15 / 19
一章 過去の過ち
十四話
しおりを挟む奴がシリアを見つめながら笑っている。シリアは彼女と瓜二つだ。本当なら奴の目にだって移したくないというのに、、、。
シリアはゆっくりと笑いながらあの男に近づく、男が何をしてもすぐ動けるようにしておく、シリアの手が奴の顔に触れると冷気が場を支配する。
「ふぅ、お父様、終わりました」
「あ、あぁ」
同じ表情のまま氷漬けになった男を哀れには思わないがまだ10にも満たない娘が少し末恐ろしくもなるが、将来が少し楽しくもある。
隣国に留学している際に義母さまの性格が似てしまったようだ。あの魔法もそうだがあの可愛らしく笑っていた娘がすこし恋しくなる。
「強くなったな」
「ふふ、はい!お婆様に色々と教わりました!将来、結婚する時もそうですが男性に舐められないようにどうやって尻に敷くのかも教えてくれました!そのための力も!」
そう嬉々としていってくる可愛い娘に俺も周りにいる奴らも顔を引き連れせた。
「そ、そうか、、、。あぁ、まずはそいつを地下牢獄へ幽閉しといてくれ、リンの中にある核を取り除けるまで閉じ込めておけ」
「「「は、はい!!」」」
俺の声に顔を引き攣っていたものは氷漬けになった男を浮遊魔法で連れ出していった。
「シリア、俺はリンに会いに行ってくるが、、、」
「「「俺/僕/私もいく!」」」
「お前たち、、、」
シリアと声を被らせたのはルアンとフレッドだった。
「まぁいい、ちょうどいい機会だ」
「本当ですか!やりましたねお母様!」
「本当にこの日をどれだけ待ち望んだことか、、、グレイスがヘタレじゃなければもっと早く会えていたんだから遅いくらいだよ!ささ早く行こう!」
グサグサと刺さることをいうルイスに文句を言ってやりたいが事実なのでなんとも言えない。リンに会いたいという2人に気まずくてずっと後回していたのは自分なのだから。
馬車を用意しリンが待っている城へと急いだ。
その頃城では、リンとユースト、国王、が対面して座っていた。今まで肖像画でしか見たことなかったが実際に見るとかっこよさも威厳もとてもすごかった。
「元気そうだな、ユースト。前にあったのは二ヶ月前だったか?」
「はい、フレイの呼ばれたお茶会に僕も参加して以来なので2か月ぶりですね」
仲良さそうに話す2人にやっぱり仲がいいんだなと思いつつきまづさだけが増していく。大事にしている子を殴ったものが隣にいるなんてどう思うのだろうか。先程の殺気のような威圧のようなものに倒れそうになったのを思い出すと体がわずかでも震えてくる。
「ふむ、君とは初めましてだな、私はアルベルト・エイール・ルワンダニアという」
「は、はじめまして、国王陛下。アルフォード家次男リン・アルフォードと言います」
「そんなに畏まらなくていい、これは非公式の対面だ」
「は、はぃ」
言われてすぐに座るが何を話していいか分からず下を見る。それでも国王陛下は俺を見ているようでますます気まずくなる。何か会話を探そうにも何を話せばいいのか全くわからない。
「ふむ、2人とも学園での生活はどうだ?フレイはユーストの話しかしないからなたまにはお前の話も聞かせてくれ」
「俺ですか?俺はそんな大したことはないですよ?大体はフレイと一緒にいますし、周りのみんなもよくしてくれます」
「そうか、リンはどうだ?久しぶりの学園だっただろう?」
「え、あ、はい。そのと、友達ができて、た、楽しいです」
もともとできるとは思わなかった友達と過ごせて、まだまだ周りの目は厳しいけど多少は柔らかくなってきてはいるのだ。
「お前の噂は聞いてるぞ、剣術がとても優秀らしいな?授業も免除になっているそうじゃないか」
「え?それはすごいね!うちの学校の剣術科ってとても厳しくて卒業までに残る人ってすごく少ないって聞いたのに」
「そ、そんな、俺がいると邪魔だから、、、それにそんな大したことは、師匠にはまだまだ幼児レベルとしか言われないので」
「師匠とはダリアのことだろう?あいつが長く剣を教えること自体が珍しいんだ。俺が何度頼んでも教えてくれなかったしな。幼児レベルといったが見込みがないと虫以下って言われるぞ?」
虫、虫はいいすぎなんじゃ、、、。でも師匠ならいいそうだ。それに国王陛下の知り合いなんて知らなかった。最近は隣の大陸にトカゲを狩ったって手紙に書いてあったけど、、、本当にすごい人なのだろうか?強さは本物だろうけど、、、。
「あ、あの」
「どうした?」
「師匠、ダリア様はそんなにすごい人なのですか?」
思い切って聞いてみると2人は目を丸くして俺は凝視していた。な、何かいけないことを聞いてしまったのだろうか。
「そうか、君は長い間外に出てきていなかったか、ダリアはもともとスラムの人間なんだ。魔力が多いことで学園に通うことができたがやはり貴族の多い学園では反りの合う人間がいなくてな1年もしないうちにやめて冒険者ギルドに登録したんだ」
「冒険者ギルド、ですか?」
「冒険者ギルドってのはね、依頼人がお金を払って依頼をするの。平民でも貴族でも国だって依頼できるんだよ?難易度によってランクがあってEランクからあまりないけどSランクがあるの。家の片付けから、草むしり、魔物や盗賊退治とかね。受けられるのは自分のランク一つ上だけどね。その中でもダリア様は数少ないSランクパーティーのひとつなんだ!ドラゴンスレイヤーの異名もあるんだ!」
「ど、どらごん?魔物って空想上の生き物なんじゃ?」
「「え」」
先ほどよりにも驚いたような顔をして、周りに控えているメイドも若干驚いた顔をしている。
「えっと、今まで聞いたことないの?魔物について」
「あ、えっと、ブラン様に魔物は遥か昔にいなくなって今は弱い動物しかいないって、ダリア様もたまに手紙をくれますがトカゲとかでっかい猪を狩ったとしか」
「トカゲ、、、はドラゴンだねでっかい猪は猪は猪でも魔力が変異して十倍ほどの大きさになった猪だね」
「これは色々間違ったことを教わってそうだな」
「そうですね。あ!じゃあ僕が色々教えるよ!いい機会だしね」
「え!?そ、そんな恐れ多いです!勉強を教えていただくなんて、、、」
「いいじゃないか、それに魔法科と剣術科の生徒が仲が少しでもよくなるかもしれないしな。まぁ何をわかって何をわかっているのかだけども確かめてみなさい」
流石に国王陛下に言われて仕舞えば断ることはできない。
「は、はい」
これからの学園生活がどうなるのか少し不安だ。
2
あなたにおすすめの小説
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~
TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】
公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。
しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!?
王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。
これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。
※別で投稿している作品、
『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。
設定と後半の展開が少し変わっています。
※後日譚を追加しました。
後日譚① レイチェル視点→メルド視点
後日譚② 王弟→王→ケイ視点
後日譚③ メルド視点
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
婚約破棄を傍観していた令息は、部外者なのにキーパーソンでした
Cleyera
BL
貴族学院の交流の場である大広間で、一人の女子生徒を囲む四人の男子生徒たち
その中に第一王子が含まれていることが周囲を不安にさせ、王子の婚約者である令嬢は「その娼婦を側に置くことをおやめ下さい!」と訴える……ところを見ていた傍観者の話
:注意:
作者は素人です
傍観者視点の話
人(?)×人
安心安全の全年齢!だよ(´∀`*)
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる