもできるようになりたいんじゃないか、と思ったんです」
言葉をそっと付け加える若菜。
「どんな芸でも出来るように、ちょっと大きめで作ってみました。それに、サムのハツラツとした感じなら、細身よりもこっちの方が似合うと思って」
ニマニマと残念な笑みになってしまった若菜。しかし、言葉の意味と込められた想いは、正しく受け取るサム。
「サムくんにしか、成せないことで、一人でも多くの方に、楽しんで、いただけますように」
抱えていた衣装を、両手でサムへと差し向ける蜜葉。本来の彼女らしい微笑みが自然なかたちで向けられると、サムは、産みの母親の最も優しい笑みを思い出した。
最後にあれが向けられたのは、いつだったっけ──泣き出したくなるようなぬくもりを、蜜葉の笑みから淡く抱く。
「あの、えと、蜜葉、そして若菜」
交互に二人を見やるサム。
「ありがとうっ。ボク、この衣装が似合うカッコいい芸人になるよ!」
躊躇いがちに、蜜葉が差し出している衣装へ手をかける。蜜葉から、小さなサムへ衣装が完全に渡る。
すぐにサムは、それを愛おしそうに抱き締めた。若菜と蜜葉が、目線を合わせ微笑み合う。
「よかったね、サム。キミが希望した衣装、二人の力で素敵に生まれたね」
三者の安堵の柔らかな微笑みに、見守り役であった善一も、満足そうに優しく笑んだ。口をVの字にして、年相応に照れ喜んだサムは、ひとつ頷いてからソファに座り直した。
「お待たせ、しました。こちら、エニーちゃんのです」
エニーへと視線を移した蜜葉。同じ紙袋から、丁寧にもう一着を引き上げて取り出す。
それは、落ち着いたシックな様相のノースリーブのバルーンスカートワンピース。
目を見張るエニーは、ふるりとひとつ身震いをして、サムと同じようにそっとソファを降りた。
黒地に極細の白ストライプの全体生地。
鎖骨が隠れるくらいの立ち襟。
二の腕丈のグローブ。
胸元とスカート裾、そしてグローブの袖には、サムと揃いの赤い菱形の刺繍が施してある。その上、極小ビーズとスパンコールできらびやかに飾られてある。
腰をサムと同じシルバーのロングチェーンで飾った、バルーン様にふんわりとした大きなスカート。
そして背面の大きなリボンが、幼いくびれを引き締める。
「エニー、バルーンのパフォーマンスに興味あるって言ってましたよね」
若菜がそっと口を開く。
「腰に目立たないように、ポケットつけてみたんです。バルーンたくさん入れられるようになってますよ」
「バルーン、たくさん」
なぞるエニーは若菜を見上げ、やがてくしゃりと表情を緩め、蜜葉の手にある衣装をまじまじと見つめた。
「蜜葉、あの……」
「は、はいっ」
「ここ、もしかして蜜葉が、縫った?」
震える小さな声で指したのは、赤い菱形の刺繍。
下手くそだったろうか、と不安が過る蜜葉。悪目立ちしているのではないか、と焦燥に駆られる。
「は、はい。わたしも、気持ちを込めて、縫わせていただきました」
聞き終えたエニーは、スカートの裾の菱形をそっと撫でて、ゆっくりと目を閉じた。
触れるだけで、ここに込められた蜜葉と若菜の愛が伝わる。湧き続けているがために、溢れて流れ落ちてしまう量の、二人のポジティブで暖かな想い。
今まで知らなかった愛情の形が、胸一杯に入ってくる──そんな風に、怖くなるほど嬉しくなったエニー。
押し寄せる涙の気配に驚いて、慌てて目を開けた。
「エニーね、まだ『カタチにする』って、ことが、ど、どれだけ大変なのか、わからない。けどね」
不安な面持ちで、エニーを見つめている蜜葉。エニーの一言一言に緊張しているがための強ばり。
「他の『出来る人』に、頼るだけにしようとしてた、蜜葉が、『自分でもやってみる人』に、なったのが、大切なことだって、わかったよ」
くるりと善一を振り返るエニー。
「ヨッシー前に、言ってた。過程が大切なんだ、って」
エニーと目が合うと、善一は「そうだね」とひとつ頷いた。その笑みに安堵したエニーは、再び若菜を見て、蜜葉を見て。
「蜜葉も若菜も、過程で、集中して、たくさん気持ち、ここに入れてくれた。……だよね」
くしゃりと目尻を細めるエニー。
「蜜葉、若菜。こんなに、エニーたちにちゃんと、してくれて、どうもありがとう」
