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視線が
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僕は同族嫌悪が著しい。同族嫌悪と言ったが、少し語弊がある。僕は昔のじぶんのような人間が嫌いだ。
僕は昔、いわゆるクラスに一人は居るようなうるさいやつだった。確かに僕は人と比べて落ち着きが無い。だけど、みんなを傷つけるような発言はしなかったし、それどころかどんなことを言えば、みんなは笑ってくれるのか。そんなことをいつも考えながら喋っていたので、嫌われてなどいなかった。そう思っていた。
小学五年生の夏休み前のある日、僕がいつもより少し遅れて学校に来ると教室が騒然としていた。
近くにいた女子に何が起こったのか訊こうとすると、その女子は突然振り向き、みんなに「山下くん来たよ。」と呼び掛けた。
場は一瞬静まり返り、僕は教室を間違えたときの状況確認のために周りを見回していた。みんなから訝しげな視線を感じる。
すると、クラスのリーダー格の室見が徐に「お前が犯人だろう。昨日の。」と言った。
すると、その周りのガヤも囃し立てるように続いた。犯人?何のことだ。僕は全く状況を呑み込めずに、おどおどしているのを良いことにガヤの声が次第に大きくなっていった。
ガラッと、ドアの開く音がして、教師が入ってくると、蜘蛛の子を散らすように各々の席に退散していった。
朝の会で、 何があったのか全て説明された。
教室の端にある花瓶が割られていたらしい。最初に朝一番に来た女子が見つけたそうだから、昨日の放課後に割られたのだろう。
教師は怒らないから正直に出てきなさい。と言っているが誰も出てきそうな気配はない。それどころかちょくちょく背中に視線を感じるくらいだ。教師は放課後まで待つ。と言って朝の会は終わったが、誰も出て来ないだろう。だってその犯人は反省するどころか僕に濡れ衣を着せようとしているのだから。
いつもなら朝の会が終わると同時に男子の数名が僕の席の周りに集まるのだが今日はそれがない。僕はみんなに悟られないように、ポケットの中でこぶしを握りしめた。
その一日は僕が口を開くことは無かった。最初こそは先生も戸惑っていたが、次第に納得したような表情に変わっていった。それが悔しかった。
その日の放課後、教師に結局誰も言い出してこなかった。の次に続く言葉によって 僕は更に身に覚えのない反感を増やすことになった。
「誰も言い出してこなかったのはクラスの雰囲気が悪いんだ。よって、この件はクラス全体で責任をとることにする。」内容としては放課後、教師のほとぼりが冷めるまでの掃除だった。
その日から僕に対する視線が大きく変わった。
僕は昔、いわゆるクラスに一人は居るようなうるさいやつだった。確かに僕は人と比べて落ち着きが無い。だけど、みんなを傷つけるような発言はしなかったし、それどころかどんなことを言えば、みんなは笑ってくれるのか。そんなことをいつも考えながら喋っていたので、嫌われてなどいなかった。そう思っていた。
小学五年生の夏休み前のある日、僕がいつもより少し遅れて学校に来ると教室が騒然としていた。
近くにいた女子に何が起こったのか訊こうとすると、その女子は突然振り向き、みんなに「山下くん来たよ。」と呼び掛けた。
場は一瞬静まり返り、僕は教室を間違えたときの状況確認のために周りを見回していた。みんなから訝しげな視線を感じる。
すると、クラスのリーダー格の室見が徐に「お前が犯人だろう。昨日の。」と言った。
すると、その周りのガヤも囃し立てるように続いた。犯人?何のことだ。僕は全く状況を呑み込めずに、おどおどしているのを良いことにガヤの声が次第に大きくなっていった。
ガラッと、ドアの開く音がして、教師が入ってくると、蜘蛛の子を散らすように各々の席に退散していった。
朝の会で、 何があったのか全て説明された。
教室の端にある花瓶が割られていたらしい。最初に朝一番に来た女子が見つけたそうだから、昨日の放課後に割られたのだろう。
教師は怒らないから正直に出てきなさい。と言っているが誰も出てきそうな気配はない。それどころかちょくちょく背中に視線を感じるくらいだ。教師は放課後まで待つ。と言って朝の会は終わったが、誰も出て来ないだろう。だってその犯人は反省するどころか僕に濡れ衣を着せようとしているのだから。
いつもなら朝の会が終わると同時に男子の数名が僕の席の周りに集まるのだが今日はそれがない。僕はみんなに悟られないように、ポケットの中でこぶしを握りしめた。
その一日は僕が口を開くことは無かった。最初こそは先生も戸惑っていたが、次第に納得したような表情に変わっていった。それが悔しかった。
その日の放課後、教師に結局誰も言い出してこなかった。の次に続く言葉によって 僕は更に身に覚えのない反感を増やすことになった。
「誰も言い出してこなかったのはクラスの雰囲気が悪いんだ。よって、この件はクラス全体で責任をとることにする。」内容としては放課後、教師のほとぼりが冷めるまでの掃除だった。
その日から僕に対する視線が大きく変わった。
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