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一章 過去と今
9話
そろそろ部屋に戻ろうかなとフランが考えていると今度は陛下たちがやってきた。
「お兄ちゃん!」
一緒に来ていたミレイがフランを見つけるなり抱きついていく。彼女のそんな様子に彼女の両親、シルベニア国の皇妃と陛下だ。シルベニア国は主に皇妃が王として王座についている。あの国で特に重要視されるのが《血》であり先王の遺した子供が皇妃だけのため彼女が王座についている。
「あらあら、ミレイったら、フランくんのことが大好きなのね」
そう笑っている女性はとても若々しく、二十歳の子供がいると思えない。
「久しぶり、と言っても覚えていないかしら?あなたが幼い頃、4歳ぐらいの頃にあったことがあるのだけれど」
「?、、、?」
「ふふ、流石に覚えていないわよね。では、改めて、シルベニア国、国王アルベニア・フォン・シルベニアと申します」
「、、、!、、、あ、フラン・ルイス・ディ・アレリア、、、と申します」
「えぇ、あ、あなた。ちょっとこちらへいらして」
「どうしたんだい?」
「フランくんこちら、私の夫のガイスよ」
「フランくん?あぁ、第三王子の、ガイス・フォン・シルベニアです。よろしくね」
「よ、よろしく、、、お願いします」
まさかこの2人と会うとは思わなかった。同じ会場にいるため会うことは不思議ではないが、まさかこっちにくるとは思わなかった。彼らは特にフランのように人に対し暴言や暴行をするような悪虐な人間を心から軽蔑する。それゆえに彼らの国は少しでも悪行をしようとすればすぐに見つかって処罰をされてしま得るほど法の規則が多くあり、取り締まりもすごく厳しいらしい。
だからこそ、彼らがフランに話かけるといことが信じられないのだ。
「ミレイがとてもお世話になったみたいだね。迷惑ではなかったかな?」
「お父様!!」
「大丈夫、、、です」
「そうかい?それならよかったよ。末っ子で可愛い娘だからついつい甘やかしてしまうんだ。だからか少しわがままになってしまってね」
今、陛下がボソっと親バカって呟いたのが聞こえた気がする。陛下はガイス様とも仲がいいのか、、、。
「私は、迷惑なんてかけていませんわ!一緒に美味しいお菓子を食べてご本を読んでいただけだもの!」
「ふふ、あまりミレイを揶揄うものじゃありませんよ。フランくんは本をよく読むのかしら?」
「、、、はい、アリアに勧められて」
「アリア?」
「フレイの専属メイドのことだな。確か、元伯爵家の令嬢だったと思うが」
アリアって貴族だったんだ。でも元ってどうゆうことなんだろう、、。
「そうなの?フランくんはそのアリアさんと仲がいいのね」
仲がいい。そう、なんだろうか、、、。そうだといいな。
「、、、うん」
「、、、そう。じゃあ、私たちはそろそろベイルの様子を見てくるわね」
「あぁ、わかった」
「あなたはもっと素直になることね」
「、、、、言われなくともわかっている」
「頑張れよ」
アルベニア様たちはそういうとベイル王子の元へさっていった。フランの元には陛下が残った。
周りもちらちらとコチラの様子を窺っている。
「、、、、」
「、、、、」
「、、、、楽しんでいるか?」
「え?、、、はい」
「そうか」
「、、、、」
「、、、、」
「いや、もっと話すことあるでしょ。一昔前のカップっるかよ」
話すことがなく気まずげにしていると第4王子であるルディアンが来た。
「ルディアン、、、挨拶回りは終わったのか」
「ちゃんとしましたよ。俺は対して挨拶する人はいないし、うろうろしてたら変な雰囲気で話している2人がいるしさー。もっとなんか話す内容あるでしょ?口下手じゃないんだから」
「「、、、、、」」
「、、、、いやなに?そんなこっちみられても困るんだけど」
確かに、前の自分は結構話す方だったと思う。父と話すときは自分から何かをねだることが多かったけど、でも今思えば何かをねだったり褒めてもらいたくて何かと話しかけていた、裏を返せば何かねだるものがなく、別に褒めてほしいとも思っていない現状では特に話すことがないのだ。
陛下、父からは話しかけられることはほとんどなく、あったとすれば何か業務的な連絡のみだった。
「はぁ、いつもうるさいくらい父様と話してたくせに、、、今更大人しい子アピールしたいわけ?父様も父様でしょ、あんなにわずらわしそうにしてたくせに今さらなんなの?何かこいつに利用しようとでもしてるの?」
「ルディアン!」
「、、、」
確かにそうだ、、、。なんで自分は気づかなかったんだろうか、おかしいとは思っていたんだ。急に優しくなって、無表情だったのに笑顔を見せてくれるようになって、胸がキューってホワホワーってなって嬉しくて深く考えようとは思わなかった。でもそっか、、、利用価値、、俺にも何か利用価値があるのだろうか、嫌いである俺に笑顔を、優しさを向けてくれるほどに、、、。
でも、俺にはなにもないから、俺に役に立てることは限られているけれど、この国のためになるならそれはそれでいいのかもしれない。
「フラン、フラン?」
「、、、大丈夫、、、自分が役に立てることはわかっているつもりだから、、、」
「違う、違うんだ。聞いてくれ」
聞きたくない。聞きたくない!聞いてしまったら何か壊れてしまいそうだ。
「、、、、部屋に戻る」
振り向くことはせず、早歩きで会場から出る。会場から出てすぐ部屋に走ったそれはもう全速力で、途中でこけそうになるが気にせず走った。
バンっと大きな音をたてながら開いた扉をまたも大きな音をさせながら締める。アリアはいない。本当ならもっと遅くなるはずだった。皆より早く会場を出ようと思ってはいたが、それでも遅くはなるのだからアリアを待たせるわけにはいかないので先に休むように伝えていた。よろよろと服を全て脱ぎすてシャツ一枚だけ羽織って布団の中に入った。
考えるのは昔の記憶だ。最初は普通に拷問をされていたが痛みが効かなくなったとわかると次の段階に入った。それが性的な拷問だった。もともと性的なことにあまり興味がなく、したことがないフランにとってその拷問はとても苦痛なものだった。初めは悔しさと、痛み、屈辱だけだったが、その感覚が快楽に変わっていくのは遅くなかった。薬なども使われ意識は朦朧としても記憶には深く刻まれているのだ。女にも男にももはや苦痛でしかないあの行為に思い出すだけで吐き気を催しそうになる。
拷問するもの達が言っていたのだ、自分の唯一の取り柄はこの身、この国の第3王子であること、そして整った顔立ちだけだと、だとすれば俺をどこかの国に嫁がせるだけで有利なことは多くあるのかもしれない。
そんなことを淡々と考えながらも涙が出ないことに余計に悲しくなる。こういう時に涙を流せばこの気持ちが少しは軽くなっただろう。昔は拷問のたびに涙を流していた。いつからだろうか、、、涙が出なくなったのは。自分の罪を認めてからだっただろうか、、、今になっては関係がないことだ。
だめだ、悪いことばかり考えてしまう。もう寝てしまおう。大丈夫自分の存在意味は理解している。あの未来にならないのなら自分はどうなってもいい、そう思っていたはずだ。大丈夫、もう大丈夫、間違えたりはしない。自分のするべきことは忘れてはいない。
大丈夫、明日からはちゃんとする、だから今日だけは、今日だけは弱音を吐いても許してください神様、、、。
「お兄ちゃん!」
一緒に来ていたミレイがフランを見つけるなり抱きついていく。彼女のそんな様子に彼女の両親、シルベニア国の皇妃と陛下だ。シルベニア国は主に皇妃が王として王座についている。あの国で特に重要視されるのが《血》であり先王の遺した子供が皇妃だけのため彼女が王座についている。
「あらあら、ミレイったら、フランくんのことが大好きなのね」
そう笑っている女性はとても若々しく、二十歳の子供がいると思えない。
「久しぶり、と言っても覚えていないかしら?あなたが幼い頃、4歳ぐらいの頃にあったことがあるのだけれど」
「?、、、?」
「ふふ、流石に覚えていないわよね。では、改めて、シルベニア国、国王アルベニア・フォン・シルベニアと申します」
「、、、!、、、あ、フラン・ルイス・ディ・アレリア、、、と申します」
「えぇ、あ、あなた。ちょっとこちらへいらして」
「どうしたんだい?」
「フランくんこちら、私の夫のガイスよ」
「フランくん?あぁ、第三王子の、ガイス・フォン・シルベニアです。よろしくね」
「よ、よろしく、、、お願いします」
まさかこの2人と会うとは思わなかった。同じ会場にいるため会うことは不思議ではないが、まさかこっちにくるとは思わなかった。彼らは特にフランのように人に対し暴言や暴行をするような悪虐な人間を心から軽蔑する。それゆえに彼らの国は少しでも悪行をしようとすればすぐに見つかって処罰をされてしま得るほど法の規則が多くあり、取り締まりもすごく厳しいらしい。
だからこそ、彼らがフランに話かけるといことが信じられないのだ。
「ミレイがとてもお世話になったみたいだね。迷惑ではなかったかな?」
「お父様!!」
「大丈夫、、、です」
「そうかい?それならよかったよ。末っ子で可愛い娘だからついつい甘やかしてしまうんだ。だからか少しわがままになってしまってね」
今、陛下がボソっと親バカって呟いたのが聞こえた気がする。陛下はガイス様とも仲がいいのか、、、。
「私は、迷惑なんてかけていませんわ!一緒に美味しいお菓子を食べてご本を読んでいただけだもの!」
「ふふ、あまりミレイを揶揄うものじゃありませんよ。フランくんは本をよく読むのかしら?」
「、、、はい、アリアに勧められて」
「アリア?」