エニーからの賛辞は、蜜葉にとって特別な言葉だった。胸の奥から込み上げてくる感情に、どうにも声をあげて泣いてしまいそうになり、蜜葉は困惑するも慌てて噛み殺す。
「わたしこそ、エニーちゃんに、こんなに大きなチャンスを戴けたこと、本当に、感謝しています」
差し出された衣装を、エニーは優しく受け取る。
「蜜葉、刺繍、綺麗に出来てるね」
「あっ、あり、ありがとう、ございます!」
一度全身を眺めてから、幼いその胸に押し当てたエニー。
「サムエニがあの時、私の『家政科卒』を信じてくれたから、蜜葉は刺繍が出来るようになったし、この衣装も完成したんです」
柔く笑んでいた若菜は、サムとエニーへ交互に視線を向けた。
「一度も私の『針仕事』見てないのに、それでも二人が私のこと信じてくれたお陰で、今があるんです」
書き仕事の手を止めた良二が、そっとその若菜の背を眺める。
「だから私も、『作らせてくれて』、どうもありがとうです」
「若菜さん……」
「…………」
善一に気が付かれないように、瞬間的に一ミリだけ左口角を上げれば、良二自身のなにかもほんのりと柔和していくような。
「さて!」
パァンと手を打った若菜。表情がガラリと変わる。
「着てみませんか? レディーアンドジェントル?」
緊張した手先で、作成した衣装を紙袋から取り出す蜜葉。衣装全身をお披露目すると、YOSSY the CLOWNは真っ先に驚嘆の声を上げた。
「はー、ズートスーツかぁ。考えたなぁ!」
ズートスーツとは、裾の長いジャケットに、ハイウエストで太めのパンツを合わせる、特徴的なシルエットのスーツ。例えるならば、一昔前の映画の中でマフィア役の俳優が着用しているものが有名どころと言える。
蜜葉が初めて見せたラフ画も、テレビ通話で見せた『本気デザイン』も、元はYOSSY the CLOWNが愛用しているような細身のシルエットだった。若菜との話し合いや、パフォーマンスをすることを加味し、考案し直したと察するYOSSY the CLOWN。
「How awesome……」
溢れてしまいそうなほどに、その目をまんまるにしたサム。小声の感嘆詞と共に、ほわりと頬を染めた。
黒地に極細の白ストライプのスーツ上下。
淡くピンクに色付いたYシャツ。
鮮やかな赤いネクタイ。
取り外し可能な、腰のシルバーロングチェーン。
真っ白の羽根が縁に刺さった、黒いハット。
ジャケットの袖口には、赤の糸で菱形をいくつも並べた刺繍が施されてある。
「ね。これホントに、ボクに?」
そっとソファから降りたサム。交互に若菜と蜜葉へ視線を送っては、信じられないと言わんばかりにソワソワとしていて。
「も、もちろんです! サムくんを想いながら、わたしがデザインして、若菜さんが、縫ってくださったんですよ」
頬を染めて、サムへと目線高を合わせた蜜葉。ぎこちないながらもそっと笑めば、サムは柔く幼い唇をきゅ、と横へ結んだ。
「サムなら、きっとYOSSYさんの背中を追って、手先のものもアクロバットもなんでもできるようになりたいんじゃないか、と思ったんです」
言葉をそっと付け加える若菜。
「どんな芸でも出来るように、ちょっと大きめで作ってみました。それに、サムのハツラツとした感じなら、細身よりもこっちの方が似合うと思って」
ニマニマと残念な笑みになってしまった若菜。しかし、言葉の意味と込められた想いは、正しく受け取るサム。
「サムくんにしか、成せないことで、一人でも多くの方に、楽しんで、いただけますように」
抱えていた衣装を、両手でサムへと差し向ける蜜葉。本来の彼女らしい微笑みが自然なかたちで向けられると、サムは、産みの母親の最も優しい笑みを思い出した。
最後にあれが向けられたのは、いつだったっけ──泣き出したくなるようなぬくもりを、蜜葉の笑みから淡く抱く。
「あの、えと、蜜葉、そして若菜」
交互に二人を見やるサム。
「ありがとうっ。ボク、この衣装が似合うカッコいい芸人になるよ!」
躊躇いがちに、蜜葉が差し出している衣装へ手をかける。蜜葉から、小さなサムへ衣装が完全に渡る。
すぐにサムは、それを愛おしそうに抱き締めた。若菜と蜜葉が、目線を合わせ微笑み合う。
「よかったね、サム。キミが希望した衣装、二人の力で素敵に生まれたね」
三者の安堵の柔らかな微笑みに、見守り役であった善一も、満足そうに優しく笑んだ。口をVの字にして、年相応に照れ喜んだサムは、ひとつ頷いてからソファに座り直した。
