死か降伏かー新選組壬生の狼ー

手塚エマ

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第一章 OBEY

第十四話 懐刀

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「 水戸藩附家老久藤家みとはんふかろうくどうけの三男です。七つで 水戸藩校みとはんこうに入塾する以前より、美貌と抜きん出た聡明さで、広く知られていたようです。藩校で教鞭をとる 水戸学みとがく者に推挙され、 将軍後見職しょうぐんこうけんしょくの 徳川慶喜とくがわよしのぶ様の小姓を 昨年さくねんまで、お勤めになられたとのことでした」

「慶喜公の小姓だったのか……」


 土方は拳を顎に当てながら、唸るように呟いた。
 単に水戸藩家老の家柄のみならず、慶喜公の後ろ盾まで有している。

「慶喜様も、お生まれは水戸藩でしたから。そのご縁もおありだったんでしょう。また慶喜様は、幕府の老中の命令で 一橋家ひとつばしけの 世嗣よつぎにおなりになられた後、薩摩藩の後押しを得て、将軍後見職に就任なされたばかりの御方です。その慶喜様から久藤様は、眩しいほどのご寵愛を受けておられます」

「……つまり、慶喜公の 懐刀ふところがたなというわけか。その 久藤佑輔くどうゆうすけとかいう前髪は」


 徳川慶喜は黒船ペリーの来航で、幕府の吸引力が衰えた途端、政権略奪の好機を狙い始めた薩摩藩の 推挙すいきょにより、将軍に次ぐ地位にあたる、将軍後見職に着任した。

 薩摩は徳川幕府の中枢に、反幕勢力を食い込ませている。


 将軍後見職は、幼少期の将軍の 傅役もりやくという名目なのだが、幼い将軍に成り代わり、摂政として藩主に下知する権限まで持つ。

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