「フレイの専属メイドのことだな。確か、元伯爵家の令嬢だったと思うが」
アリアって貴族だったんだ。でも元ってどうゆうことなんだろう、、。
「そうなの?フランくんはそのアリアさんと仲がいいのね」
仲がいい。そう、なんだろうか、、、。そうだといいな。
「、、、うん」
「、、、そう。じゃあ、私たちはそろそろベイルの様子を見てくるわね」
「あぁ、わかった」
「あなたはもっと素直になることね」
「、、、、言われなくともわかっている」
「頑張れよ」
アルベニア様たちはそういうとベイル王子の元へさっていった。フランの元には陛下が残った。
周りもちらちらとコチラの様子を窺っている。
「、、、、」
「、、、、」
「、、、、楽しんでいるか?」
「え?、、、はい」
「そうか」
「、、、、」
「、、、、」
「いや、もっと話すことあるでしょ。一昔前のカップっるかよ」
話すことがなく気まずげにしていると第4王子であるルディアンが来た。
「ルディアン、、、挨拶回りは終わったのか」
「ちゃんとしましたよ。俺は対して挨拶する人はいないし、うろうろしてたら変な雰囲気で話している2人がいるしさー。もっとなんか話す内容あるでしょ?口下手じゃないんだから」
「「、、、、、」」
「、、、、いやなに?そんなこっちみられても困るんだけど」
確かに、前の自分は結構話す方だったと思う。父と話すときは自分から何かをねだることが多かったけど、でも今思えば何かをねだったり褒めてもらいたくて何かと話しかけていた、裏を返せば何かねだるものがなく、別に褒めてほしいとも思っていない現状では特に話すことがないのだ。
陛下、父からは話しかけられることはほとんどなく、あったとすれば何か業務的な連絡のみだった。
「はぁ、いつもうるさいくらい父様と話してたくせに、、、今更大人しい子アピールしたいわけ?父様も父様でしょ、あんなにわずらわしそうにしてたくせに今さらなんなの?何かこいつに利用しようとでもしてるの?」
「ルディアン!」
「、、、」
確かにそうだ、、、。なんで自分は気づかなかったんだろうか、おかしいとは思っていたんだ。急に優しくなって、無表情だったのに笑顔を見せてくれるようになって、胸がキューってホワホワーってなって嬉しくて深く考えようとは思わなかった。でもそっか、、、利用価値、、俺にも何か利用価値があるのだろうか、嫌いである俺に笑顔を、優しさを向けてくれるほどに、、、。
でも、俺にはなにもないから、俺に役に立てることは限られているけれど、この国のためになるならそれはそれでいいのかもしれない。
「フラン、フラン?」
「、、、大丈夫、、、自分が役に立てることはわかっているつもりだから、、、」
「違う、違うんだ。聞いてくれ」
聞きたくない。聞きたくない!聞いてしまったら何か壊れてしまいそうだ。
「、、、、部屋に戻る」
振り向くことはせず、早歩きで会場から出る。会場から出てすぐ部屋に走ったそれはもう全速力で、途中でこけそうになるが気にせず走った。
バンっと大きな音をたてながら開いた扉をまたも大きな音をさせながら締める。アリアはいない。本当ならもっと遅くなるはずだった。皆より早く会場を出ようと思ってはいたが、それでも遅くはなるのだからアリアを待たせるわけにはいかないので先に休むように伝えていた。よろよろと服を全て脱ぎすてシャツ一枚だけ羽織って布団の中に入った。
考えるのは昔の記憶だ。最初は普通に拷問をされていたが痛みが効かなくなったとわかると次の段階に入った。それが性的な拷問だった。もともと性的なことにあまり興味がなく、したことがないフランにとってその拷問はとても苦痛なものだった。初めは悔しさと、痛み、屈辱だけだったが、その感覚が快楽に変わっていくのは遅くなかった。薬なども使われ意識は朦朧としても記憶には深く刻まれているのだ。女にも男にももはや苦痛でしかないあの行為に思い出すだけで吐き気を催しそうになる。
拷問するもの達が言っていたのだ、自分の唯一の取り柄はこの身、この国の第3王子であること、そして整った顔立ちだけだと、だとすれば俺をどこかの国に嫁がせるだけで有利なことは多くあるのかもしれない。
そんなことを淡々と考えながらも涙が出ないことに余計に悲しくなる。こういう時に涙を流せばこの気持ちが少しは軽くなっただろう。昔は拷問のたびに涙を流していた。いつからだろうか、、、涙が出なくなったのは。自分の罪を認めてからだっただろうか、、、今になっては関係がないことだ。
だめだ、悪いことばかり考えてしまう。もう寝てしまおう。大丈夫自分の存在意味は理解している。あの未来にならないのなら自分はどうなってもいい、そう思っていたはずだ。大丈夫、もう大丈夫、間違えたりはしない。自分のするべきことは忘れてはいない。
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