「お待たせ、しました。こちら、エニーちゃんのです」
エニーへと視線を移した蜜葉。同じ紙袋から、丁寧にもう一着を引き上げて取り出す。
それは、落ち着いたシックな様相のノースリーブのバルーンスカートワンピース。
目を見張るエニーは、ふるりとひとつ身震いをして、サムと同じようにそっとソファを降りた。
黒地に極細の白ストライプの全体生地。
鎖骨が隠れるくらいの立ち襟。
二の腕丈のグローブ。
胸元とスカート裾、そしてグローブの袖には、サムと揃いの赤い菱形の刺繍が施してある。その上、極小ビーズとスパンコールできらびやかに飾られてある。
腰をサムと同じシルバーのロングチェーンで飾った、バルーン様にふんわりとした大きなスカート。
そして背面の大きなリボンが、幼いくびれを引き締める。
「エニー、バルーンのパフォーマンスに興味あるって言ってましたよね」
若菜がそっと口を開く。
「腰に目立たないように、ポケットつけてみたんです。バルーンたくさん入れられるようになってますよ」
「バルーン、たくさん」
なぞるエニーは若菜を見上げ、やがてくしゃりと表情を緩め、蜜葉の手にある衣装をまじまじと見つめた。
「蜜葉、あの……」
「は、はいっ」
「ここ、もしかして蜜葉が、縫った?」
震える小さな声で指したのは、赤い菱形の刺繍。
下手くそだったろうか、と不安が過る蜜葉。悪目立ちしているのではないか、と焦燥に駆られる。
「は、はい。わたしも、気持ちを込めて、縫わせていただきました」
聞き終えたエニーは、スカートの裾の菱形をそっと撫でて、ゆっくりと目を閉じた。
触れるだけで、ここに込められた蜜葉と若菜の愛が伝わる。湧き続けているがために、溢れて流れ落ちてしまう量の、二人のポジティブで暖かな想い。
今まで知らなかった愛情の形が、胸一杯に入ってくる──そんな風に、怖くなるほど嬉しくなったエニー。
押し寄せる涙の気配に驚いて、慌てて目を開けた。
「エニーね、まだ『カタチにする』って、ことが、ど、どれだけ大変なのか、わからない。けどね」
不安な面持ちで、エニーを見つめている蜜葉。エニーの一言一言に緊張しているがための強ばり。
「他の『出来る人』に、頼るだけにしようとしてた、蜜葉が、『自分でもやってみる人』に、なったのが、大切なことだって、わかったよ」
くるりと善一を振り返るエニー。
「ヨッシー前に、言ってた。過程が大切なんだ、って」
エニーと目が合うと、善一は「そうだね」とひとつ頷いた。その笑みに安堵したエニーは、再び若菜を見て、蜜葉を見て。
「蜜葉も若菜も、過程で、集中して、たくさん気持ち、ここに入れてくれた。……だよね」
くしゃりと目尻を細めるエニー。
「蜜葉、若菜。こんなに、エニーたちにちゃんと、してくれて、どうもありがとう」
エニーからの賛辞は、蜜葉にとって特別な言葉だった。胸の奥から込み上げてくる感情に、どうにも声をあげて泣いてしまいそうになり、蜜葉は困惑するも慌てて噛み殺す。
「わたしこそ、エニーちゃんに、こんなに大きなチャンスを戴けたこと、本当に、感謝しています」
差し出された衣装を、エニーは優しく受け取る。
「蜜葉、刺繍、綺麗に出来てるね」
「あっ、あり、ありがとう、ございます!」
一度全身を眺めてから、幼いその胸に押し当てたエニー。
「サムエニがあの時、私の『家政科卒』を信じてくれたから、蜜葉は刺繍が出来るようになったし、この衣装も完成したんです」
柔く笑んでいた若菜は、サムとエニーへ交互に視線を向けた。
「一度も私の『針仕事』見てないのに、それでも二人が私のこと信じてくれたお陰で、今があるんです」
書き仕事の手を止めた良二が、そっとその若菜の背を眺める。
「だから私も、『作らせてくれて』、どうもありがとうです」
「若菜さん……」
「…………」
善一に気が付かれないように、瞬間的に一ミリだけ左口角を上げれば、良二自身のなにかもほんのりと柔和していくような。
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※初出2024年7月
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